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【妄想副音声脚本】 ストライク・ザ・ブラッド スペシャルOVA 消えた聖槍篇Aパート


※注意書き

この妄想脚本は、2020年1月29日に発売された『ストライク・ザ・ブラッド スペシャルOVA 消えた聖槍篇』Blu-ray&DVDを記念して書き下ろしたものです(期間限定公開です)。作中に登場するキャラクターが、もし特典オーディオコメンタリーを担当したら、という内容になっております。アニメ本編を視聴しながらお楽しみいただければ幸いです(でなければ理解不能な内容かと思われます。また思いっきりネタバレを含んでいます)。
・原作者の妄想ですので、もちろんBlu-ray・DVD本体にこの脚本の音声は収録されておりません。
・アニメ公式とは無関係な二次創作です。特に許諾など取ってないので、公式方面に怒られた場合には予告なく消えることがあります。
・内容についてのご質問・お問い合わせはご遠慮ください。
・転載は禁止です。
以上の内容をご了承の上、お楽しみください。

【自己紹介】

霧葉「どうも。第四千頭真祖です。よろしくお願いします。どうも」

唯里「ちょっ……待って、妃崎さん! 冒頭からいきなりわかりにくいボケをぶっこんでこないで!」

霧葉「そんなにわかりにくかったかしら? ストブラの重要なキーワードである第四真祖という単語と、有名な三人組お笑い芸人のグループ名をかけてみたのだけれど」

志緒「おお、なるほど。そういうことか……! 今回、私たちもちょうど三人だから……!」

唯里「志緒ちゃんもそこで納得しないで! えっと、そんなわけで『ストライク・ザ・ブラッド スペシャルOVA 消えた聖槍篇』が、本日2020年1月29日に発売になったのですが、皆様、もうお買い求めいただけましたでしょうか?」

霧葉「こんなんなんぼあってもいいですからね」

唯里「いやそれ、違う芸人さんたちのネタだから……!」

霧葉「おあとがHere We Go!」

唯里「うるさいなあ、もう! とにかく、新作OVAの発売記念ということで、恒例の仮想オーディオコメンタリーをお届けしたいと思っております。もしよければ、DVDやBlu-rayをお手元において最後までお付き合いください。担当するのは、わたし、獅子王機関の剣巫、『純真律儀な銀剣の巫女』羽波唯里と、」

志緒「同じく獅子王機関の舞威媛、『気丈で純情な降魔の弓姫』斐川志緒と、」

霧葉「太史局の六刃神官、『横暴にして美貌の黒き魔槍使い』妃崎霧葉。以上、ストブラ二期生の三人でお送りします」

唯里「二期生って……それはたしかに、わたしたち三人はOVA二期からの登場だけど……」

志緒「そこのボケは『お笑い第七世代』とかじゃないんだな……」

【アバン1 オシアナス・グレイヴII船内】

霧葉「まあ、それはともかく、どうして私たちは冒頭から素っ裸で登場する羽目になっているのかしら?」

唯里「ハハ……イツモノコトデスヨ……アハハハ……」

志緒「大丈夫か、唯里。変な悪霊に憑かれたときの暁古城の妹みたいな目になってるぞ……」

唯里「だ、大丈夫……ていうか、アヴローラちゃんのことを変な悪霊呼ばわりするのはやめてあげて……!」

志緒「まあ、気持ちはわかる。私たちはOVA三期で散々脱がされたからな」

唯里「しまいには一部のスタッフに『こいつらを脱がすのは飽きたから、新しい脱ぎ要員が欲しい』とまでいわれる始末だったもんね」

霧葉「ちょっと待って。今なにか気になる言葉が聞こえたのだけど、獅子王機関と太史局の合同調査とか不自然な言い訳をしてまで私がOVAのゲストで呼ばれたのって、もしかしてそれが理由だったりするのかしら……?」

