観光業界が忘れていること⑥　～外国人観光客にとって重要な交通情報取得～

有料での旅行情報提供は旅行業違反

外国人観光客にとって重要な交通情報の提供において、有料でのサービスは日本の旅行業法に違反する可能性があります。旅行業法では、旅行計画の作成や交通手段の提供に関するサービスは、登録された旅行業者によって行われることになっています。このため、非登録事業者が有料で交通情報や旅行プランを提供することは、法律に抵触する恐れがあります。

この法律は、消費者の保護と旅行業界の公正な競争を確保するために重要です。外国人観光客に対して正確で信頼性の高い情報を提供することは、安全な旅行体験の保証につながり、観光業界全体の信頼性を高めることにも繋がります。

しかし、この法律により、旅行者が十分な旅行情報を得ることができなくなっていることも事実です。このため、旅行者の多くが交通情報のついて不満を感じています。訪日外国人旅行者の観光案内所に対するニーズで「公共交通関連の情報提供」が上位に来る理由も、訪日前に十分な旅行情報を得ることができていないことの表れだと言えるでしょう。

出所：観光庁「外国人観光案内所の設置・運営のあり方 指針」

宿泊事業者は無料で旅行情報提供をする必要

宿泊事業者は、外国人観光客にとって重要な情報源であり、彼らに対して無料で基本的な旅行情報を提供することが望まれます。特に言語の壁に直面する外国人観光客にとって、宿泊施設での多言語によるサポートは極めて重要です。宿泊施設は、地元の交通機関の利用方法、観光スポットへのアクセス方法、おすすめのルートなどの情報を提供することで、外国人旅行者の旅行体験を支援できます。

また、このようなサービスは宿泊客の満足度を高め、リピーターや口コミによる新規客の獲得に繋がるため、宿泊事業者にとってもメリットがあります。このため、宿泊事業者は無料での情報提供を積極的に行い、外国人観光客のニーズに応えることが重要です。