悲しいのは、 一度は近づいた想いが いつの日からか 届かなくなっていたことじゃなくて あなたのために暖めた愛情を 冷まさなければいけないこと。 苦しいのは、 私の居場所だと思っていたところが いつの間にか なくなっていたことじゃなくて あなたのためだけでよかった気持ちの行き先を べつの方向へ放つ決心をしなければいけないこと。
理屈ぽい 素直じゃじゃない は、耳タコだ 私にとっては道理を話しただけなのに心外だ だから、か、なのに、か 私は 天パを縮毛矯正で真っ直ぐにしている 子供のころから苦労させられた天パに 今はお金も払わされている 最近、 私の道理さえ敵わないほど 理屈ぽくて素直じゃない人に恋をした 彼は 常人には理解できないほど 難解な理論を 真っ直ぐに投げつけてくる 当たると痛い 毎回 痛い 好きなのに 相性が悪いって、あるんだな なのに、か、だから、か
幻に恋をした 長い長い時間 遠い遠い幻に 恋し続けた それで、よかった なのに幻はいつか、 現実の 一人になって 日常になって 近づくほど、熱くて、苦しい 触れるほど、冷たくて、痛い 見えないものばかりで 飲み込むものばかりで 痛くて苦しくて 苦しくて痛くて これは、いつかはまた幻に・・・ それで、よくなくなっても
惚れた方が負け よくそう訊くけれど。 惚れた弱み よくそう諭されるけれど、 私が気になっちゃうような言動で、 私が恋しちゃうようにレールを轢いたのは、 キミじゃない? 最初に惚れたのは、どっち?
「アッツイね・・・」そう言って、 白シャツのボタンを2つ外した君の首筋に、ホクロ。 焼けた肌の上、縦に2つ並んだそれに、 気を取られた、一瞬あと。 「いいよ、触っても」 すぐ上にある唇がそう放った。 熱風が纏わり付く。 蝉が煩い。 君主、私はどこへ連れて行かれるの?
仕事帰り、 すでに高層ビルの隙間は東雲色。 東京の空も、案外 綺麗だよ? -7時間分 西に住むあのひとを想う。 オンシーズンの私は、 息苦しいほど熱せられた都心で、 山積みのタスクに追われて バケイションシーズンの異国を想う。 そろそろ暁、まだベッドの中かな? 地球規模で恋をする。 子供のころの夢にもなかったのに。 もう同級生は子育ても一段落の「大人」になった今、 夏休みの計画を立てる。 この山を片付けたら、西へ。 人生はじめてのロングバケイションを、 きっと、あの