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近所のボヤ

 2009年8月の日記が続きます。
 
 30年前、長男が幼稚園、次男がよちよち歩きの頃、マンションは手狭だと、横浜田園都市線の某駅近くに家を求めた。T電鉄建売の一角で、一帯が同時期に建てられ、緑濃い、静かで落ち着いた住宅地だ。
 
 近隣は、東京に通勤する30代、40代のサラリーマンが多く、殆どの家に幼少の子供がおり、家同士のお付き合いもそれなりにあった。30年経った今、大半の子供たちは独立して家を出ており、残された人の年齢層は高い。
 
 当家は、この10年、新潟や東京に住み、横浜の家には年に数回、一週間ほど滞在する、言ってみれば、別荘代わりに使っている。先月のお盆休み、14日の午前、その別荘の居間から庭の緑を眺め、瞑想(?)に耽っていたら、遠くからサイレンが聞こえ始め、静寂を乱される。だんだん大きくなり、消防車が家の前にきて十字路を曲がり、数件先で止まる。更に数台来て、同じところに向かう。
 
 すわ、火事だと、門の外に出てみるが、特に目立つような事はない。誰でも同じ事を考えるようで、どの家からも誰かが門の外に現れて、消防車を眺めている。消防車の方に向かって歩いている人もいる。皆、我々より年配と思われ、若い人はいない。普段は、ひっそりとした住宅地で、たまに歩く人を見かける程度だが、10人ほどを一度に見て、こんなに人がいたのかと、少々驚いたが、考えてみれば、どの家にも人が住んでいるのだから、当たり前なのだ。
 
 妻殿は火事らしき家まで行ったようで、焦げ臭い匂いはしたが、見かけは何でもなかった、庭で焚き火でもしたのではないか、とか。特に放水もなかったようで、2,30分後に引き上げていった。

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