志緒「ああ、うん……まあ……」

唯里「あはははは……」

霧葉「……呪うわよ(ぼそっ)」

【アバン2 彩海学園教室】

唯里「そんなこんなで、メインヒロインの登場なんだけど……」

志緒「いつもの姫柊雪菜だな」

霧葉「ええ。平常運転ね」

唯里「いや、平常運転じゃないでしょ!? ブルマだよ!?」

志緒「少なくとも服を着て出てきた時点で、私たちより恵まれてるだろ」

唯里「それは言わないで…悲しくなるから……!」

霧葉「姫柊雪菜の服装はさておき、大切なものをなくしたとか言ってるわね」

唯里「うん。女の子が大切なものをなくした…って意味深だね。なんのことかな?」

霧葉「そうね、恥じらい、とかかしら?」

唯里「いや、違うでしょ! それはたしかになくしちゃいけない大切なものだけど!」

志緒「恥じらいじゃないとすれば、向上心、とか?」

唯里「真面目か! いや、向上心はなくしてないです! 成長に向かって貪欲です! そういうんじゃなくて、もっと具体的な物体で!」

志緒「わかった…! ワイヤレスイヤホンだな。ほら、リンゴのマークの会社の白い耳栓みたいなやつ」

霧葉「ああ……! あれはよく片方だけなくなるらしいわね。電車の中とかで」

唯里「ああ、じゃなくて! なんで大喜利みたいになってるの! なくなったのは雪霞狼だよ! ゆっきーの槍!」

霧葉「……意外につまらないオチだったわね。それじゃ座布団はあげられないわ」

唯里「だから大喜利やってるんじゃないってば!」

【Aパート1 彩海学園教室&廊下】

志緒「いちおう暁古城もブルマについてつっこんでるな」

唯里「OVA三期でゆっきーが着ていた体操服が普通の短パンだったせいで、各方面から違和感を指摘されてたんだよね」

霧葉「この令和の時代にブルマじゃないほうが違和感を持たれるって、この作品はいったいなんなのかしら……」

志緒「そして姫柊と暁古城の記憶がない、と……」

唯里「そう。つまり今回のエピソードは、記憶のない一夜に起きた出来事と、消えた雪霞狼の謎を解くミステリー仕立てなわけですよ」

霧葉「ミステリーもなにも、ゆうべはマニアックなプレイでお楽しみでしたね、という以外、なんの感想も出てこないのだけど」

唯里「やめて! たしかに否定できないけど! でもほら、血まみれの凶器も落ちてるし!」

霧葉「わぁ、マニアック」

唯里「どんなプレイを想像してるの……!?」

霧葉「でも、よかったじゃない。なくなった雪霞狼とやらが見つかって」

唯里「え? 雪霞狼は見つかってないでしょ。落ちてたのは金属バットだよ?」

霧葉「金属製で銀色で細長くて凶器……ほら、条件にぴったり。これで一件落着ね」

唯里「なにひとつ落着してないから! 見た目が全然違うでしょ!」

霧葉「そこはほら、OVAも新シリーズに入ることだし、プロップのデザインが一新されたということで」

唯里「一新されすぎでしょ! パッケージイラストでヒロインが金属バットを持って出てきたら、何事かと思われるよ!」

志緒「ぽわ……ぽわ……ぽわ……ぽわ……てってれー♪」

唯里「し、志緒ちゃん…!? 突然どうしたの?」

志緒「いや、暁古城がポケットからブラジャーを取り出してたから、BGMをつけてみた」

霧葉「ああ…それでドラえもんがひみつ道具を取り出すときの効果音だったのね。しかも水田わさび版なのね」

志緒「第四真祖の腹部の白いポケットに秘められた機能がついに明かされてしまったな」

唯里「機能って……たしかにあの大きなブラが出てくるあたり、若干、四次元的かもだけど」

霧葉「そして当然のように匂いを嗅ぐのね」

志緒「最近はこういう主人公が流行りらしいからな」

唯里「ん? 流行り。臭いを嗅ぐ系の主人公が?」

志緒「ああ。最近の大人気作品の主人公も、人並み外れて嗅覚が鋭くていつも臭いを嗅いでるらしい。敵の攻撃を臭いで感知したり、臭いの変化で他人の感情を読み取ったり……」

