Apostle.CCの今後と後継
Apostle.CCの提供終了予定について
かつて、TRPGのオンラインコンベンションに向けた支援ツールとして、「Apostle.CC」(アポスル・シーツー)というツールをリリースしました。
実運用上の需要などを考えると、「Apostle.CC」では拾いきれていなかった部分がありました。特にエディタ部分はソースコードを見ると多分他の人がドン引きするか笑い出すかするほど、とんでもないベタ打ちが行われています。
また、「Apostle.CC」のBOT部分は、discord.pyを用いて開発をしていたのですが、discord.pyは開発が終了したこと、Discord側のメッセージ入力型BOTの方針変更もあり、今後のアップデートにおいては継続しての利用ができない可能性もある――という事情も出てきました。
そこで、今後の予定として、以下の運用を予定しています。
後継ツール「Dominion.vv」の開発【今ココ】
後継ツールとして、「Dominion.vv」の開発を現在行っています。
使用ライブラリを「discord.js」に変更し、スラッシュコマンドでの処理を行う新BOTに移行します。開発自体はかなり形にできており、あともうちょっと調整をしたうえでBOTのデプロイに成功すれば、おおよそ問題なく運用できるのではないかと予想しています。確認は必要ですけど。
「Dominion.vv」運用テスト期間
私が後援的なポジションとして運営するTRPGオンラインコンベンション「BBT電脳魔宴」には投入を間に合わせるため、おおよそ7~8月ぐらいまでを見込んでいますが、運用テストを行います。
「Apostle.CC」サービス終了
問題なく「Dominion.vv」が運用可能であることが、運用テスト期間を通じて確認出来たら、「Apostle.CC」の提供を終了します。
「Dominion.vv」正式運用開始
併せて、「Dominion.vv」を正式稼働します。
Dominion.vvで新しくできるようになること
後継ツールの「Dominion.vv」は、「Apostle.CC」でできたことはなるべく保ちつつ、便利であるとはわかっていても、当時の自分の技術でできなかったことをなるべく実現できるように開発中です。
なお、「Dominion.vv」は「ドミニオン・ブイツー」と読んでいただければと思います。「vv」はVirtual=World、仮想世界において「コンベンション会場」という一種の「世界」を作り出すためのツールであるという意図を込めての名称としています。
(結局コードギアスネタから離れてない……まあ、悪魔と契約すればルルーシュごっこできるBBTが元ネタのツールなので、多少は……)
移行にあたって、現時点では以下の機能を追加しています。
大きな変更点
BOTのシステム的なロールについて、「運営」「リーダー(GM等)」の他に、新たに「受付待ち」を追加します。手動で受付・ロールの割り振りを行っているイベントにおいて、「受付処理が終わるまで、発言など会場への介入をさせない」ことを目的としたロールであり、このロールは後述する「ラウンジチャンネル」も基本的に閲覧できません。
新たに作成できるカテゴリーチャンネルとして、会場のメイン部分・卓横断的な参加者の交流場所となるカテゴリー「ラウンジチャンネル」を追加しました。
リーダー連絡用のチャンネルも、会場設営時に自動作成できるようになりました。
各卓用のカテゴリー内のチャンネルについて、「@everyoneでも閲覧できるチャンネル」をそれぞれ指定できるようになりました。
『会場に入場してから参加卓を決める』『そのための質疑応答用のチャンネルは、全体に公開されているべきである』という運用が必要なイベント向けの設定です。
BOT側の主な機能変更
BOT入場時に、管理用のチャンネルが自動作成されるようになりました。とはいっても、スラッシュコマンドが運用のメインになるため、他のチャンネルにメッセージが表示されることは、ほぼ無いと言ってよいと思います。
「会場チャンネルの一斉削除」機能がなくなりました。
代わりに、「カテゴリーチャンネルひとつを丸ごと削除」するスラッシュコマンドが追加されています。
「自分のサーバーに何度もユーザーを招待してセッションをする」人向けの仕様として、会場設営を介さずに使える「卓内基本チャンネルの設定」だけを引用してチャンネル一式を作成できるコマンドが追加されます。
自動受付処理を行なうかどうかを、BOTに付与されているロールから判断するようになりました。
自動受付処理を、「自動受付」「手動受付(=「受付待ち」ロールだけを付与)」のどちらか選ぶことができるようになりました。
エディタページで設定を行い、自動受付が従来のモードになります。自動受付を行った後、正しく処理ができた場合、そのユーザーの情報が登録済みのデータから消去されるようになります。個人情報を抱える期間を、可能な限り短くします。
エディタ側の主な機能変更
全体的にかかわる変更
エディタの利用に、「Twitterアカウントとの連携」「Discordアカウントの提示」が必要になりました。
Twitterアカウントの連携ログインで編集が可能になります。これは、ログインしたままにできます。
Discordアカウントは、情報を編集したいサーバーにおいて「サーバー管理」ないし「管理者」の権限を持つか、サーバー所有者でなければ編集ができないようなフラグ確認の目的で提示を毎回求めます。
ロール回り
システムロールとして設定されている「運営」「リーダー」「受付待ち」について、最初からロールの色を設定できるようになりました。なお、色そのものはdiscord.py時代の名称を引用しています。(追加色あり)
全体的なチャンネル回り
チャンネル設定の内訳で、「ラウンジチャンネル」の設定もできるようになりました。
各卓の情報周り
卓情報編集画面のデザインがだいぶ変わりました。
卓を追加する際、A卓, B卓, C卓…というナンバリングであれば、自動で割り当てる機能を追加しました。卓数が多く、また特にナンバリングに凝らないイベントであれば有用かと思います。
卓のカテゴリーチャンネル名を手動で決定する機能を追加しました。
卓情報編集において、卓の参加者登録の仕方を少し変えました。この関係で、GMを2人以上登録することも可能になっています。
テンプレート機能
テンプレート機能を、ログインしたTwitterアカウントに紐づける形で保存するようになりました。
保存する情報が変更されており、「協力者のID一覧」が保存の対象外となりました。個人情報のお預かりを最小限にするための措置ですので、ご理解いただけますと幸いです。
なお、開発終盤になった今になって「この機能生やしてーな…」みたいなことが複数起きており、もう少しお時間をいただくことになるとは思いますが、今月中にはβリリースできるようにしたいと思っています。
そんな感じで、今後もTRPGオンラインコンベンションの開催の「手間を省く」ことができるようなツールは、提供したいと思っています。
これまで、Apostle.CCをご利用いただき、ありがとうございました。
まだ開発中ではあるので、もしご要望がありましたら、この記事のコメントか、私のTwitterアカウントまでお寄せいただけますと幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?