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私がアンジュルムを好きな理由

(※アンジュルムだけではなくハロプロの話もします。)

 とある友人(ハロオタではない)と話している時、彼女が必ず投げかけてくる質問があります。

「なんであなたは女性なのに、女性アイドルが好きなの?」
「やっぱり応援したいとか?」
「がんばっている姿に感動するの?」

私はその質問に対し毎回真剣に悩み、その時最適と思われる答えを説明するのですが
彼女は毎回納得しかねるような顔で黙り、そして次に会った時もまた同じ質問を繰り返すのでした。
私もまた、自分の中ではっきりとした答えが形になっていない為、いつも自分の説明に納得がいかず、モヤモヤとした気持ちで会話を終えていました。
そのことについてTwitterにて愚痴ったところ、一人の相互フォロワーさんが
「分かんないやつに説明したって無駄だよ」
と言ってくださりそれもそうかと思い、それ以降彼女に対して語るのはやめにしたのでした。

 性別はさておき、なぜ自分がアンジュルムをここまで好きになったのかは、友人に説明する必要がなくても依然としてモヤモヤしており、自分の中で言語化したい欲は消えませんでした。

 実はこのモヤモヤこそが、文章を書くのが苦手な私がnoteを始めた動機であります。

ただあまりに大きく、茫洋としたテーマであるためこれまでは手をつけられずにいたのですが、そこそこオタ歴が長くなってきたこと、情報と深度が深まっていき、それと #ハロプロ夏の自由研究2022 という素晴らしいきっかけを頂いたことにより今回のテーマを書くに至りました。

もしまた友人に同じ質問をされたらこのnoteを突きつけてやりますよ。(過激派)
そんなつもりで書きたいと思います。

前提として
・アンジュルムはハロープロジェクトに属している現在10人のガールズグループ
・2009年デビューのスマイレージが前身

ちょっと見づらいけど、メンバーやそのプロフィールなど載っている公式サイトだから見てくれよな!



詳しくメンバー紹介してくれているオタクもたくさんいるからそれもぜひ見てくれよな!


数あるアイドルグループがいる中でなぜアンジュルムなのか

①竹内朱莉という推しの存在
 当たり前すぎて説明するのも野暮ですが、事実なので仕方ありません。
推しがいるからアンジュルムを深く掘ることになりました。
 実は最初の頃はそれほど竹内さんに注目していなかったのですが(おそらく一年くらい)
しばらくアンジュルムを見ていくうちに気がついたらめちゃくちゃ好きになっていました。
そのうち竹内朱莉さんの紹介という名目の、愛を叫ぶだけの記事を投稿したいと思っています。

滅多に投下されない竹内朱莉さんの貴重な自撮り(お顔が見えているのも貴重)

 推しを貶す意図はまったくないのですが、初めの頃は自分が彼女を好きになるとは思っていませんでした。
 その理由は彼女がアイドルらしいアイドルではないからです。
見た目や歌やダンスのスキルより、そのキャラクターが先に目立ってしまうタイプというのもあります。
中高生の頃は事務所の指示でショートカット担当で、振る舞いもやんちゃなことから「少年たけ坊」なんて言われたり、柄が悪かったり、オナラが我慢できなかったり、やたらとオナラトークが多かったり…
今ではそういうアイドルらしくないところがむしろ大大大好きなのに、過去の私自身がルッキズムや、アイドルはかくあるべしの固定観念に染まりきってしまっていたのです。
 
彼女を好きになってルッキズム至上主義や固定観念から少し抜け出せたようで、自分の中ではとても大きくてうれしいことでした。

そもそもハロプロ(アップフロント)は昔から外見に関しては芸能事務所としてはかなり無頓着な方で
モー娘。辻ちゃん加護ちゃんから始まり、その後も他グループの数人が一時ふくよかになり、常にどの世代にもそのようなメンバーが存在し
オタク側も(一部を除いて)それが当たり前だと受け止めるようになってきたと思います。
これは事務所がルッキズム脱却の先見の明があるなどという良い話でもなく、ただただ見た目に関して無頓着というだけで、それによるデメリット(衣装やMVのクォリティ)もあるので、手放しに良いとは思えませんが
メンバーの骨格を揃えて統一感を出すという薄気味悪い基準より、身長も体型も色々でという方が人間らしくて私は安心するし、好きだと思っています。

