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2回目の再発、前編

2023年3月2日

いつものように畑へ行こうと促すも、何か様子がおかしい。
「“いつもとちがう” ことがあれば、それは気のせいにしない。」
(書籍「ヤギの診療」より)

不安が脳裏をめぐり、早めに帰宅する。
気のせいであってほしいと願うも、予感は的中。
背中を丸め、いきむようにポーズをとる…、怒責、が始まってしまった。

2023年3月3日

夜中ずっと続いた怒責の末、明け方、出血を確認。
絶望な気持ちで、家畜診療所へ電話を入れる。

「夕方4時ごろ、牛舎まわりから帰るから、その頃に連れてこれますか?」

有り難い。
その日の予定を全てずらし、診察へ向かう。

今回診てくださったのは、若いO先生。
犬猫病院からの移籍とおっしゃる。
家畜診療所は全国的に人手不足と聞いていて。
神様みたいな人だなと、有難く思う。

尿検査のための尿を採取。
3日間効果の持続するという抗生剤、そして消炎剤を注射。
T先生も外回りから戻ってらして。
しかしこの原因はなんだろうと首を捻る。
雄ヤギとの交配の傷がもともとの原因として。
さらに膀胱炎や尿道炎、最悪は子宮口の炎症が悪化していたとしても。
先生方はなにか腑に落ちないと首をひねる。

万が一妊娠が継続していたとしたら?
胎児が体内で亡くなっていたとしたら?

最悪のパターンを思うと不安しかないけれど、
とりあえず尿検査だけしてもらい、様子をみましょうと。

牛用の抗生剤、粉の飲み薬をもらって帰る。

出血が止まる気配はなく、
私にできることといえば、なるべく暖かくしてあげて、
痛みがまぎれるよう、夜中ずっと背中をさすって…ただそれだけ。

2023年3月4日

尿の濁りは晴れず、怒責も続いている。
食欲も、食べてはいるものの、明らかに落ちている。

2023年3月5日


インスタで知り合ったヤギ仲間の、Kuさんに、愛知県のヤギに詳しい先生を紹介してもらう。Kuさんを通してやりとりするも、 直が良いかなと、電話番号を教えていただいて。

バリバリ三河弁のKo先生。
お声だけでもう、漆原教授のイメージな、、、
(動物のお医者さんという漫画の)
非常に多くのことを話してくださって、必死でメモる。
後で見たら半分くらい自分でも読めない文字、、、
そのくらい大いに勉強させてもらう。

可能性は多くあるも、家畜診療所のO先生、T先生と、ほぼ同じ見解。
ただ違うのは、
「抗生剤は注射がいい」
「発酵タンクであるヤギの第一胃に抗生剤を入れるのは良くない、飲み薬せはなく、注射で!」
「10日は続けないといけないよ」

妊娠の可能性を念押しに問われるも、
「出血の色がいちごジュース色なら、まず可能性はないな」と。
体内で胎児が死亡していた場合、透き通った出血ではなく、ドロドロ茶色の、強い匂いの血が出るのだそうだ。

いろいろな可能性をひとつずつ、潰していく以外なさそう。

エコーも、尿道〜膀胱〜子宮とみてもらってと言われ、家畜診療所へ相談してみる〜明日朝に連れてこれそうだったらやりましょうとお返事。
有り難い。

尿検査の結果は「異常無し」

血液検査のための採血をお願いして。

すべては全くの手探り。
ヤギの体は本当に難しいのだと、改めて思い知る。
でも、ただ痛みに耐える姿を見てるだけよりはずっといい。
こんなにも、助けてくださる人がいる。
感謝しかない。


(2023年3月6日、家畜診療所大運動会編、へつづく)



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