うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと
本日は著者「デラさん」の書籍「うつ病で20代全部詰んだボクが回復するまでにやったこと」を読んでみて個人的に参考になる考え方や内容が多々あったので投稿したいと思います。
著者の「デラさん」はうつ病を発症して、現在9年目(書籍発売時点)のただのフリーター、うつ病を患った際は「文字が読めない」「トイレまでハイハイで行く」「消えたいと常に思っている」などの状態が続き自殺未遂も図ったこともあったみたいです。
一般的にうつ病の治療は医師の診断により薬物療法が行われたり、認知療法を行ったりして物事の捉え方を変容していく事が一般的だと思いますが、いくら薬物療法や認知療法でうつ病が改善されても、普段の生活を病気の前の生活と同じように過ごしていたら、また無理が重なり、うつ病を再発してしまうリスクが高くなってしまいます。うつ病を発症する以前の無理な生活をまた繰り返さないようにするための考え方がこの書籍には書かれています。再発を繰り返さない為にも、この書籍の内容は参考になると思います。またうつ病までとはいかないがストレスが溜まり疲れているという人にも参考になると思います。
一つ初めに断っておくと、著者の「デラさん」も仰っていましたが、この本の内容はうつ病の改善の科学的なデータや根拠があるわけでなく、一人の当事者の体験を下に書いてあるので、全ての人がうつ病が改善されるという根拠はありません。
しかし、医師の治療だけではあまり改善されなかったり、医師のいう事は正論かもしれないけど、うつ病の当事者にとっては医師から指示された行動を実行に移す元気もないなど、治療が上手くいかない事もあると思います。その際に一つの考え方としてこの本の内容を頭に入れておくことは大切な武器になるかもしれません。
うつ病回復までの3つの過程
うつ病回復するまでのステップとして
①レスト期間
②リハビリ期間
③思考のトライ&エラー期間
があるとのことです。
一つずつ説明していきたいと思います。
① レスト期間
うつ病になると、「ずっと寝ていられる感覚」「重力に勝つことができない」「感情がなく意欲が湧かない」などの状態になります。ドラクエで言うならHPは赤色。こうなってしまったら休むことを最優先にする事が大切だとの事です。著者のデラさんは1カ月ほど寝たきりの生活だったみたいです。寝たきりだと、「これだけ休んでも、まだ回復しないのか。今までの生活に戻れないかも」と葛藤する日々。でも休んだ分だけ、体は確実に回復してくれます。動けない時に焦って無理をしてしまうと、再発を繰り返してしまう可能性が高くなります。
② リハビリ期間
レスト期間でじっくり休めた体を、少しずつ現実世界に慣らしていく期間です。ずっと家で休んでいた生活で、体力は大幅に低下しています。
多くの人が、このリハビリ期間の過ごし方でミスをしています。家での調子が良いと「もう大丈夫だ」と思い込み、いきなり「8時間働く」などと一気に活動量を増やしてしまいます。
このような事がないように少しずつ体を慣らすように活動量を増やしていく事が大切になるとのことです。デラさんは深夜に5分の散歩からスタートしたそうです。
③ 思考のトライ&エラー期間
レスト期間、リハビリ期間は体を重点的にケアしてきましたが、ここからは「生きやすい考え方」について模索するフェーズになります。「マインド」「思考」を整えることが、うつ病の寛解に必要な最後のピースになります。体の調子が良くなってきても、うつ病の以前の生活と同じような考え方、行動をしていると、また体に無理が重なりうつ病を再発してしまいます。
うつ病からの回復を目指すには、「生き方レベル」から変えていく必要があります。具体的には、自分が「生きやすい考え方」を自分にインストールすることです。
この書籍の内容には上記の3つのステップをベースにしたうつ病を改善するのに必要な良い考え方沢山あるなと個人的には思いました。気になった内容を下記に書いていきたいと思います。
無理をしない=消費量<回復量の状態
うつ病は「ストレス」「疲労」「緊張状態」の3つが、ある一定の状態を超えてしまい、脳の機能が落ちてしまうことだと思います。
そして人によって耐えられる器の大きさに違いがありますが、許容できる値を超えた量が流れ込むと、自分を責めたりなんでもネガティブに考えるようになり、うつ病を発症してしまうのではないでしょうか。うつ病は「脳が壊れた、パンクした」というのが、当事者「デラさん」の定義です。逆に疲労を蓄積せずにリフレッシュ出来れば大丈夫です。つまり、うつ病を防ぐには回復する量を増やして、消費する量を減らせばいいのです。その為には、しっかり休んだり、趣味に打ち込んだりして心をリフレッシュして体を回復させること。ストレスなどで、自分のパワーを消費する量を減らしていく必要があります。自分のパワーを極力消費しないような考え方(ストレスを少なくする考え方)を以下に書いていきたいと思います。
うつ病前の自分に戻ろうとしない
うつ病を再発する人の考え方には、「うつ病の前の自分に戻ってやろう」と考えてしまう事があるみたいです。その結果、うつ病になった時と同じような無理な生活習慣をしてしまい、ストレスを積み重ね再発してしまうのです。
大切なのは「前の自分に戻る」ことではなく、「新しい自分を作り上げていく」ことになってきます。うつ病になる方は、常識やプライド、欲、責任感などに縛られ事が多く、理想の自分や社会で輝いているように見える人を目指そうとして無理をしてしまいます。自己実現に向けて頑張る事は大切な事だと思いますが、過剰な努力や、体を壊して動けなくなるようなストレスをおいながら自己実現を目指そうとすると、結局辛くなるのは自分であり、そんなあなたを見ている周りの大切な人も辛くなってしまいます。
