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庭の彼岸桜

 2009年3月の日記です。
 
 日曜日に、普段空けている横浜の自宅に行ってきた。庭に彼岸桜があり、そめいよしのなどより、1週間ほど早く咲くので、既に咲いているかなと、心うきうきしながら確認に行った。彼岸桜を植えて、30年近くになるが、当初は枝が細く、雪が積もると、枝が重さに耐えたれず、下向きに折れそうになり、その度に心配で、雪を払ったことを思い出す。
 
 今、桜は庭の木の中で、もっとも威張っており、2階の屋根の高さになっている。広く根が張り、あちこちに、子供の芽を出すので、その度に鋏で切っている。
 
 花は2分咲きだったが、無数の蕾が直ぐにでも咲きそうに膨らんでいる。下向きに小さな釣鐘のようにつつましく咲いている。暫く居間から眺めていると、いつもの通り、目白のつがいが訪れ、花から花へと、突っつきながら、飛び移る。
 
 庭には、桜の他にも、春の花がいろいろ咲いている。梅は満開の名残を残し、椿は赤い一重の花を一杯に咲かせている。地面には、ピンクのクリスマスローズが、折れ重なるように咲き、水仙は濃い黄色の花を一杯に広げている。
 
 常緑樹の、貝塚、椎の木、山茶花、隠れ蓑、金木犀などは若葉色の葉を出し始め、落葉樹の方、ライラック、ハナミズキなどは、枝の先に丸まった新緑を抱えている。
 
 主がいなくても、季節になれば、花を咲かせ、新緑を見せる。自然の理なのだろう。

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