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私立VRC学園11期3組 卒業によせて

去る6/24(土)、私立VRC学園を無事卒業した。

卒業式の出来事なんて日記形式で書くものじゃないなと思い
思うさまいろんなものを書こうと思って書き始めた。私立VRC学園を卒業して何を得て何を学んだのか。
自分の中での整理だったり感謝だったり謝罪だったりいろいろ。頭に浮かんだことをひとしきり吐き出す。
卒業式前後の写真を合間合間に挟んでいこうと思う。


謝罪と謝意

クラスメイトのQuest勢へ

まず最初にこれだけは謝っておきたい。入学式の日、クラスメイトのステータスを見てQuest単体の人がいるのを見つけたとき、
正直に「げっ」と思ってしまった。彼らがいるせいで、行けるワールドが制限されてしまうと。それ自体は事実といえば事実だけど、なんとなく初対面でネガティブなイメージを持ってしまっていた。本当に申し訳ありませんでした。

溝に落ちたneko96さん

VRChatのワールドは、自分のような狭量なものとは違い、Quest勢も含めて楽しめるワールドなんていくらでもあったのだ。今まではPCVRのリアル友人たちだけと遊んでいたせいで、Quest対応ワールドなんて見向きもしていなかった。みんなが探して用意してくれたQuest対応ワールド、楽しめないところなんて一つもなかったのに。
それにQuest勢のwinkさん、isoさん、neko96さん、本当にいい人達だった。無言勢のneko96さんも含めて、よく話をし、仲良くしてもらったと思う。クラスメイトになって数日でQuest勢へのネガティブさなんて吹き飛んでいた。彼らが「重い」といって描画負荷の小さい方向に逃げていくのを微笑ましく眺められるようになった。

winkさん、isoさん、neko96さん、本当に、本当に申し訳ありませんでした。最後の最後でしか謝罪できなくて情けない。次会った時には靴とか舐めます、多分。


改めてクラスメイトへ

文字にするのは野暮なので一言。
あなた達は、この世界において本当に初めての友達です。ありがとう、これからもよろしくね。

こういうなんでもない、談笑している光景が良いのだ


担任の先生方へ

担任の先生はすごい。本当に。「仕事がー」と言っていた自分がアホに見えるくらい、11期の二週間忙しかったはずだ。
ここで言い切ってしまうのは勿体無いので、ちゃんとした感謝はまた別の機会に。12期以降の生徒達よ、担任を敬え。そしてちゃんと報連相しろよ!

卒業式に黒染めしてきて、照れるヤンキー


授業をしてくれた講師の先生方へ

まずは感謝を。金額に換算するのはどうかという話だが、あのクオリティのものを、無償で受けられたことが驚きだ。
この授業がいったいどれだけの人の善意と熱意に支えられているのか、想像もつかなかった。本当に感謝。

なんというか、学生という身分が終わり、社会人になり、人からああやって直接に教えを乞う機会なんてなくなってしまった。
私立VRC学園はあくまでイベントであり、実際の教育機関というわけではないけど、ただ学び、ただ試し、ただ遊んだ「あの頃の気持ち」が蘇ってきたのは紛れもない事実だった。別に学生の頃真面目生徒だったわけではない。でもその頃は持っていたはずの、今ではいくらか薄れてしまった「好奇心に任せてなんにでも貪欲だった原点の気持ち」を思い出せたことがうれしい。今でも好奇心だけはあふれているが、以前に比べて「後先考えず初めてみる」ことは少なくなった。興味があっても、楽しそうでも、「面倒くさいな」という気持ちに負けて安きに流れることが増えてしまっていた。明日やろう、なんて。明日もやらないのに。今ならなんでもできそうな気がするな。まずは止まっていた、自分専用のアバターを一から作ること、これを始めよう。鉄は熱いうちに打て、この気持ちが燃えている間に一気にトライしてしまおう。

そしてもう一つ大事なこと。それは「選択肢」をもらったこと。日記の方でも書いたけど、自分から選択肢をこじ開けられる人は少ない。無い選択肢は選べない、これ自体は自然なことだ。学園の授業は特定のテーマを深掘りするというより、色々なジャンルで「こんなことがあるんです」「こういうこともできるんです」「はじめはこうするといいんですよ」というのを教えてくれる。知らなかった選択肢を与えてくれる。ある程度知識のある人には物足りなかったかもしれない、けれど自分のようなVRChat初学者にとっては大いに学ぶことがある授業だった。狭い世界に生息していた自分には、本当に学ぶことが多かった。

「知識」は当然として、「情熱」と「選択肢」。それらが自分がこの学園で授業を受けて得たものなのかな、と思う。受け取り方は人それぞれなので、他の人はどう思ったか知らないけれど。
なるべく受け取れるだけ受け取り、学べるだけ学び、咀嚼して整理したものを各日記として出力してみたけれど、先生たちの伝えたかった内容の10分の1でも伝わっただろうか。

先生方、お疲れ様でした。本当にありがとうございました。


制服いいなぁ!