唯里「いや、その鬼と戦ってる人と一緒にしちゃダメでしょ!臭いを嗅ぐ目的がまったく違うでしょ!」

霧葉「そういえば暁古城も長男だったわね。ちょうど妹もいるし」

唯里「おいやめろ! それ以上はマジで怒られるやつだから!」

【Aパート2 彩海学園屋上】

志緒「屋上に洗濯物が干してあるのか。事件の予感がするな」

唯里「そ、そうかな……? 普通にのどかな光景だと思うけど」

霧葉「今のシーンの姫柊雪菜、干してあるのが自分の制服かどうか、匂いで確認しなかった?」

志緒「似たもの同士だな、この主人公とヒロインは」

唯里「制服のタグとか名前の刺繍とかで確かめたんだよ、きっと。そういうことにしとこうよ」

霧葉「そして藍羽浅葱のスクール水着も干してあるのね。これは謎を解く重大な手がかりだわ」

唯里「血まみれのバットはスルーしたのに……!?」

志緒「しかしゼッケンを縫いつけてあるスクール水着って、きょうびあまり見かけないな。それにこういう場合、ゼッケンには苗字を書くものじゃないのか?」

霧葉「彼女たちのクラスには、藍羽姓の生徒がほかにもいるのよ」

志緒「……そうか。だから、区別するために下の名前を書いてあるのか」

霧葉「ええ。男子の出席番号一番、藍羽孝太郎くんのスク水と間違えないようにね」

志緒「いや、藍羽孝太郎くんは女子のスク水は着ないだろ……とも、言い切れないのか、今の時代。性の多様性が認められる社会がもうそこまでやって来ている」

霧葉「流行りのノリつっこまないボケを使いこなすとは……やるわね、斐川志緒。口惜しいわ」

唯里「どうしてそんなところでライバル心を燃やすの……? 妃崎さんのキャラがわからない……」

【Aパート3 回想・彩海学園プール】

志緒「ここからは過去の回想ということで、時系列的には私たちがオシアナス・グレイヴIIに乗りこむ前の出来事だな」

唯里「もともと真祖大戦の渦中で半壊したオシアナス・グレイヴIIは、持ち主不在で放置されたまま海上を漂流してたんだよね。ところが、その漂流船の周辺海域で海難事故が多発するという報告があって、わたしたちが調査に行くことになった、ということで」

霧葉「矢瀬家所有のクルーザーでオシアナス・グレイヴIIに向かったのだけど、すんなりと辿り着くことはできなかったのよね。ちょうどこの時間帯だと、船上で敵のスタンド使いに襲われていたころかしら」

唯里「待って、スタンド使いには襲われてないよね! さらっと嘘の情報を混ぜないで! たしかに正体不明の怪物に襲われて、矢瀬家のクルーザーが沈められたりはしたけれど!」

