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日記 2023.12.14(木) 頭痛の予防法/『希望のかなた』/『過去のない男』/野菜だけサンド/お金の使い方、使い時

いつも通りの朝。今日はアキ・カウリスマキ監督の作品を観に、もう一度渋谷へ行く。

頭痛を引き起こす要因をみていると、ソーシャルスペースを確保できないことというものがあった。電車の中など混み合っているところではさまざまなにおい、音、光を浴びて更にはソーシャルスペースの確保ができない。そういった場所で無意識のうちにストレスを感じていたのかもしれない。対処法としては、音楽を聴くこと。イヤホンで耳をふさぎ音楽を聴いている時は周りの音はそんなに気にならなくなる。これからは意識的に電車の中のぼーっとする時間に音楽を聴くことにしてみる。

午前中の光の中でコーヒーを淹れて日課を進めてる。フリマサイトの発送のための梱包もして、11時ごろにお昼ご飯を食べる。黒千石納豆とアボカドをご飯にのせてささっと食べるがこれがとっても美味しい。あんまりすてきじゃないアボカドだったので、今度は美味しそうなアボカドを買ってきて作ってみたい。

お昼に家を出て映画館へ。今日は人混みをなるべく避けるように渋谷駅からマークシティを抜けていく行き方で行ったのだが、かなり行きすぎてしまい、ラブホテル街を彷徨う羽目になってしまった。Googleマップを開いてようやく映画館へ到着したらもう上映13分前になっていた。今日はリピート割で1,000円で『希望のかなた』を観ることができる。急いでお手洗いを済ませ席につき鑑賞した。

希望のかなたのポスター。

『希望のかなた』はとてつもない作品だった。わたしにとっては突然の終わりで、暗転と同時に涙が噴き出し咽び泣いていた。これまで観たアキ・カウリスマキ監督の作品の中でいちばん好きな作品、そんな気がする。涙をぬぐい席を立ったがまだこのまま帰るわけにはいかない気持ちになってしまった。そのまま次の回の『過去のない男』も観ることにした。こちらは一度観ている作品だったけれど断片的にしか内容は覚えていなかった。チケットと一緒に『希望のかなた』のパンフレットも買う。もう一度席に座って1時間半、アキ監督の作品を堪能した。

過去のない男のポスターとハンニバル(犬)。



『過去のない男』というタイトルは暴漢に襲われ記憶を失った男の物語ということだと思うけれど、ラストシーンを観ていると、過去にとらわれずに振り返らずに、前を向いて進んで生きていくという意味に見えてくる。なんだかいまの自分に向けられたメッセージを受けとったような気がしてあたたかな気持ちでいっぱいになった。
2本のすてきな映画を楽しんで満足し、映画館を出た。

外はもう17時で暗くなりはじめている。大きなヴィジョンに映し出された光と音、上へ上へと伸びる大きなビルたち、たくさんの行き交う人々。さぁここはわたしの居場所ではない、わたしの小さな愛おしい家へ帰ろう、と駅へ向かった。

映画を観ていたら、パンとスープが食べたくなってきた。渋谷のパン屋さんのスモークサーモンのバゲットサンドは1,500円。北欧気分をしっかりと盛り上げてくれそうだったけれど手が出なかった。家の近くの美味しいパン屋を調べると、19時までやってるようだったのでそちらでパンは買うことにした。バゲットと丸いパンをひとつずつで281円、なんだかかなり得した気分になった。やっぱり何かサンドしたかったので、塩麹とオイルとコショウでマリネした野菜をはさむことにした。カブ、にんじん、セロリ。にんじんは昨日のすてきなお店で買ったものだけれどものすごく美味しかった。自家製バターと野菜を挟んで食べたら信じられないくらい美味しくてびっくりした。スモークサーモンも生ハムもないけれど十分だった。シチューっぽいスープをと思って、白菜とほうれん草のミルクスープ、味噌を隠し味に入れてみた。こちらもうまくできて満足した。

お金の使い方、使い時、そんなことを意識するようになってきた。勇気がないわたしはもちろん大きな賭けに出たことなど今まで一度もない。ただなんとなくでここまでやってきたのだと思う。楽観的な性格がよくも悪くもいまのわたしをつくっているのだが、わたしが次の道を進む時は、ある種の賭けに出る時、そんな気がしている。なんとなくだけれども。

アキ監督の映画に出てくる人物は、お金の使い方が潔くかっこいい人が多い。苦しい生活の中でも助け合うことを忘れない姿に学ぶことがある。地面と繋がった生き方をしていれば、お金の使い方を間違うことなんてないのかもしれない。だまされることがあっても、決して騙す人にはならない、潔癖なまでのその姿に心を打たれる。

わたしは、アキ監督の映画のその先を描きたいと思うようになってきた。絶望の中でも掴んだ小さなしあわせや喜びを胸に抱いて、いつか大きく広げて誰かと分け合いたい。自分の孤独を肯定ししっかりと抱きしめた上で、誰かと助け合うことを目指していきたい。
わたしは周りの人に支えられて無職を生きている。ひとりで生活してひとりで全部のことができているような気になっているけれど、遠く離れた場所であっても友だちや家族がいなければこんなに毎日を楽しんでなんていられないと思う。

優しさの毛布は静かに今日も、わたしを包んでくれている。


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