②自己プロデュースをしてきたグループ
ハロプロはモーニング娘。デビュー時からずっとつんく♂さんが総合プロデューサーをされていましたが、2014年に退かれています。
 現在橋本慎氏がその役割を担っているそうですが、一人で総合的に行うのではなく様々な共同製作者とともにプロデュースを行なっているそうです。
(補足・つんく♂さんはモーニング娘。のサウンドプロデューサーとして曲の大半を提供されています。
BEYOOOOONDSにはコンセプトディレクターとして野沢トオル氏と作詞作曲家の星部ショウ氏がプロデュース的な役割をすることがあります。)

上の2グループを除き、他のハロプロ所属グループはつんく♂さんの総合プロデュースが無い、あるいは途中で外れた状態で会社側も含め手探りで活動せざるを得ませんでした。
 アンジュルムは2009年にスマイレージという名前で華々しくデビューしましたが、途中様々な状況も相まって「見捨てられ期(事務所の大人に見捨てられる)」「どん底期(CDの売上やファンの激減)」を経験します。グループの気風である反骨精神や反体制といったものはこの辺で培われたものと思われます。
 事務所がスマイレージのテコ入れとして行ったのが、2014年のアンジュルムへの改名です。
改名とともに大人たちがロゴを変え、コンセプトを変え、メンバーたちにアンジュルムはこのような方針だと伝えたところ
メンバーたちは自分たちのやりたいことと違うと感じたそうです。
そして、大人の指示はとりあえず聞き流し、自分達の思うようなグループ像を発信し続けていると、不思議なことにそれに沿ったイメージの楽曲を貰うようになったそうです。
今アンジュルムは「強さをイメージしたコンセプト」だそうですが(橋本氏談)
これは経緯から見て本人たちが作り上げたコンセプトと言っても過言ではないでしょう。彼女らは自分達がアンジュルムを作り上げたのだという確かな自負を持っています。自負があるからこそ誇りが持て、誇りが持てるからこそグループ愛が強まるのだと思います。

ちなみに、今の他のハロプログループではJuice=Juiceは変革期の真っ最中で、それが落ち着く頃にどのようなグループになるか楽しみですし、つばきファクトリーにしても先日デビュー以来エースであった浅倉樹々さんが卒業発表をし、変革期の到来を感じさせます。(モーニング娘。についてはつんく♂氏自体がコンセプトであるので先が読めません。)

③組織として憧れる
・変わり続けられるような勇気、変わらぬままそこにある真理
アンジュルムはハロプロいち風通しの良いグループと言われています。
同期同士のBEYOOOOONDSとOCHA NORMAを除き、活動歴や年齢差があるにも関わらず上下関係が非常に緩いのです。
アンジュルムが組織として優れている理由はこちらのnoteを読んでいただいた方が早いと思います。

 どれだけメンバーが入れ替わってもアンジュルムがアンジュルム足りうる理由は、そこに『真理』が変わらぬままそこにあるからだと思います。
アンジュルムの真理とは、人間としてあるがままで活動するだと思っています。
実際には「私たちの良さは勢いを出すところとか、皆が動物みたいに勢いよくわぁ〜ってなるようなところとか」(和田彩花談/2017年テレビ番組にて)
「アンジュルムの武器は個性の強さ。メンバーにはやりたいことや意見があればどんどん発言するように伝えています」(竹内朱莉談/MORE2022年10月号より)と表現されています。
このような発言は至る所でリーダーのみならずメンバーも発言しています。
個性=あるがまま、動物みたいに=本能のままに
と捉えると、違うことを言っているようで一貫して人間としてあるがままでというメッセージがあるように感じます。

