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ムスコとムスメとその仲間達。

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子育て関連エッセイ。ムスコ修士、ムスメ大学一年生まで。
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2021年8月の記事一覧

話してくれるから、離せる。

私の友達が遊びにくる。ムスメには食事の時は一緒に座りなさいと言ってあるので、部屋から出てくる。並んで座ってぺちゃくちゃとしゃべるムスメとワタシの会話をおもしろそうな顔で聞きながら、向かい側の友達が言った。 「おもしろいー、かわいいー」 「表情とかしぐさとかしゃべり方とか、そっくり〜」 「お客様がきた時に、うちの子達がこんなふうに一緒に座って会話するなんて、想像できない」 ついこの前も、水泳クラブの先輩ママに似たようなことを言われたっけ。 「大人相手に物おじせずに普通に話

シカゴ旅行。郊外で育った歩けないムスメ。

スイマーのムスメは水陸両生物なのだけれど、ひたすら散歩で体を鍛えている私から見ると、陸上機能というか、歩く機能がまるでなってない。 郊外に住むと、移動はほとんど車。親が運転しようが本人が運転しようがそんなことは関係ない。まず歩かない。歩く機会がない。水泳の練習へは車で13分。スーパーも薬局も車で5分。モールは高速みたいな道路を車で10分。町の中心まで歩いたら30分、車で5分。歩くわけがない。 車で5分といっても、大通りと裏道では歩ける環境としての違いはあるし、歩道があるか

シカゴ旅行。Lululemon。

16歳のムスメはLululemonが好きだ。水泳で鍛えた体型によく似合っているし、見事に着こなしている。 この町の若者は、私ですら買うのを迷うほど高価なLululemonを中学生の分際で着ている。ムスメが中学生の頃は、ばかをお言いでないよ、お前たちのような育ち盛りの子供が着るようなブランドじゃない、ときっぱり退けた。ムスメは、納得した上で、従順にAddidasやReabokなどのまっすぐスポーツブランドを着ていた。 私の弟が小さい頃まさにそうだったのだが、欲しいものがある

シカゴ旅行。大学探索。

ムスメはこの秋から高校3年生(Junior)になる。大学申請(受験)はJuniorの1年間を通じて準備し、4年生(Senior)の秋に終え、申請方法次第で、結果は早ければクリスマス前に、遅くても3月ごろにはわかるのがアメリカの大学受験。ムスメは看護師志望。YMCA Nationalタイムをもつ彼女は、大学チームで泳ぐことも可能だが、看護師プログラムとの両立がかなり厳しいらしい。 今年の夏は、休暇をかねてシカゴの大学を見に行くことにした。三泊。 ワタシはこの町の人々とあまり

遠くにいても。

いい時代になったとつくづく思うのは、大学に行ったムスコと携帯で気軽にやりとりができる時。 うちには絆創膏(BandAids)が、キッチンと私の部屋のバスルームにある。サイズいろいろ、水に濡れても大丈夫なタイプ("waterproof")、がっちりタイプ("tough strip")と数限りない種類のBandAidの箱が重なっている。 「ねぇ、整理してもらえない?」とムスメに持ちかけた。 「いいよー」 夕食の後、カーペットに散らして、ムスメが整理を始めた。なんだかその光景

ムスコが初給料で買ったもの。

ムスコが通う大学は、co-opというプログラムがうまく機能している。大学2年(Sophomore year)が4月末に終わって、4ヶ月の夏休み(夏学期で凝縮授業を取ることもできる)が始まる。9月に始まる3年生(Junior year)の秋学期か春学期に企業で働き、それが授業を取ったと同じクレジットとなるプログラムである。職業体験、インターンシップと言ったらわかりやすいだろうか。これを卒業までに2回か3回やる。実地で働くからその業界、職種で卒業後に就職したいかを判断できるし、そ

アメリカ高校生の実態。基礎編。

女子男子にかかわらず高校生の実態というのは親には未知な部分が多いし、よくわかってなくて当然だと思ったほうがいい。アメリカは州によっても都市によっても町によっても、いや、個人で違うから、十把一絡げに「アメリカの高校生」と言っては語弊があるのだろうけれど、私は自分の子供を通しての経験から書くしかない。 男女とともに、まず学年の中に「人気グループ(bitchy popular girls/fuck boys)」がいる。学年の中心にいて目立ってる連中のことだ。「人気」といっても、皆

Routine (決まったスケジュール)に慣れすぎると。

毎日決まったスケジュールで暮らすのは心地いい、と思うのはたぶん母親業だからだろう。朝7時過ぎに娘が学校に行く、2時半に帰宅、7時に水泳の練習、迎えに行くのは9時。夕食。それらの合間に私の予定が入る(というか、入れる)。朝ホームジムで運動、友達とのランチ、買い物、医者のアポ、各種業者の出入り。洗濯や片付けは娘が家にいてもいなくてもできる。娘の医者のアポが入ると、行った先の近くで買い物ができないかと考える。普段は遠くて行くのが面倒なお店に寄ってみる。つまり、効率よく行き先を組み合

子育ては勇気をもって。命がけの時もある。

16歳のムスメ。仮免なので、私が同乗しないと運転できない身分である。車幅感覚が未熟なので、助手席に座る私は道路沿いに並ぶ郵便受けや電柱や歩道の乗り上げにぶつかるんじゃないかと、身を固くする。存在しない架空のブレーキを踏みしめる私。窓の上の手すりを握りしめる。ちょと身を硬くすると、そのわずかな気配に気づき「何?!」と怒られる。(泣) こっち側に寄りすぎている、と何度注意したことだろう。その度に素直な"OK"ではなく”It's FINE! I can see it in the