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ゲームエッセイ:OMORI感想

 先日インディーズRPGであるOMORIをクリアしました。とても楽しかったので筆を引っ張り出して感想書きます。
※ネタバレを含みます






 PVから感じた印象はMother+ゆめにっきちょいたしのイメージでした。作者もこの作品群から影響を受けたし比較されることを望んでいると述べていたので道中からある程度の結末を予想していましたが大分異なる着地点に驚きました。
 あんまり具体的なネタバレはしたくないので感じたことを羅列すると
負い目・罪は消せない消すことは出来ない、
背負い続けるしかない でも接し方は変えられる
向き合うことは出来る
背を向けず目を開いて。
 最後のエンディングはプレイヤーに解釈を任せる形なので人それぞれの未来があると思います。個人的には不確定部分がある事で許してくれるかもしれないけど、胸にわだかまりが残って重りのように心に影を落とし続けそうだなあと思いました。でもそれと付き合って生きていかないといけないのが人間なのかもです。
 罪の意識から背いたまま逃避する事がバッドではなくノーマルエンド扱いである事も誰も負い目を抱えて生きていることが普通という風にも考えられそう?

 ゲームとしては精神世界がパステルカラー調の色彩で統一されている事と現実を抽象化したキャラクター群のデザインがとても好きでした、特に色彩。マイリトルポニーなどの子供向けアニメに特徴的な色合いはそれだけで幻想的な精神世界の雰囲気に没入させてくれました。
 しかし現実から逃避して自分の世界に閉じこもったサニーの幸せだった幼少期への逃避やサニーや友達のオーブリー達が子供の姿をしたままなのも心が幼いままな表れと考える事もできるかも。ホラー演出もジャンプスケアなど表現が多彩で飽きなかったです。日毎度合いが増していくのも演出として面白かったと思います。

 BGMはもう最高です。文句のつけようがない、こんなに力を入れてくれてありがとうOMOCAT…
元々OMORIに興味を持ったのが主題歌であるMy TimeというBGMがきっかけなので期待を大にしてゲームに入った訳ですがそれでも大満足です。曲としてはチップチューンやストリングスなど多彩な音源と構成、アップ・スローテンポなど曲調が異なっても安定したクオリティーでした。ちなみにUndertaleなどを製作したTobyFoxもゲストとして曲を提供してます。

 ゲームとしての着地点、エンディングが購入前やゲーム導入時とは大きく違った事に最初戸惑いも覚えたけど、インディーズゲームという媒体で形にしたと考えると結構納得できました。
 コンシューマーゲームは表現したい形をあくまで会社が利益を上げるという大前提を元に制作しなければいけないので万人に評価される創作に習わざるを得ない。インディーゲームは小規模で製作する以上企業と同じ路線では争えないが故に特殊性に突出することが出来る。
 資金や時間に制限がかかっているからこそ表現しえる世界ができたって考えるとインディーズゲームってすごく魅力的ですね。数年前までは触れる事は無かったのですがSteamの普及や、Switchなどの家庭機でも配信できる環境が整備されたことでハードルが大幅に下がっていると思います。
OMORIを遊んだことで今後も気になるタイトルがあったら手にしたいと思いました。

 情緒が溢れたのでイラストも描きました。友達4人のこのシーンで、劇中と同じ構図ではあるし人気がありそうな場面ですがゲームエンド後も踏まえるとやっぱここしかない気がします。友情をまた通わせられた温かい風景であると同時に締め付けられて心が重くなる…


https://store.steampowered.com/app/1150690/OMORI/?l=japanese
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