・おふざけや遊びに全力
アンジュルムはハロプロいち楽屋がうるさいと言われています。
上下関係が緩いからこそみんなで遊んだりふざけたりできるのだと思います。
私たちオタクは新人が入ってきてしばらくして、おふざけに参加したりその子のキャラクターが現れてくると「〇〇ちゃんもアンジュルムになった」という言い方をします。
ここで言うアンジュルムになったは単に騒がしくなった、や変顔で写真を撮るようになったなどという表面的なことではなく
上下関係の緩い=萎縮しなくていい環境の中で、人間性=個性を大事にした結果
その子の本来のキャラクターが浮かび上がってきた
ことを指しています。
人それぞれ性格は違うので、結果としてアンジュはいい意味でまとまりがなく十人十色、カラフルに見えるのです。

楽屋でジャンボリーミッキーを踊るアンジュルム

 おふざけなど自分はそういうの苦手だな〜や疲れている時は参加したくないけど、みんながやっていたらやらなきゃいけないのかなと思う人もいるでしょう。
そんなことはありません。

伊勢「ジャンボリーミッキーがアンジュでブームじゃないですか。でも楽屋では大体眠くて寝ちゃうんですよね。あれって結構全力で踊るし。(写真は)珍しく参加した時のやつ。」為永「よくあの騒がしさの中寝れますね。」

アンジュルムステーション1422より

アンジュルムってあんなにたのしそうで仲良くて
、さらに同調圧力が存在しないの?!日本の組織に発生しがちな同調圧力が?
なんだここは理想郷か?いや桃源郷か。

アンジュルムの組織の優良さにはリーダーや年長メンバーの気遣いや振る舞いが大きく寄与しています。
私がすごく感心したエピソードがあって


竹内「最近は優しくなった方だと思うんですけど、(昔はリハが)結構スパルタだったよね。年長メンバーが多数いた頃はリハを巻いて早く帰りたい人が多くて、「音で合わせよ!その方が覚えるから!」と言い確認も少ししかしなかった。」
伊勢「めちゃくちゃ怖かったですね。今は新メンバーに合わせて出来なかったらもう一回やろうってなってる。」

清塚真也さん司会yogibo presents FREE STUDIOより

ある意味昔はスパルタ方式が成功パターンだったと思うのですが、新メンバーの比率が増えて上手くいかなくなった途端、成功パターンを踏襲するのではなく新メンバーに合わせたやり方に方向転換するのすごくないですか。
こういう時って今までやって来たやり方に固執しがちじゃないですか。
先輩たちの気配りや、判断力があるからこそアンジュルムの新人はすぐ成長すると言われるのでしょう。
こういった環境下にいればポテンシャルが引き出されやすいと感じます。

④反骨精神・反体制
アンジュルムの気風のひとつに反骨精神や反体制があります。
初期メンの時点から悪戯ばかりして悪ガキなどと言われ、2期メンバーに優等生は一人もおらず、マネージャーさんや大人に怒られたエピソードは山ほどあります。
私がすごいと思うのは、当時怒られた話について「あの時は怒られたけど今考えたら別にうちら悪くなかった」と言えることです。
多くの人は怒られて鼻っ柱を折られてよかった、怒られたことを感謝していると言いがちです。
なのに怒られている時に心の中で(でも私は悪くない)と思えるし、大人になっても思い続けている。

強い。自尊心が強い。

自尊心とはただ褒めれば育つなんていう単純なものではなく、前述した自分達で作り上げたという自負によっても高まるだろうし、
アンジュルムにはもう一つYesから入るという気風もありますが、すなわち人間としてあるがままを肯定することで自尊心は育ちます。
アンジュルムに入った子が自尊心をどんどん高めて、個性を爆発させる様子を眺めると本当に嬉しく感じます。
(彼女らの名誉のために言いますが、仕事で手を抜いたことはないし全てに対し自分は悪くないと思っている訳ではないです)

