壺とハンマーで遊ぶゲームのお話

皆さんはGetting Over It with Bennett Foddyというゲームを御存じでしょうか

なんだか見覚えのある文字列だぞ?とお思いでしょう。
そう、壺おじと呼ばれるアレです。
壺に入ったおじさんがハンマーを振り回して山を登るゲーム。

大体3年くらい前に配信者がこぞってプレイして、登って、落ちて、叫んで、耐久配信したりして大盛り上がりしたゲームです。

私は頂上到達が18回ほど、タイムは最速が13分とまだまだ登山初心者なのですがこのゲームの魅力を書き連ねようと思います。


まずこのゲーム、皆さんどのような印象をお持ちでしょうか。
特にプレイしたことのない方、もしくはまだクリアしていない方は
苦行もしくはとことんハマる狂人がいるゲームといった印象をお持ちでしょう。

実の所、大体間違ってはいません。
事実登りきるまでは苦行ですしあんな難易度のゲームを、一度登頂した人の半数がもう一度、更には六人に一人が50回登頂しているのです。

ですが彼らはドMであるが故こんなことをしているわけではありません。
先ほど「登りきるまでは苦行」、と言いました。
登り切るまでは、ここ大事です。テストに出ます
嘘です

冗談は置いておくとして、登りきるまでは苦行なのは事実です。
では登り切った後は苦行ではないのか?
その通りです。

最初の木で数分を費やし、最初の断崖絶壁を登り、トンネルで5時間費やし、滑り台に登れず最初からを繰り返し、突破したかと思えばオレンジに殺され、雪山から滑り落ち、宇宙に到達する........
そんな行為が苦行ではないとは言えません。

しかし、一度登り切った後、もう一度プレイすると異変に気が付きます。

簡単なんです

しかも驚くくらい。
初見のクリア時間が10時間超えくらいだったのに、2回目では30分もかからずにクリアできてしまうのです。

このゲームに限らず難易度がめちゃ高いゲームは沢山あります。
しかしこのゲーム、ステージの難易度調整が絶妙なのです。
やり方さえわかってしまえば今まで苦労していたのが嘘のようにサクサク進めます。

あの序盤の難所、縦穴すら2周目に到達する頃には一瞬で突破できます。
ヨユーの余裕です。

すると何が起こるか、思い出が蘇るのです。

ゲームをクリアした後、スタッフロールの最中にダイジェストのようなものが表示されるゲームってあるじゃないですか。

アレです。2周目は実質スタッフロールのダイジェストなのです。

ああ、ここで何度も落ちたなぁ
ここ、実はこうやれば安定するんだよな~

といった具合に苦労して登山をする、その成功体験を更に思い出深い物にしてくれるのです。

実はこのゲーム、50回登頂すると実績が手に入り壺が金色になるといったオマケ要素があります。
あとはわかりますね?


そしてこのゲームで忘れてはいけないのはナレーターの存在です。
序盤から付きっきりでずっとしゃべってくれる、作者さんのことです。

落ちるとめちゃめちゃやんわりと煽ってくる上、しばらく落ちていると妙に煽り性能の高い音楽まで流してきます。

しかし、序盤を超えるとただ我々を煽るためだけに話しているわけではないことに気が付きます。(音楽は確実に煽り)

彼なりの創作物に対する思い。
「ゲーム論」とも言えるようなものになっているのです。

苦労している間に「ゲーム論」を聞き終え、終盤に到達すると内容が大きく変わります。
これは実際にプレイして聞いてください。

少なくとも、プレイヤーに対する愛が存分に込められています。


ここまで長々と語ってきましたが、仮にこのゲームをプレイするとして一つだけ覚えておいて頂きたいことがあります。

このゲームは説明欄にある通りの存在で特定の人を傷つけるために作られたゲームです。

間違いなく、一周するまでに傷つきます。
難易度調整が絶妙とは言いましたが、操作性、ステージ、全てに多少の悪意が込められています。

しかして、このゲームに傷つけられた方々の内に
クソゲーだと、運ゲーだと評する方々もおります。

それは間違いです。
このゲームはプレイヤーに対する悪意と愛が共存する無二のゲームです。

もしも傷つくことを承知の上で、無二の体験を味わってみたい方は是非プレイして頂きたい。
このゲームは配信者が一発ネタとして罰ゲームに使用して終わりなんて浅いゲームではございません。(配信者に対するお気持ち発言でもなんでもなくもののたとえというもので以下略)



ちなみにこの記事において一度もスクリーンショットを使用していないのには理由がありまして
その手で、そのハンマーで山を登り、その目で、その景色を見てほしいのです。

既にブームは数年前に終わり、既に動画で見てしまった方も多いでしょう。
それでも、自分の目で改めてあの景色を見てほしいのです。



この記事を書いている間に19周目が終わりました。

画像1

にぎつさんでした。

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