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銀野鈴子の受難

登場するモノ

銀野鈴子:鈴の妖精

駅員帽:駅員帽の妖精

※モノたちはほぼ、我らが名もない星 ラブラブ国に暮らしていています。

銀野鈴(ぎんのすず)は我らが名もない星ラブラブ国、貧民商店街
の片隅で生きていた。
彼女は誰からも膨れた顔しているね、それにその声は気持ち悪いね、
声はかけないで、ガラガラじゃないと、イジメられていた。

鈴は違う街ならば、優しくしてくれる人に出会えるかもしれないと思い、
金座に行ってみた。しかしここでも、あの人、あの顔でよく歩けるわね。
と言われ、街を出た。

そして次に観光地ならば、色々な人が訪れるから自分を受け入れてくれる
人に出会えると思い、ラブラブ国一の観光地である、蜜密神社仏に行った。
けれどもここでも神様も逃げ出す気持ち悪い声だよ、
声かけなければ良かったと、石を投げられた。

可哀想な鈴は最後の望みを託して、一眼国付近にも足を延ばした。
けれどもやっぱりここでも、ガラガラ声しているねと避けられ、
途方に暮れた。

鈴はもう、歩くのにも疲れ果て生きるのが嫌になってしまい
村はずれの底なし淵に飛び込んだ。
この淵は宇宙と繋がっていて、うっかり何かを落としたらもう二度と戻っては来ない。
鈴は宇宙をさ迷い惑星Xのとある駅に舞い落ちた。
鈴を拾い上げた駅員帽は鈴を振ってみて、
あれ、いい音するね。こんなかわいらしい鈴が目印なら、待ち合わせも
楽しくなるし、場所も間違わないねと思い駅に鈴を飾った。

こうしてその駅は銀野鈴駅として親しまれ、有名になった。
けれども50年の歳月が流れ、人々はスマホ片手に待ち合わせするようになり、
誰も待ち合わせ時刻や場所に困らなくなった。そして人々は、鈴?
なにそれ?と言うようになってしまった。
こうして鈴の受難はまた振出しに戻った。

今日の一句
お財布に鈴付けとくと安心だ
詠みモノ
惑星X駅員帽
参考文献
まんが日本昔話
鈴と観音様より
http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=1354


大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!