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The show must go on

もう、昨日の3DLIVEを見てからというもの、心と身体が離れて魂だけふわふわしている感覚がしている。たぶん、夢見心地ってまさにこの事なんだろうなあ。怖いと思う反面、心地よくもある。まるで、上質なワインの1口目みたいな、そんな感覚がずっと在る。

最初に謝っておきます。
昨日の3DLIVE、セトリ最高でした。どの曲も素晴らしく、ジョー・力一の個性を最大限に出力出来ていたと思う。初っ端のFAKE LANDでの掴みも物凄かった。気迫があった。でも、私は"死ぬな!"と、力ちゃんのオリ曲である"レイテストショーマン"が本当に刺さりすぎて、散文を書き散らさなければ落ち着かないくらいの感情になっているため、それについて語りまくります。ごめんなさい。


死ぬな!

まず、原曲に携わった方々へ最大級のリスペクトを。こっちのけんとさんが、死ぬな!の楽曲についてインタビューに答えていらっしゃる記事があるので、ぜひそちらを見た上で、原曲も聴いて、それから力ちゃんが10/26の3DLIVEで歌った死ぬな!を聴いて欲しいです。こっちのけんとさんが、どういう経緯があって、どんな思いをこの楽曲に込めたのかを念頭に置いて、私たちの推しが歌う死ぬな!を聴いた方が、きっと伝わることがたくさんあると私は僭越ながら思っております。

さて、ある程度の年数を生きていると、時たまカジュアルに "うわあ死にてえな" と思う時や、紆余曲折を経て、確実に "今死んでしまいたい"と思うシーンに出くわすことがままあります。他人と自分を比較して死にたくなったり、忽然とこの世界から消えてしまいたいなと考える夜もある。きっと、皆生きていれば経験する感情だと思う。

自分が死にたくなってる時に、『まあ人生そんなもんだよね、明日からまた頑張って生きよう!』ってマインドに切り替えるのってかなり難しい。余程嬉しいことがあっても、本当に全部無かったことにして、再度生きる方向に気力を持っていくって、仮に出来たとしても、ものすごく時間がかかるし、何よりそれによって心が疲弊するものだと私は考える。

誰の人生においても、ある程度の救いは用意されるべきで、それすら"運"だとか、日頃の行いだとか、そういうギャンブル的要素に左右され続けるならば、私も含めたくさんの人の心は折れに折れまくって、人口減少に拍車をかけていくことだろう。私はそれを踏まえて、心の拠り所というか、生きてていいんだと心底思える対象は、自分で作り上げていくものだとも思う。

だからこそ、推しが "死ぬな、生きてていい" みたいなニュアンスのメッセージをこちらへ向けて発信してくれるって、とても幸福で、有難くて、尊い。自分が愛おしいと思う存在が、生きてていいと言ってくれることがどんなに心強いか。わたしは昨日の力ちゃんが歌う "死ぬな!" を聴いて、気づいたらぐちゃぐちゃに泣いていた。力ちゃんが歌うことでこんなにも心揺さぶられる人間がいるんだよ。私以外にもね。確かに、ジョー・力一という存在によって、救われている人間がここに居る。皆さん、生きてください。生きていて、いいんですから。

レイテストショーマン

入りはゴスペルチックな歌唱から。実に荘厳である。だけど、そこからはピアノが入ったり、ポップで楽しい曲調になっていく。

作詞、全部力ちゃんなんですよ。普段ラジオで聞いてきた児たちの悩み相談に対するアンサーソングなんです。"おれはこういうスタンスです"っていう。

前半の歌詞について


わかってんでしょ? わかりゃしないでしょ
天才 前夜なんです
過大評価と 神様だって仰った
でも知らね 気持ちだけ 頂戴しときますね

何もない壁にイバラを描いて待ってた
大脱走ショーさ 滑走路はタイトロープ
さあ どこまでいけるかもがいてごらん
アブラカダブラ!

Hey レイテストショーマン
未完成の幻想 率いるショーマン
黎明1秒前
嗚呼きっと誰も寝てはならぬ
The show must go on
胡乱な常套句

"わかってんでしょ わかりゃしないでしょ 天才 前夜なんです"、って多分、これまでに力ちゃんに対して『言うほど面白くない』みたいなことを言ってきた人間に対するアンサーとも捉えられるし、目標や夢はあるけど、やらない理由やできない理由を探している人間に対する叱咤激励みたいにも聞こえた。その後に "過大評価と 神様だって仰った でも知らね 気持ちだけ 頂戴しときますね" と続くから尚更。ジョー・力一を見た人間が、力ちゃんがどんどんいろんな世界に進んでいくのを知って『そこまでの人材じゃなくない?』みたいな野次を飛ばしたのかもしれない。或いは、卑屈な自分自身から出た問いかけかもしれない。どちらにしても、ジョー・力一という人間は『知らねえよ。気持ちだけもらっておくわ』って斬り捨てる。これね、何がエモいって5年間コツコツ積み上げてきたもの、確かな自信があるから、きっと"今"言えるようになったんです。過去の力ちゃんなら言い切れ無かったと思う。強くなったんだ。