霧葉「ああ、あなたは覚えていないのね。敵のスタンド能力で空気の抜けた風船みたいにペラッペラにされていたから」

唯里「わたし、ペラペラになってたの!?」

霧葉「斐川志緒の捨て身の覚悟と、私の機転でどうにか危機は切り抜けたのだけどね。そんな私たちの活躍を、映像でお見せできないのが本当に残念だわ」

唯里「視聴者を混乱させるようなストーリーの捏造はやめよう!」

霧葉「ふふっ。アニメ本編ではオシアナス・グレイヴIIに着くまでのくだりはごっそりカットされてるから、私たちがどんなに活躍を盛ってもバレないのよ」

志緒「そういえば、私と唯里が、七つの頭を持つ巨大ザメを激闘の末に倒した場面もカットされていたな」

唯里「志緒ちゃんも捏造に乗っからないで!」

志緒「それはともかく、暁古城のこの水着はあまり水泳の授業って感じがしないな」

霧葉「そうね。もっと、ブーメランな水着であるべきよね。視聴者サービスのためにも」

唯里「サービスになってるかな……あとほら、最近の高校は水着が自由って学校も多いから」

志緒「だったら学校指定の水着がないのに、ゼッケンつきのスクール水着を着てきた藍羽浅葱はあざとすぎないか?」

唯里「うん……まあ、そこは触れないであげて…」

霧葉「さすがはカインの巫女といったところね。油断ならない相手だわ」

唯里「なぜかわからないけど、妃崎さんの中で藍羽さんの評価高いよね……」

志緒「そしてこのあたりから絃神島本島も台風の暴風域に入ってきたのか」

霧葉「ふと思ったのだけど、こんな嵐の日に漂流船の調査なんかする必要があったのかしら、私たち」

唯里「それはほら、沖合の天気は変わりやすいし、台風の予想進路が狂ったとかそういうことじゃないかな。水泳の補習も急きょ中止になったみたいだし」

霧葉「そして今の美人が暁古城の学校の体育教師なわけ?」

唯里「そうです。ゆっきーたちの担任の笹崎岬先生」

霧葉「……あんな美人でグラマーな教師と水泳の補習なんて、これはもう淫行なのでは……?」

唯里「ちょおおっ! いろいろ世間の目が厳しいご時世なんだから、そういう危険な発言は慎んで!」

霧葉「先生エンド待ったなし!」

唯里「だからやめろってば!」

【Aパート3 彩海学園中庭】

志緒「まあ、今の回想で暁古城たちが学校に泊まることになった事情は判明したわけだが……藍羽浅葱は、どうしてこんなに焦っているんだ?」

唯里「……え? 志緒ちゃん、わからないの? ネタバレだからとぼけてるというわけではなくて?」

志緒「ああ、さっぱりだ。体調が悪いわけでもなさそうだが……」

霧葉「そうね。類い希なる私の観察眼をもってしても、藍羽浅葱が動揺する理由は読めないわ」

唯里「いや、節穴すぎるでしょ、その観察眼……」

【Aパート4 オシアナス・グレイヴII】

志緒「ここでようやく私たちの出番か」

唯里「空が暗くて海が荒れてるということで、このあたりはまだ台風の暴風域なんだね」

霧葉「あら、矢瀬基樹。さっきまで縛られてたのに解放してもらえたの? よかったわね」

志緒「縛って床に転がしたのも私たちだけどな。というか、主に妃崎霧葉がやった」

唯里「わたしたちがシャワーを浴びたり服を乾かしたりしてる間に、のぞかれないようにって強硬に主張してね……」

霧葉「あら。まるで私がひどいことをしたみたいに言わないでもらえる? あれは矢瀬基樹に頼まれてやったのよ。そのほうが興奮するからって」

志緒「なるほど。そうだったのか……」

唯里「待って。加害者の証言を鵜呑みにしないで……! 縛り上げられた上に根も葉もない噂を立てられて、いくらなんでも矢瀬くんが可哀想すぎるから!」

霧葉「……ところでさっきの檻だけど、どうしてアルデアル公のペットの名前が日本語で書いてあったのかしら?」

志緒「そのほうがカッコいいと思ったんじゃないか? ほら、欧米圏の人たちが、漢字のタトゥーを入れるみたいに」

霧葉「なるほど。日本人が使ってる武器の名前に、フライクーゲルとかローゼンカヴァリエとかつけちゃうような心境ということね」

唯里「う……うう……」

志緒「すまないが、それはマジでやめてくれ。なんていうか、胸が痛い」

霧葉「さすがに触れてはいけない話題だったようね。申し訳ないことをしてしまったわ」

【Aパート5 調理室】

唯里「えーと、それでは気を取り直して……暁凪沙ちゃんが登場したわけですけども」

霧葉「この子、いつも死んでるわよね」

志緒「作中時間で約一カ月ぶり三度目だな」

唯里「死んでないから! 一度目も二度目も死んでないから! 死にそうになっただけでギリギリ生きてたから!」

志緒「それはさておき、どうしてこの子はキッチンカウンターにメッセージを残してたんだ?」

唯里「寝ぼけてたってことじゃないの? オムライスの上に文字を書く夢を見ていたとか……」

霧葉「……甘いわね、羽波唯里。私にはすべてわかっているわ」

唯里「え?」

霧葉「暁凪沙がキッチンカウンターにケチャップをぶちまけた理由……! それはケチャップに含まれている有機酸が、ステンレス製品の汚れ落としに効果的だからよ!」

志緒「な、なんだって……!? そうか、つまり暁凪沙は寝ぼけていたわけではなく、キッチンの掃除をするついでにケチャップで文字を書く練習を…!」

唯里「や、そんなおばあちゃんの知恵袋みたいな知識で勝ち誇られても……どう見ても普通に寝落ちしてたよね……まあいいけど」

【Aパート6 回想・調理室】

霧葉「暁凪沙はチアリーディング部なのよね。雨で制服が濡れてしまったから仕方なく、たまたま持っていたチア部のユニフォームに着替えた、と……一分の隙もない完璧な筋書きね。視聴者に媚びるためにヘソ出しミニスカートを着せているわけではないことが、これで証明されたといっても過言ではないわ」

