フロム・ソフトウェア後期

 1986年11月1日フロム・ソフトウェアは創業された。今日では日本国内を代表するようなヴィデオゲームのソフトメーカーではあるが、当時はまだヴィデオゲームの開発は行っておらず、言い伝えによればビジネスアプリケーションを開発していたという。

 創業からおよそ36年(この記事の執筆日時は2023年の1月)の歴史を持つ企業なのであるが、勝手ながら拙者はこの36年を前期と後期に区分できると考えている。

 ではその前期と後期は何なのか、結論を述べると現フロム・ソフトウェア代表取締役社長である宮崎 英高氏の出現以前と以降である。彼の出現はフロム・ソフトウェアにとって、あまりにも影響が大きすぎたと言わざるを得ないだろう。

 フロム・ソフトウェアにおける前期、要するに宮崎氏がまだ入社してはいない時代、フロム・ソフトウェアがコンシューマーゲーム向けに初めて開発し発売したゲームソフトはキングスフィールドであった。いうならばこの作品がフロム・ソフトウェアの処女作と言え、今後の方向性を決定する記念碑的作品としてファンたちからは語られることとなる。

 その後アーマードコアが発売され、フロム・ソフトウェアはキングスフィールドを始めとしたダークファンタジーな世界観で展開されるRPGシリーズと、アーマードコアによるハードなSFアクションゲームの二つの軸を元にヒット作を続々と展開していく。しかしながら、この時点では今日における栄華を極めたフロム・ソフトウェアの大衆娯楽作品とはわけがちがう。

 この当時のファンといえば、一言でいうとマニアックな野郎たちであり、作品もまた玄人好みの作品として一定の評価を得ている印象があった。簡単ながら説明したが、宮崎氏が入社する以前のフロム・ソフトウェアの作品というのは高い評価を受けながらも、どこかとっつきにくく現在ほどの、大衆からの共感と熱狂があるものではなかったといえるだろう。

 時代は進んで2009年2月5日、後のゲーム史に多大な影響を与えることとなるゲームソフト、デモンズソウルは発売された。俗にいうソウルシリーズの元祖であり、後のシリーズ作品ではゲームオブ・ザ・イヤーまで受賞した(エルデンリングが2022年に受賞)。またこのシリーズはソウルライクという名称で数多くのフォロワーを現在進行形で大量生産しており、ゲーム開発業界全体への影響は計り知れない。

 ソウルシリーズとはデモンズソウル、ダークソウル1、2、3と、ソウルという名称こそ無いもののエルデンリングを含んだフロム・ソフトウェアの作品群のことを指す。これらの人気シリーズの火付け役は宮崎氏その人であり、フロム・ソフトウェアの社名を世界的なものにした功労者である。

 また、宮崎氏がディレクションを担当した作品群にはブラッドボーンとsekiroの二大巨塔があり、この二作品と先に述べたソウルシリーズを深堀するのが本記事の主題のつもりだったのだが、思いの他前置きが長くなってしまったので次回執筆することとする。

 

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