学園生徒会へ

このような素晴らしいイベントを企画・運営してくれて感謝しかない。
ただ、用意された学生向け資料や、設定されたガイドライン、動画、連絡網など、組織としての規模感・堅牢さ、思っていた以上だと思った・・・。
一生徒の立場からは氷山の一角しか見れなかったが、なんの気無しに釣り上げた魚が鯨だったような、驚きと戦慄を感じた。やばい。

何をするかは決まっていませんが、何らかの形で恩返しがしたいです。本当にありがとうございました。

校舎をバックに悲しみの自撮りをしていたらなんかUMAが写る


いるかは知らないが、この日記を見て私立VRC学園を受けようか考えているあなたへ

※これは私立VRC学園公式見解ではなくあくまで体験した個人の感想です

もしあなたが学園に入る前の自分のような「VR人見知り」だったり「VRぼっち」なら、あなたには少なくとも「2つの勇気」が必要だ。それは「そもそも学園に入る勇気」と「違う環境を受け入れる勇気」だ。
二つ目が最も重要で、新しい環境・新しい人間関係・新しい生活サイクル、入った直後は大きな変化に翻弄されると思う。きっと精神的にも余裕がないことだろう。誰だこいつら。輪に入れない。知らない人だらけで、教室の隅っこで呆然としてしまう、そうなるのも仕方ない。というかなる。だけど、教室の隅っこで「ただ餌を待つ雛」になってはダメだ。これから二週間は、クラスのみんなで生活する新しい環境だ。みんなで作る環境だ。ありったけの勇気を振り絞って自分から変化を受け入れろ。頑張って、教室の隅っこじゃなく人の輪の隅っこにいろ。そうすればきっとみんな話しかけてくれるから。

もしあなたがVRCですでにコミュニティに所属していて人付き合いがあるなら、特に問題ないだろう。二週間の新しい生活を楽しんでください。ただし一点だけ、その二週間の間だけはクラスメイトとの時間を優先してあげてほしい。放課後にクラスメイトがさっさといなくなり、Socialメニューで別の場所で別の誰かと何かをしているのを見るのはきっとみんな寂しいと思っている。

矛盾するようだけど、なにも考えず、適当に過ごしてもいい。上に書いたのはあくまで個人の感想、個人的ベストプラクティスのようなものだ。そんなことしなくたって、なんかクラスメイトと仲良くなり、気の合う友達を見つけ、楽しい学園生活を送り、卒業後も楽しく付き合える仲間達が手に入ることだってある。ただ、自分から受け入れに行った方がきっと良い結果になりやすい、そんな話だ。

思うに、私立VRC学園とは生徒に「自分の足で立って歩く力」を授けてくれる場所なのだとおもう。自分から立ち上がろうと、何かを成そうと生まれたての小鹿のようにプルプルしている人はきっと立ち上がれる。そしてそのまま歩いていける。そういう場なのだ。
学園は居心地の良い揺り籠を提供する場ではない。学び、巣立つための場所なのだろう。所属したクラスが揺り籠になったとしても、それは結果であって目的ではないのだ。だから、揺り籠を求めてきた人はあれっと思うかもしれない。そして深い専門的な知識を学ぶ場でもない。そういうのを求めてきた人もなんか違うと思うはずだ。多分そっち系の集会やイベントに行った方がいい。
VRChat始めたけど一人でどうしていいかわからない、交友関係を広げたい、色々知らないことを学んでみたい、そういう人たちが勇気を持って踏み出すなら、きっと楽しい生活が待っているに違いない。


いちゃついてる姿をちょいちょい見たな


あまり学園と関係ない思考

仮面を被ること

自分には無理だった。即座に中身が出たので諦めた。
声や身体性のあるコミュニケーションでキャラを作る、というのは難しいな。徹底できている人はすごい。どんな境地に至ればKawaiiムーブとかを維持できるのだろうか。自分には手を振るので精一杯だった・・・。これはできない自分を嘆き、できている人たちを賞賛する意図で書いているので誤解の無きよう。まぁ常時自然体は楽ではあるのだが。

