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【024】平たい顔族の風情

最近、楽しみにしていることがある。それは毎週土曜、彼女と湯船に浸かることだ。

※本記事、Hな描写はありません。期待しないように。

つい先月までは、長らくシャワーしか浴びない習慣を続けていた。浴槽の掃除は面倒くさいし、生まれつきのぼせやすい体質なので長風呂が出来ない。となると風呂=コスパが悪いというイメージが根付き、自ずと浴槽に触れることも無くなるワケだ。

そんな、アンチ風呂人生を中学生から先月に至るまで続けていたわけだが、先日彼女宅での泊まり中、ふと「一緒に入ろう」と提案してみた。特に理由はない。本当にただの気まぐれだった。そして普通にお湯を沸かし、のぼせる寸前まで浸かり、風呂上がりに冷水を1杯飲み干して気づく。

「あれ、風呂って気持ちくね?」

衝撃だった。手先、足先がじんわりする感覚。暑苦しい空間から解放された瞬間。体の芯まで温まった所で冷たい液体を流し込んだ後の一呼吸。どれも心地良かったのだ。こんなに素晴らしい体験が家で気軽にできるのに、何故今までやってこなかったんだろう。

いや正直にいうと、昨年も2回ほど風呂に入ってはいた。いたのだが・・・その時は今ほど魅力的な体験ではなかったのだ。

内1回は、コロナ陽性で療養中の時だった。節という々が鈍く痛み、全身を包み込むように汗が吹き出る拷問。何日と地獄が続く中、少しでも回復を早めようと、発汗デトックスなるオカルトにすがり、熱湯に飛び込んだのだった。・・・まぁ意味なかったよね。

他1回は年末に家族で泊まった、伊勢リゾートホテルの大浴場。まぁこっちは楽しかった。内風呂は私でも長く浸かれる丁度いい温度感だったし、露天風呂は熱いながらも外の冷気で中和してくれる心地よさがあった。ただ当時の私は、人生初のリゾートホテル故探索欲に駆られ、風呂は短めに済ませ他の施設を堪能する道を選んだのだった。

改めて上記2件の入浴と、彼女との混浴を振り返ると、やはり入浴時の体験をシェアできたのがハマれた理由の一つと思う。正直、景観やお湯の質を考えると、伊勢の大浴場が最上位だったと思う。でも私は、小さい湯舟で彼女と談笑しながらのぼせていく時間が何よりも幸せだった。

嬉しいことに、彼女もこの風呂体験を気に入ってくれた様で、今は2人の恒例行事となった。というのがここ数週間の出来事だ。中でも楽しみなのが、風呂上がり後に飲む乳製品。入浴直前に、ピルクルや飲むヨーグルトを冷凍庫に移し、火照った体に一気に流し込む。この快感がやめられない。

サウナにハマる人間はこんな気持ちなのだろうか?正直、サウナの良さは全く理解できないが、いつか魅力に気づけたらいいな。少なくとも今は、この湯冷めで十分整う。

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