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雪洲とマクロ言葉といわもとQ

セッシュウとは?

映像関係の業界用語として有名な「セッシュウ」という言葉があります。
これは、カメラに対して被写体の顔の位置などが低い場合に、台を使って高さを調整することです。人物に限らず、品物を台に乗せる時も「雪洲する」といいます。早川雪洲という俳優が由来だそうで、セッシュウは海外でも使われることがあると言われています。

マクロ言葉とは?

「カメラのアングルに対して、女優と俳優の背の高さが合わないから、背の低い方に台にのってもらって撮影する」
というと長いですが、
「雪洲する」
なら一言で伝わりますよね。
業界用語やスラングなどがそうだと思いますが、よく使う言葉だけど説明するにはちょっと長い、細かいニュアンスを含んだことばを、短い単語にワンパッケージにしてしまうということがあると思います。
これを、マクロ言葉と言います。
パソコンで複数の一連の動作を一回の操作で処理できるようにまとめることをマクロと言いますが、それが語源です。

いわもとQとは?

「じゃあ、次の提案はこの案でいわもとQでやってみるか」
と言った時、どういう意味か伝わるでしょうか。

「いわもとQ」は、(最近全店閉店になったことでも話題になりましたが)東京にあった立ち食いそば屋さんで、値段のわりにめちゃくちゃ美味しいことで有名でした。私もなんども行きました。
そば屋や飲食業とは無縁だった岩本さんが、知見ゼロからの創意工夫で、それなりのそばでも、出来立てを出せば味や満足度で高級店そばにも勝てると気付き、それを実行して人気店になったそうです。
ベテランの経験やクオリティは、素人でも鮮度やスピードがあれば凌駕することができるというわけです。

つまり「いわもとQでやってみる」とは、
デビューしてホヤホヤの技術や注目度の高いタレントを、ほぼそのままの形で世の中に出すことで、時間をかけて練った新しいアイデアや熟練のタレントに勝てる話題量を発揮することを狙う、ということを示すマクロ言葉になります。

ちなみに「マクロ言葉」という呼び方自体に一般性があるかというとそうでもなくて、いつものごとく自分の脳内用語です。でもこの概念は便利なので呼び方はともあれ、多く使われるようになるといいなと思います。
またマクロ言葉につづき「いわもとQ」も、業界用語というよりはまだ自分の脳内用語で、脳内会議の時にはよく使いますが、実際の会議で他の人が使っているのを聞いたことはまだありません。


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