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業績は好調、顧客評価も良好なのに、社員がドンドン辞めていく
民間企業は以下のどの要素が欠けてもうまくいかない。
①業績
②顧客評価
③人材
これらの要素は、どれか一つが欠けるとその他の要素もダメにしていく。
例えば、業績が悪化すると人員削減を強いられ、サービス品質が落ちることで顧客評価も低下する、といった具合だ。
顧客評価が低下すると業績が悪化し、人員削減を強いられる、ということもある。
業績の悪化や顧客評価の悪化は、とてもわかりやすい指標だと言っても良い。決算書を見れば業績は一目瞭然だし、まともな企業ならお客様アンケートや商品の売れ行きで顧客評価を把握している。
業績と顧客評価が良好であれば「うまく経営している企業」だと多くの人が思うことだろう。
しかし、三つ目の要素「人材」を忘れてはならない。
業績も顧客評価も良いのに社員がドンドン辞めている、という現象が起こることがある。外側から見ると優良企業なのだが、内側は腐りきって朽ち落ちているのだ。
こうした企業は概ね2種類に分けることができる。
①元々は業績、顧客評価、人材、どの要素も良好な真の優良企業だったが、なんらかの要因で業績悪化の危機が訪れる。業績と顧客評価を維持するために人材の要素を疎かにし始め、組織の崩壊が始まっている状態の企業
②業績、顧客評価を維持するために、元から安く使える若い人材を使い捨てるつもりであえて労働環境やキャリア形成に十分な取り組みを行わない企業
①は沈み始めた軍艦、②は沈まない泥舟といったところ。①は大企業に多く、②はベンチャーに多い。
②に関してはどうしようもない。あえてやっているのだから。そうして成り立っているのだから。
しかし、①に関してはどうにかしなくてはならない。
ここで起きていることは、社員がデキる故に無理をさせてしまう、ということだ。
崩壊が始まる前の企業には優秀な人材がいて、放っておくと業績が悪化してしまうような状況下でもなんとか現状を保とうとデキる社員は奮闘する。
デキる社員は同時に顧客評価も高い。デキてしまうから。
しかし、そこが落とし穴である。デキない社員の集まりのような会社ならすぐ業績悪化で潰れて終わり。一方、デキる人材が集まっているとデキてしまう。無理してやってしまうのだ。
すると一定期間は業績も顧客評価も維持されているが、内部では無理して疲弊した人々による人材流出がはじまってしまう。はじめは経営状態が良好のままに見えるが、タイムラグを経て経営にもヒビが入り始める。
もちろん、企業は離職率を把握しているので異変には気がつくもののその時点では時すでに遅し。離職の雪崩は簡単には止まらない。
ではどうすれば良いのか。
人材の流出が始まる前に常にひとを大切にする、これに尽きる。
ではどう大切にするのか。
それはまたおいおい。
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