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ソーンズ、なぜお前はウニだと思われているのか。

『アークナイツ』界隈ではこのイケメンを見て、誰もがウニだと思っている。

誰がどう見てもウニには見えない。

その通り。

実際には「ウニ」か「オニヒトデ」で界隈は真っ二つに割れ、世は戦乱、草木は枯れ、野山は荒れ果て、人は世の理を恨み、治世は混乱の極みに至ってしまっているからだ。

件の彼、ソーンズが発表された当時、Twitterではかなりの割合で「ウニ」であるという認識がされていたように感じられた。
私も「あ~ウニなんだ~☺」ぐらいに思ってた。だがここにきて先ほどの新たな説が浮上している。
それが「オニヒトデ」説だ。

だが私は「どっちが正しいのか」という考察のために筆(キーボード)を取ったわけではない。

「いつ、どのタイミングで「ウニ」説および「オニヒトデ」説が湧き上がってきたのか」という問題を取り上げる。


1.モチーフがウニもしくはオニヒトデだと考えられた仮説

まずウニ呼ばわりに至った経緯について仮説を立てたので聞いてほしい。

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この『アークナイツ』の世界はケモノをモチーフにしたキャラクターが登場する。大体が耳かしっぽにその特徴を持っている。

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こんなかんじ。

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だが見ての通り、ソーンズにはそれがない。
ちょっと髪の毛が外にはねていることと手に変な液体持ってるぐらいだ。
この時点で熟練のドクター(プレイヤーのこと)は海洋生物モチーフであることが今までのキャラクターデザインの傾向から推測できる(らしい)。
しかしなにをモチーフにしているかは見た目からは読み取ることができない。

ここで注目されるのがキャラクターが発動するスキル
このスキルのうち一つがこれだ。

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ウニじゃん。
どう見ても棘で自分の体を守っているし。海の生物で棘ってウニじゃん。
ウニだ。肌も浅黒いし、ウニも黒いし。なんか一緒でしょ。似てるし。ウニ。
てか本家の中国語では「ソーンズ」って「棘刺」だし。もう棘じゃん。ウニです。ウニでした。

もう一つ、注目するべき要素がある。
それは、彼の特性である「毒」だ。
ソーンズは攻撃した相手に一秒ごとにダメージを与える特性を持っている。

はて、毒をもつウニなぞ

fish_ganあええgaze

いた。

ガンガゼは棘に毒を持っている。

もうこいつウニ。ウニ確。ウニ。キャベツ食え。

これが世間が彼を「ウニ」と呼ぶに至った、俺の仮説だ。

では「オニヒトデ」説はどうだろうか。

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いらすとやさんは本当になんでも用意されているので驚く。
オニヒトデはいろんな色味があるっぽいので詳しくはGoogleで画像検索かけてみてほしい。

オニヒトデの英名は「crown-of-thorns starfish
thorns
ソーンズ

名前と完全に一致する。そのうえ毒性の棘も持っている。
ここいらが「オニヒトデ」学派の定説のようだがこれには言っておきたいことがある。

そもそも「thorns」という英単語は「とげ」という意味を持つ。
つまりオニヒトデの英名も「とげ(いばら)の王冠」(おそらくキリストのヤツ)という意味だ。
「Thorns」という単語だけで意味を持っている以上、それと結び付けるには少し強引に見える。

例えば「apple」というキャラクターがいたとして
pineappleのappleだからパイナップルがモチーフだ!ってレベルの強引さに見える。
素直に「りんごでは?」と思ってしまう。

ここだけ見ると、この学派は意外性こそあれど、少々浅く見える。
しかし「オニヒトデ」学派が有力になってきた背景には以下がある。

(昇進2イラストネタバレ注意)

このゲームは育成が進むとイラストが豪華なものへと変化する。このイラストの背景。星がある。

ソーンズ_Thorns_skin_elite2


既プレイヤーならわかると思うが、この背景に描かれるイメージはキャラクターのモチーフとなっているものが多い。
中国語ではヒトデは海星と書くし英語でもstarfish。つまり☆=ヒトデ

ここから、毒性を持ったヒトデ=「オニヒトデ」説は十二分に有力と言える。

ここで「オニヒトデ」学派に肩入れするとすればさらに1点だけ個人的に思うところがある
このウニスキルの棘の部分

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ここが金色なのだ。
もしウニをモチーフにしていた場合、この棘は金ではなく黒にするのでは?と。この棘はむしろオニヒトデのイメージに近く見える。

以上のように、「ウニ」学派と「オニヒトデ」学派には双方言い分がある、といったところだ。

最初に言ったように、この部分について深入りはしない。どうでもいいからだ。

では原点に立ち返ってみよう。

2.どのタイミングからウニ呼ばわりだったのか

この調査は以下のような条件で行う

調査はTwitterのツイートの日にちを参照する。



以上!!!!!