⑤結局はLOVEでしょ

アンジュルムの46億年LOVEに出てくるフレーズ「結局はLOVEでしょ」
は非常に汎用性が高く、気軽に使ってしまっているのですが
こちらの記事を書くにあたって考えをまとめ直したところ、アンジュルムの核にあるのはやはり愛、結局はLOVEでしょと言わざるを得ないと思うようになりました。
 初代リーダー和田彩花さんは好きな美術の勉強を通してジェンダーやフェミニズム、多様性を学んだそうです。
私の理解として、ジェンダーやフェミニズムや多様性を学ぶことは、様々な人間が様々な人間とともに、あるがままで幸せに暮らすことに繋がるのではと思っています。
2021年8月竹内朱莉デビュー10周年特番『朝まで生竹内』通称なまたけにて、ゲストで来た和田彩花さんと竹内さんの会話が、とても素晴らしかったので少し長いですが書き出します。




和田「たけは文句を言う。しかもすぐ言うんだよ。」
竹内「文句言わずに溜め込んでたらある時爆発してしまって。だから自分は溜め込むのよくないと思って。そこから思ったことは全部言おう、嫌なことは嫌むかつくことはむかつくって発すれば溜まらないから。」
和田「上は正直大変だったけど…。(中略)それに救われることもあって。私がすごく感心したことで、2期メンバーって大人に『これは常識だよ』って沢山怒られてて、でも私は休みなく仕事をしているのは特にハッピーなことでもないけどありがたいことと思わなくちゃと思ってて、そこで2期が「休みがねぇ!!」って騒いでるのを見て、思ってることを口に出していいんだ!って思えた。そういう視点がないと行き詰まっちゃうよね、人間て」
竹内「芸能界じゃない地元の友達に会ったりして世間を知ることで、芸能界の常識には染まらないぞって思ってる。2期はみんなそういうところがある」
和田「私は別に染まらなくてよかった部分を2期のおかげで取り戻せた。」
竹内「2期はいつもそういう染まらない部分がはちゃめちゃだなんて言われてたけど、別にただ思っていることを言っているだけだから。はちゃめちゃではない。これが人間である。」

竹内朱莉10周年特番朝まで生竹内より

はちゃめちゃではない。これが人間である。

和田さんは理論的に、竹内さんは感覚的に、お互い補完し合いながらありのままの人間を大事にする、すなわち人間を愛する

結局はLOVEでしょ!!

日本に住んでて、人間として自分が大事にされているな〜と感じることはありますか?(唐突)
正直私はあまりありません。女として、母として、会社員として、大人として役に立つか、生産性はあるのかと人間としてというより社会を構成する部品として見られているような意識がありました。
言いたいこともやりたいことも、口をつぐみ常識に納得するふりをして、本来の自分は息をひそめて生きてきたような気がします。
アンジュルムを見てるとうまく呼吸ができ、生きる気力が湧いてくるのは自分には出来なかったありのままの人間で主張して生きているからかもしれません。

 かつて元アンジュルムの笠原桃奈さんが「あなた方も(ファンも)アンジュルムです」と言いました。私はこれを「あなた方も愛を大事にするアンジュルムの一部です」の意味だと解釈しています。



アンジュルムの大ファンであるミュージシャンの堂島孝平さんに提供していただいた「愛すべきべきhuman life」において
「And you?アンジュ?」と歌いながら交互に自身とオーディエンスを指差すパートがあるのですが、
「あなたはアンジュルムですか?」
「(人間を愛する)アンジュルムですか?」
「アンジュルム(動名詞)をやってますか?」
とアンジュルム(動名詞)を波及するようなムーブがあります。

アンジュルムは単なるガールズグループではなく、一種のムーブメントであり私は喜んでそのムーブメントに参加したいと思っています。

かの蒼井優さんは言いました。

全国民がアンジュルムを好きになればいいのにな…。

きっとそうなれば世界は平和になるでしょう。
割とまじで思っています。

アンジュルムは世界を救う。


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