イバラを描いて待ってたのも、多分ネガティブなことをあれこれ考えて、やらなくていい理由、諦めるための口実を探してたのかなとか、何者かになりたいけどイマイチなり切れず、チャンスを待ってたのかなって。そんなふうに感じた。にじさんじに入るまでのことを思ってこのフレーズを書いたんだろうと私は思ってる。"大脱走ショーさ 滑走路はタイトロープ さあ どこまでいけるかもがいてごらんアブラカタブラ!" で、自分が縛られてるもの、諦めるために探していた理由から解き放たれて行動を起こして、ゴールは分からないし自分がどこまでやれるか定かじゃないけど足掻け、と。アブラカタブラは治癒や魔よけの呪文なんですが、力ちゃんは案外オカルトチックなんだね(好き)。つまり、過去の自分や、力ちゃんの悩みに対するスタンスを踏まえて、レイテストショーマンを聞いている人間におまじないをかけて送り出してくれている。行ってきな!って。

レイテストって最新の、とかいちばん遅いって意味がある。Vtuberという最新の存在だけれど、多分力ちゃんがこの世界に踏み出したタイミングを重ねて"レイテストショーマン"なのかな。"未完成の幻想"ってフレーズが2次元の感じを醸し出していてとてもよい。まだまだいろんなことが起きていく感じがあってワクワクしてくる。"黎明1秒前 嗚呼誰も寝てはならぬ"、夜明け前だね……。ここはラジオ深夜32時のことかなあとか、常に面白いこと、楽しませることをやっていくから『おれだけ見て、目を離さないで。寝る間を惜しんで』みたいなことなのでは。誰も寝てはならぬってトゥーランドットだし。重!!!!!大好きだよ……いつだって変われるチャンスはある、って意味もあったりするのかな。強気だよね。

The show must go on.
一度幕が上がったら、全てが終わるまでその舞台を降りてはならない。エンタメの世界に立つ人間の覚悟を表す慣用句ですが、何がすごいって5年目にしてこの覚悟を曲に落とし込んでくる気概ですよ。繰り返し繰り返し、今の力ちゃん自身にも言い聞かせるような、レイテストショーマンを聞いてる人を奮い立たせるために歌いつつも、毎秒自分の覚悟を確かめるように。"胡乱な常套句"は普段の配信のことが想像できてニコニコした。

後半の歌詞について

ワンルーム蜃気楼 孤立無援のクエスチョン
さみしいやましいむなしいを 呑みこんで燻(くゆ)るディフューザー
カーテンコールを 瞼の裏に見ながら
終わりのない日常回(トロイメライ) ひとりよがっていた

白日 曝け出す不安まみれのスポットライト
誰かにとっての最高でいたいんだ
さあこの身体に突き刺してごらん
那由多の感嘆符

Hey レイテストショーマン
滑稽な愛に生きるスレイヤー
0.数秒スワイプ
ご一緒にほくそ笑んでいただけりゃ
The show must go on

時系列としては過去⇒にじさんじのジョー・力一としてデビュー⇒今現在という解釈をした。"ワンルーム蜃気楼 孤立無援のクエスチョン" って聞いて、地獄銭湯で働いたりしていた社会人時代、答えのない(誰が回答をくれる訳でもない)自問自答を繰り返していたんだろうか、と感じた。個人的にはいちばんキツい作業だと思う。だって自分の内側にある色々なものと向き合っていく、自分からの問いかけほどしんどいものはないから。

"さみしいやましいむなしいを 呑みこんで燻(くゆ)るディフューザー" 

ちょっとここで力ちゃんの自己紹介を見直して欲しいです。


この男、めちゃくちゃ寂しがり屋なんです。最近の配信でも『エンディングの締めが長引いてる。終わりたくないのかな!?』みたいなこと言ってたくらいには。人一倍孤独を感じやすいんだろうな……普段はそんな素振り見せないけど……尊……でね、ディフューザーってに匂いを拡散するために使われるものを指すんですけど、ここ、落とし穴です。ディフューザーは芳香剤の類では無く、"タバコ"です……。タバコも匂いを拡散するんですわ……そして最近配信で触れていた『タバコは吸うじゃなくて呑むもん』、華麗な伏線回収ありがとうございました!!!!!だから、さみしいやましいむなしいを呑み込んで"燻る"ディフューザーって表現なんです……気づいた瞬間デカい声が出た。ムカつく、こんなお洒落な言い回ししやがってよ……好きです……

"カーテンコールを 瞼の裏に見ながら 終わりのない日常回(トロイメライ) ひとりよがっていた" 

ディフューザーの表現を踏まえて聴いていくとパズルのピースが全てハマる音がした。力ちゃんが力ちゃんになる前に、一人暮らしのワンルームで心に浮かびゆく善し悪しごと、人と触れ合いたいけど触れ合えない、寂しさ。こんな日常を過ごす自身に対するやましさ。人生を浪費することのむなしさ。そういう感情を、タバコの匂いと一緒に燻らす。エモ!!!!!!!!!!!!!!!!トロイメライはドイツ語で夢。カーテンコールは、エンターテイナーとしてやって行きたいっていう力ちゃんの夢かな。夢とはいいつつも日常回って書いてるから、そこの対比がなんとまあ切ないこと……。