人にはそれぞれ特性があり、能力、向き不向きもあります。自分の体が無理しない範囲で、自分が出来る事で、周りの誰かに貢献できるような生活をしていく事が良いのかもしれません。ドラマやゲームの主人公ではなく、サブキャラの村人Aみたいな存在で出来る事を他人の為にする事も幸せを沢山感じられるのだと思います。
感情をコントロールしない
うつ病の人は、感情をコントロールしようとして、自分の感情を出すのを我慢する人が多いのではないでしょうか。「イライラするのは自分の器が小さいから」「疲れたなんて言うべきではない」などなど。しかし自分の感情を表現するのは大切な事です。自分の感情を我慢して抑圧するとストレスが溜まり、身体症状が出たり、精神面でも不調が出る可能性があります。
ですから感情を我慢しない事が大切です。感情を吐き出す際に相手の意見を尊重しつつ自分の意見も丁寧に伝えるのも一つの方法ですし、直接相手に伝えるが難しい場合は、伝えやすい相手でもいいですし、場合によってはカラオケなどで感情を出すのも良いかもしれません。
また、感情を出して相手に伝えても状況が変わらずストレスを抱えてしまう場合や、相手に直接言えずに状況が変わらない場合には、無理せず、環境を変える事も大切みたいです。
他人に期待しない
人がストレスを感じる際はどんな場合があるでしょう。それは「相手から期待通りの行動が返ってこない時」です。ですから最初から大きく期待するのをやめ、期待通りの行動が返ってこなくても、「そんなこともある」と自分を変える事が大切です。相手を変える事は難しいもので、自分は変える事が出来ます。だったら自分の捉え方を変える方が良いのではないでしょうか。
ネガティブな事を考えない時間を作る
うつ病の方は、仕事が終わっても、家でも、休日でもネガティブな事を考え続けてしまう事が多いのではないでしょうか。「上司に怒られたけど嫌われてしまったかも」「休み明けの課題の発表は成功するかな、心配だな」「将来自分はやっていけるのだろうか」など。これではずっとネガティブな状況に置かれているのと同じで、ストレスが溜まってしまうのは当然。ですから考えない時間を増やす事が大切です。しかし考えないようにする事も結構難しい事で、ついつい考えてしまうのではないでしょうか。考えるのを防ぐ為に、何かに集中する事が大切です。一番効果的なのは自分の好きな事に集中する事です。それ以外にも料理をする、絵を描く、掃除をする、体を動かす、ゲームをするなどをする事で、ネガティブな考えをする事が減ります。自分も試していますが、体感的にも楽になった気がします。
自分のふり幅を許す
うつ病の人には完璧主義者が多いと言われています。自分の理想があってその通りにいかないと自分を責めてしまう。つまり「うまくいった、いかなかった」の白黒思考で物事の結果を捉えてしまう傾向があります。白黒思考は自分を追い詰める元凶です。理想の結果通りにいかないことが多い世の中で、白黒思考だとストレスを多大に溜めてしまいます。
ですから最高と最低の間の幅を許し、40点だったとしても、良いとこもあったと捉える事が大切です。
朝散歩は出来なくていい
よく医者から朝の散歩はセロトニンの分泌を増やし、心が安定し、うつ病から回復できます。早起きして散歩するのを習慣にしましょう。と言われます。しかし当事者のデラさんから言わしてみれば、「うつ病の状態でそんなこと出来るわけない」っていう話です。朝起きるのに必死でトイレに行くのも必死なのに。しかもそんな風に言われて、朝の散歩に行けない自分を責めてストレスを溜めてしまう原因にもなりえます。ですから、まずは歩くより消費するエネルギーを減らす方に力を注ぐべきとデラさんは仰ってます。エネルギーを節約した状態を維持できれば少しずつ体は回復してきます。
とはいっても歩く事は健康上にとっても良い事なのは間違いないでしょう。しかし、朝ではなくても自分の歩ける時間帯に少しずつ歩くのが良いのではないでしょうか。そうすれば朝起きれなかったと自分を責める事もなくなるでしょう。
「嫌です」と言う練習をする
うつ病になる人は、様々な人に対して「嫌です」という事が苦手みたいです。嫌われたらどうしようと思い「人から頼まれたら断れない」という悩みを抱えている人も多いでしょう。
嫌うのは相手の問題なので気にしないようにしましょう。「嫌われたかも」と気になるようだったら、楽しい思い出で記憶を上書きしたり、他の事に熱中したりして、考える余地を与えないように意識する事も良いかもしれません。
嫌ですと言えないと、どんどん自分に負荷がかかり、気づいた時にはうつ病発症もありえます。ですから、「嫌です」と言えるようになることが大切です。その為には、小さなところで断る練習を積み重ねる必要があります。嫌じゃなくても、「嫌です」と口に出す練習をするのです。
・アルバイトで「シフトに穴が空いたらまた助っ人お願いね」「嫌です」
・友人に愚痴に付き合わされて「また話聞いてね」「嫌だよ、勘弁しろ」のように、冗談でも口出す事が大切です。
このように「嫌です」という練習をして、普段の生活でも「嫌です」という事が出来れば、負担が減るはずです。
上記に挙げた考え方は、この書籍の一部分を抜粋したものです。物事を色々な柔軟な方法で捉えたり、行動を変える事でとストレスは軽減するのかもしれません。
もし良かったら参考にしてみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?