上に関連して、女の子アバターから男の声が出ていること

これ、正直に言えば学園に来る前は「無いな」って思っていた。微妙なニュアンスの違いだけど、「男が女の子アバターを纏うこと」じゃなくて「女の子アバターから男の声がすること」に違和感があった。自分がそうしていることも、周囲には申し訳ないと思っていた。だから学園に入る前はロボアバター使うかRVCでも使おうかと思っていたが、いまいち使い勝手がよくなかったのでやめた。
今?もう慣れたよ。なんも気にならない。

アバター被りもまた良いものなのだと知った


まだ苦手なこと

人をちゃん付けで呼ぶのは苦手、気恥ずかしさがまだある。写真を撮らせてもらうのは問題ないけど、一緒に映ってもらうのはまだ苦手。こちらも気恥ずかしい。入ってきてもらう分にはウェルカムだけど、フレンドインスタンスに事前に相手の了承なくJoinするのもまだ苦手。でも大きな進歩だ。

写真を撮ること

結構好き。リアルでもたまにはとるけど、わざわざ撮影に出かけていくというほどではない。そういう意味ではVRChatという環境は素晴らしい。家にいながら、いろんな物・人・風景が取れる。サイコー。おそらくクラスで一番写真を撮っていたように思う。人を撮る時はポーズを取ってもらうより、自然に何かしている様子をバストアップ寄りで切り抜くのが好きなので、撮影中は人の輪に入れないのが玉に瑕。人の輪の周りをカメラ片手にくるくる回る変人、それが私だ。

カイチョーやガクエンチョーも来てくれていた


文を書くこと

楽しい。それに尽きる。久々にモノを書いた。こういう文を最後に書いたのはいつだったか。
書きたい内容や推敲が前後しまくるせいで時間がかかるのが難点だが、書くことによって頭が整理されるのはとても良い。記憶の中でごっちゃに絡まった感情や情報から、何が自分の中に残ったのか掬い上げる作業。書くことによって発見することも多い。

ただ、日記を書き始めたのは結果的に失敗だったと思っている。
授業が終わり、12時くらいにクラスメイトと別れ、ヘッドセットを外してPCの前に座る。頭に浮かぶのは今日あったこと、学んだこと、書きたいこと。諸々を片付けつつ、evernoteに書こうと思った要素を並べる。冒頭の部分を書いた時点でもう2時くらいだ。とりあえず寝る。だが寝れない。バチクソ目が冴えている。なんて書こうか、それが思考を支配する。明日もお仕事忙しいんですけどー!?2時になっても3時になっても結局寝られないのなら、クラスメイトと遊んでいた方がよかったのでは・・・?眠れない目でtwitterを見るとクラスメイト達の「自分が帰った後の」写真が上がっている。ああ・・・やっぱ遊んでた方がよかったな。これが二週間続いた。もっと在学中にみんなと遊びたかったな・・・。ホラワとか。

まぁ大事なのは何事もバランスだ。学園の日記をnoteで書き始めたのは、過去の卒業生たちの日記が残っていたからだが、それらに比べて明らかに書き過ぎた。今期の卒業生達の主戦場は主にtwitterだった。せっかくイーロンマスクが280字以上で投稿できるようにしてくれたのだから、そっちでもよかったな。反省。

どうでもいいこと

学園に入学してすぐ、9か月近く微動だにしなかったTrustLevelが「New User」から「User」になった。これでワールドをアップロードする権利を手に入れた!通算プレイ時間もようやく200時間を突破。チュートリアルの5分の1が終わった感じだ。・・・チュートリアル1000時間って誰が言い出したの?
学園に行っている間、リアル友人達が「ロードオブザリング3部作」「ホビットの冒険」をウォッチパーティで見ていたのに参加できなかったのは残念。流石にロードオブザリングを流してそれに対する数人のガヤを聴きつつ授業を受けるのは無理と判断した。無理だって流石に。


終わったのだ

終わりに

在学していた二週間、慌ただしくも楽しい日々だった。少しの間、青春を取り戻せていた気がする。社会に出て、組織を知り、最近特に「人の善意と苦労」に思いを馳せるようになった。学生の頃や社会人なりたてのペーペーの時代は自分のことで精一杯で、「人の善意と苦労」に感謝していなかったりそもそも気づいていなかったり、知らぬ間に踏みにじっていたりしていたなと思う。そういったものが見えるようになった今、擬似的にとはいえ改めて学生をやらせてもらって、思うところや感じ入ることがいっぱいあった。

屋上にて

ああ、本当に学園に通えてよかった。人間のすばらしさが身に染みた。上の方にも書いたが、何らかの形でもらった善意を次の人に伝えていきたい。

学園関係者の皆様、生徒の皆様、先生方、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました!

さいなら!

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