ラストにかけて

白日 曝け出す不安まみれのスポットライト
誰かにとっての最高でいたいんだ
さあこの身体に突き刺してごらん
那由多の感嘆符

Hey レイテストショーマン
滑稽な愛に生きるスレイヤー
0.数秒スワイプ
ご一緒にほくそ笑んでいただけりゃ
The show must go on

"白日 曝け出す不安まみれのスポットライト"
⇒初配信の時の心情を吐露

"誰かにとっての最高でいたいんだ"

⇒自己肯定感めちゃくちゃ低いのかもしれない力ちゃんが、誰かにとっての最高で居たいってさあ……健気でもあり、難儀でもあり……この一行で力ちゃんに対する愛しさが増しました……。あなたはいつだって私たちの最高だよ……泣ける……

"さあこの身体に突き刺してごらん 那由多の感嘆符"

⇒多分ナイフ投げ(サーカスやマジックショーであるパフォーマンス)の比喩。ていうか那由多の感嘆符って私たちジョー児のいろんな感情ということなのよ……突き刺してごらん、って言い方をするのは、その感情を受け入れる覚悟がありますよってことなの……ジョー・力一、懐がマリアナ海溝より深く、本当に重たくて、良い……那由多ってワードも、今力ちゃんのことを見ている那由多の観客のことだけじゃなくて、きっとこれから先の力ちゃんを見てくれる観客のことも引っ括めて那由多なんだろうなあ……

"滑稽な愛に生きるスレイヤー 0.数秒スワイプ ご一緒にほくそ笑んでいただけりゃ"

⇒フリーランスのピエロ(道化師)という立場で、観客からの愛を糧にして生きている事実を滑稽な愛に生きるスレイヤーと表現しているのかな、或いは、オタクではない側の人間からすると私たちと力ちゃんのやり取りって『あほらし』みたいに言われがちだから、そこを踏まえて『あんたらが滑稽だって笑う愛でおれは生きて、たくさん人を笑わせてのし上がっていくんだよ』って表現しているのかな。わたしは両方あると思う。そんな人たちもコミコミで、"ごご一緒にほくそ笑んでいただけりゃ"なのか……滑稽な自分を見てみんな一緒に笑ってくれればそれでいいって……?なあ、力一……お前ってやつは……

さあ 何ができるか? 叫んでごらん
アブラカダブラ!

Hey レイテストショーマン
喝采は来世に頂戴
天啓なんて無い
からもう 絶望もしてあげない
The show must go on
遅効性のジョーク

レイテストショーマンで、総じて"〜ごらん"って言葉を敢えて選んでいるの、とてもいい。楽しいショーを見ていたら『あなたもやろうと思えばできるよ、やってみなよ』って手を引かれてステージに上がっていく感じがある。サイコ〜〜これから頑張ろうとしてる人の背中をトン、と押して微笑む力ちゃんが見えた。

"喝采は来世に頂戴"
⇒力ちゃんのショーはまだまだこれからで、拍手喝采は来世(終わってから)でいいよ、って解釈した……


"天啓なんて無い からもう 絶望もしてあげない"

にじさんじに入る前、入って1-2年くらいの間は多分まだまだ"天啓を受けてピエロになった"くらいの感覚だったんじゃないかな。だけど、5年が経過した今は、天啓なんてないと言い切れるくらい(過去の自分切り捨てている)には、たくさん経験したし強くなったという自負からくる"絶望もしてあげない"なんだよ…今までいっぱい絶望した、しそうになったことはあるんだ、力ちゃんも人間だから。今はもう独り善がりなんかじゃないし、そんなこと言わなくいいもんね……言葉に重みがある……

"遅効性のジョーク"

レイテスト(いちばん遅い)にかかってるし、力ちゃんが生み出していくもの(配信や歌)、力ちゃん自身が遅効性のジョークそのものなのかなって思いました。効き目は抜群だから、一度効いたら抜け出せない劇薬だけれど。

まとめ

この曲は、過去のジョー・力一やピエロになる(エンタメの世界に飛び込む)前の自分に対するアンサーであり、現在の力ちゃんが覚悟を忘れないための歌。そして、ジョー・力一と同じような夢、目標を持つ観客たちに対する応援ソングだと思う。そして、力ちゃんを見ているジョー児に向けた熱烈なラブレター。本当に、何回でも言うけど、私たちって世界一幸せなオタクだよ。不特定多数に矢印向いた歌じゃなくて、確実にジョー・力一を推して毎日自分たちの日々を頑張っている私たちに矢印向いてるからね……そんな、ビターチョコレートで出来たチョコレートファウンテンのように激重な愛を抱いて、これからもジョー・力一と互いを高め合って生きたいな、そう思わされる最高の作品です。







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