唯里「うん……いろいろ思うところはあるけど、立場上、わたしもそれは否定しないでおくよ」

志緒「学校に閉じこめられたまま帰れなくなって、食料を校内の畑で調達することにしたのか。映画のお約束なら、そろそろゾンビか殺人鬼あたりが登場する頃合いだな。あとサメとか」

霧葉「どれだけサメ映画推しなのよ、あなた」

唯里「絃神島に住んでる人たちは、そういうの慣れてそうだけどね。サメにもゾンビにも殺人鬼にも」

霧葉「たしかにそうね……どちらかといえば暁古城たちのほうが化け物に近いという話もあるしね」

志緒「それにしても人工島の中学高校に、こんな立派な菜園があるのは少し意外だな。土地も限られてるだろうに」

唯里「逆に学校だから……じゃないのかな。絃神島では生鮮野菜は植物工場みたいな専用の人工島で作ってるらしいから、学校の菜園くらいでしか、実際の畑を見る機会はないだろうし」

霧葉「そんなことよりも問題なのは、魔族特区の学校の園芸部のくせに、まともな野菜を育ててることのほうでしょ。作品の世界観を大事にするなら、もっとマジカルな感じの植物を育てるべきじゃなくて? マンドラゴラとかマンドラゴラとかマンドラゴラとかトリフィドとか」

唯里「いや、そんなの学校で栽培しちゃダメでしょ。収穫するたびに死人が出ちゃうから……」

霧葉「おっと、そんなことを言ってる間に、姫柊雪菜が堆肥まみれになって登場」

唯里「堆肥……って」

志緒「せっかく美味しいシチュエーションなのに、姫柊にはまだ少し照れがあるようだな。メインヒロインならもっと勢いよく顔面から泥に突っこむべきじゃないか?」

唯里「それはメインヒロインの仕事じゃなくて、バラエティタレントのやることだよ……」

霧葉「ここでようやくブルマが登場するわけね。そして隙あらば入浴シーンを突っこんでくるのね。まあ、メインヒロインをいつまでも堆肥まみれにしておくわけにもいかないから、物語的に必然性のあるシチュエーションではあるのだけど」

唯里「そ、そうだね……」

志緒「しかしアスタルテが用意してくれた着替えセットには、下着が含まれてないように見えるのだが、姫柊雪菜の体操服の下はどうなってるんだ? まさかノーパンか?」

霧葉「あら、それなら大丈夫よ。女子のパンツの一枚や二枚、暁古城のパーカーのポケットからすぐに出てくるから」

唯里「いや、出てこないでしょ……出てきたら普通に犯罪だよ」

【Aパート7 調理室】

霧葉「そしてここで、ついに出たわね、煌坂46……!」

唯里「46って…なんかどっかのアイドルグループみたいなことになってるんだけど……」

志緒「ああ、違うんだ、唯里。あのグループの46という数字は、メンバーが46人いるという意味じゃないらしい」

唯里「わかるけど、問題はそこじゃないよね? メンバーもなにも煌坂さんは最初から一人だけだから……!」

志緒「そうだな。煌坂が早く選抜入り出来るように私たちも応援しよう」

唯里「メンバー一人だけなのに、煌坂さん、アンダーだったの!? 煌坂46なのに!?」

霧葉「とまあ、おふざけはここまでにして、どうして煌坂とラ・フォリア・リハヴァインがここにいるのかしら? ストーリー的に若干の不自然さを感じずにはいられないのだけど」

志緒「脱ぎ要員として動員された妃崎だけには、煌坂たちも言われたくないと思うが……」

霧葉「黙りなさい、殺すわよ」

志緒「いきなり素のテンションに戻るのはやめてくれ。恐いから」

唯里「たしかに不自然に思えるかも知れないけど、嵐で飛行機が欠航になってヒマを持て余した王女の気まぐれと思えば納得できるんじゃないかな」

霧葉「そうね……ものすごくありそうなことに思えてきたわ」

唯里「あと実は今回のストーリーに、わりとがっつり絡んでるんだよね、この二人」

霧葉「あらあら。それはまた意外だこと……」

唯里「うん。それについては後半Bパートで」

志緒「どうでもいいが、煌坂が切腹するとかしないとか騒いでるんだから、少しはそっちを気にしてやれよ……二人とも」

(続く)

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