いろいろ考えてみたが、一番最初に「ウニ」と言われたのがわかりやすいのはTwitterだった。
ということでまずは検索を開始する。

※以下の検索では「ソーンズ ○○」とツイート内に「ソーンズ」が入っているツイートのみを検索します。そのため、ソーンズの画像と「うに」とかは見つけられません。


『アークナイツ』は世界展開されており、日本語版は基本的に英語版と同一のものだ。そのため”グローバル版”と呼ばれている。
このグローバル版におけるソーンズ実装は1月20日まさに昨日。

このウニなのかヒトデなのか不明なイケメンを求めて老若男女問わず歓喜と怨嗟、狂乱の嵐がTwitterを襲ったのは言うまでもない。

だが彼が初めて実装されたのはグローバル版ではない。
本家である中国版(以降は”大陸版”と呼称)である。
ここで実装されたのは2020年8月11日。去年のこと。そしてこの実装の発表は8月6日。

つまり、2020年8月6日以降、最初に「ウニ」と呼ばれたのはいつなのか。これを探す。

検索ワードは「棘刺 ウニ until:2020-08-08
(ちなみに「棘刺」は大陸版でのソーンズのこと)

あった。即発見だ。しかも8月6日。
内容から見ても大陸版での発表時のものだろう。

つまり、初見で「ウニ」と呼ばれている。

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この男、初見で「ウニ」と呼ばれている。

というか8月8日ぐらいになるとかなりの量のツイートがある。一応日本語でも検索をかけてみた。ソーンズ ウニ until:2020-08-08

8月8日、キャベツを食わされてる。

3.どこから「オニヒトデ」説があったのか

では「オニヒトデ」説はいつからだったのか。
なんてことない、これもすぐ見つかった。

ソーンズ オニヒトデ until:2020-08-08


2020年8月7日、なんと発表の翌日。

8月6日の時点ですでに「ウニ」説が強まり始めたところに1日遅れて「オニヒトデ」派が生まれた。
先に紹介した根拠として弱い名前の一致という点ではあるが、確実に「オニヒトデ」派が存在したことはこれで確定した。


a.これまで「オニヒトデ」学派が弱かった理由は?

これも仮説であるが「そもそもオニヒトデが想像しにくい」「ウニ学派の声がデカいから

「イケメンのモチーフがウニのほうが面白いから」

という身もふたもない理由なのではないだろうか。

実際、イラストもキャベツを食ってるソーンズはあってもオニヒトデっぽいソーンズは見かけない。(あったら教えて)


4.世界はどうだったのか

この結果には大笑いした。

Thorns Sea urchin until:2020-08-08 since:2020-08-06
(ちなみに「Sea urchin」はうにのこと)

みんな「ソーンズはハリネズミ」
俺「うに」

「草」とリプ送ってみようかと悩んだぐらい笑った。

これも8月6日。最速でツイートされた内容が「うに」だった。

対してオニヒトデは

Thorns Crown-of-thorns starfish until:2020-08-08 since:2020-08-06
(ちなみに「Crown-of-thorns starfish」はオニヒトデのこと)

意訳:
みんな彼のことウニって言ってるけど星のモチーフ見た感じ、ヒトデじゃね?
実際誰かが「コイツのベースはオニヒトデだ」って言ってたし、その可能性が高いと思う。

8月7日のツイート。そしてここに重要なメッセージがある。

a lot of ppl are thinking he's a sea urchin 

みんな彼のことウニって言ってる

なんとこの男、世界的に見ても初見で「ウニ」だと認識されている。

日本だけだろうなと高をくくっていたが海外でもこの男はウニだったのだ。

海産物、棘……ウニ。
というイメージは全世界共通なのか。



では本家中国語圏のユーザーはどうなのか

中国はTwitterが盛んではないので今回は検索エンジン「Baidu」で発表当日である8月6日に絞って検索をかけてみた。

棘刺 海胆(ソーンズ ウニ)

棘刺 海星(ソーンズ ヒトデ)

結果だけ見るとやはり中国語圏でも彼はウニだった。

棘刺 海胆(ソーンズ ウニ)はヒット数12件
棘刺 海星(ソーンズ ヒトデ)は1件
(この1件はオニヒトデもしくはウニでは?って感じの動画説明文)


検索サイトという形ではあるが、8月6日に絞って検索をかけてここまでヒット数に差が出たのでおそらく中国語圏でも初見ウニ認識で間違いない。

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なんてことはない、コイツは始めからウニだと思われていただけなのだ。


まとめ

結果的にわかったことは
・みんな初見で「ウニ」だと認識している
・海産物+棘=ウニの図式は世界共通?
ということだった。

正直、調べる前はもっとなんかこう……明確な理由があると思っていた。
なにか確証を持って「ウニだ!」と誰かが発言したんだろうと。
なんてことはない、みんなが「ウニっぽくね?」と思ったから彼は「ウニ」になってしまったのだ。

日本人だけが「ウニ」と思っているわけではなく世界が「ウニ」と半ば認めた男だ。
彼はこれからもキャベツをむしゃつくイラストを描かれる運命にある。そうであってほしい。

再度言うが彼が「ウニ」なのか「オニヒトデ」なのかはどうでもいい。
ただ、「ウニ」のほうが面白いのでそれでいいんじゃね?とは思ってる。
クールな褐色イケメンがウニモチーフだったほうがちょっと滑稽で愛嬌あるじゃん。ね?


最近『アークナイツ』の紹介動画を出して死ぬほどバズりました。

俺の人生、一生分ぐらい褒められた動画になったので良かったら見てください。見て楽しかったら他の動画も見てください。

ここまで見ていただき、ありがとうございました。

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