世の中の役に立たないこと。＃３

アロマキャンドル一つを買うためだけに、渋谷まで行ってきた。

以前、友人からアロマキャンドルをプレゼントしてもらった。QOLが低い私には、買おうという発想すら湧かないものだった。中身を取り出していないにも関わらず、箱からすでにアロマのラグジュアリーな香りが漏れている。低価格の雑貨屋などに売っているアロマキャンドルとは大違い。なんか、すっごい高いものなんじゃないか…と思って、もらった時は震えた。

帰宅して、早速、キャンドルに火を灯してみた。

もうもうと、優しく火が灯る。火を見ていると、なんだか気分が落ち着いてくる。そんな風になるなんて知らなかった。そして、火を消した後も、少しの間は部屋中がいい匂いになるのだ。なんて贅沢なんだ。

正直、なくても別に困らないけれど、あったらその分生活の質は上がる。そういうものこそ、今の自分には必要なんだなと、日々使いながら感じた。キャンドルをくれた友人も、自分のそういうところを感じて、プレゼントしてくれたのかもしれない。真相はわからないけれど。

すっかりキャンドルにハマり、そろそろ使い切りそうなタイミングでキャンドルが置いてそうなインテリア雑貨屋などで、キャンドルを探すも、なかなか好みのキャンドルに巡り会えない…。香りがいまいちだったり、値段が可愛くなかったり。

先日、キャンドルをくれた友人と食事に行ったので、あのキャンドルはどこで買ったものなのか、すごく良かったからまた買いたい、と伝えると、すんなり教えてくれた。場所は渋谷。行けるではないか。

一昨日、キャンドルも綺麗に使い切ってしまったので、早速新しいものを購入すべく渋谷へ。

友人から「商品の入れ替えが激しいから、同じものが売ってるかわからないけど…」と、言われていたけれど、同じものが売っていた。良かった。

同じメーカーから２種類が売られていたけれど、以前もらったものの香りがお気に入りなので、もらったものと同じものを購入。

帰りに、デパ地下でケーキなどをみて「いいなあいいなあ」と思いつつ、見るだけで購入はせず帰路につく。けれど、甘いものが諦めきれず、途中、最寄駅のドラッグストアに寄り、58円のエクレアを2つ購入。デパ地下で見たケーキの10分の1の値段か、と思うとなんだか不思議な気がしてきた。デパ地下の10分の1の値段のエクレアとは言え、うまいんだ。安くてうまい、最高じゃないか。

帰宅して早速、購入してきたアロマキャンドルに火を灯す。点けたばかりなので、火がガラスから顔を出している。そして、大きな火がもうもうと灯っている。

なくても困らないけれど、生活を彩るために必要なもの。