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食道癌再発

 昨年3月に食道癌が発覚、色々調べて先進の陽子線治療がよかろうと、千葉柏市の癌研東病院で4月から6月にかけて陽子線治療を受けた。治療後、定期的に内視鏡とCT検査を受けて5月まで異状なく、1年間無事にすぎたから、危機は乗り切れたかなとホッとしていたが・・・・
 
 8月の検査で再発が発覚した。再発部位は昨年治療した同じところだから、癌細胞がかすかに残存していて5月の定期検査以降、表に出てきて急に大きくなったらしい。再発癌は逞しいから進行が速い。
 
 8月22日食道の内視鏡映像を見ながら、検査結果を説明された。食道円周の30%程度に及び、色が変わり、表面があれている。翌23日に癌の深さを確認するための内視鏡による超音波検査をして、その結果を受けて25日に治療案を提示された。
 
 癌の深さは粘膜下層まで進んでいるが、その先の固有筋層までには達していないからT1bと定義される。内視鏡で機械的に削り取るには深すぎるが、レーザーを用いたPDT法での除去が期待できる。本来なら手術だが、持病(脊髄小脳変性症)を考慮すると、PDTがお勧めだろう、とのこと。
 
 PDTは、癌に選択的に取り込まれる腫瘍親和性光感受性物質(レザフィリン)を体内に投与し、内視鏡で患部にレーザーを照射して腫瘍内で、光学反応を生じさせて、腫瘍細胞を破壊する局所治療である。放射線治療後の遺残再発食道癌に対する治療として近年標準化されている。ネットで調べると、癌研東病院が最も実績が多いようだ。手術を避けてPDT治療と決め、がんの進行が速いから一刻も早くと、28日に入院、29日にPDT実施と決まった。
 
 8月28日癌研東病院に入院、29日朝9時にレザフィリンを投与され、午後1時から内視鏡でレーザー照射を受けた。翌30日も内視鏡で照射が適切に行われたかをチェック、特に異常なく、PDTは終了した。体全体にレザフィリンが残っているので、その後3日間はサングラスをかけ、入院中は日焼け止めを塗り、つばひろの帽子、長袖、手袋、マフラー、を付けて過ごした。
 
 9月4日に内視鏡で確認をして異常なく5日夕方無事に退院、日没を待って病院を出て帰宅した。次は9月20日に内視鏡でチェックし、以降も定期的にチェクする。3か月ほどで今回の治療により、癌が消えたかを確認する。当面癌が消える確率は70%程度だそうだから、今回の退院は仮出所と言ったところだ。
 
 ネットの資料によれば、PDT治療後の全生存期間中央値は4.5年以上、無増悪生存期間は335日だそうだ。つまり、がんの再発、転移がない期間の平均値は1年程度、なんだかんだあるけれど、生きている期間の平均は5年程度・・・・らしい。今後も紆余曲折のある事を覚悟した方がよさそうだ。
 
 我年齢は既に76歳、あと4年生きると、日本人男性の平均年齢80歳に達する。人生はこんなものだと、納得する昨今なのだ。

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