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そもそもなんで今さらヒーリングっど♡プリキュアについて書いたのかというあとがき

見出し画像は最終回「おいでませ♡ヒーリングガーデン!」より。大なる組織としてビョーゲンズを束ね(結局は個人が君臨する為の道具にしちゃったけど)地球を死の星にしてきたキングビョーゲンをなんとかして浄化したのどか達。そしてしばらくしてアスミ達からヒーリングガーデンへと招待してもらい和気藹々な雰囲気だったのだが突如としてサルローなるヒーリングアニマル(cv.郷田ほづみとキングビョーゲンと同役。まるで初代のシカルプみたいだぁ)から人間もビョーゲンズと同じ地球に仇なす害悪ではないかと苦言を呈されて……いやこんな人間の闇に迫るとか前々年の作品みたいな所あったっけ今作?となり…

・本稿のあとがき

前編後編と分けて書くことになった『ヒーリングっど♡プリキュア』について。自分は基本的に完結した作品についてしか長文では書けない(毎週感想書いてる人すごい)し、ヒープリみたいな放送終了してまだ一年も経ってない作品について書いたのは我ながら珍しい事態になってしまった。それならなんでヒープリ…もとい花寺のどかがダルイゼンを助けなかった事についてを焦点に当てて書いたのか……これについては現実の自分の身に起こってしまった1件がありましてね……

ということでここでは「あとがき」として個人的見解や経験則として書いております。ハッキリ言って自分以外にとっては蛇足になるかもしれないけど、自分にとってはこれでようやっと気持ちに整理がつけられる画竜点睛になるので御一筆することをお許しください。これは自分自身のために……


とまあ辛気くさいのは一旦置いといて、とりあえずまずは後編の方にてアニメージュ2021年3月号より引用した香村純子さんのインタビューのやつ、あれにおいて(中略)した部分があったのだが、今その中略した所を引用しよう

―近年の『プリキュア』では、敵と和解して彼らを救済する結末が続いてきたと思うんです。それは本当にいいことだと思っています。ただ、時にそれが今の世にはびこる女の子への社会的圧力や扱い等と合体すると、それは女の子たちを追い詰めてしまうこともあるかもしれない、と。無意識に「女の子だから優しくしなきゃいけない」という強要にすり替わって、悪いヤツにつけ込まれて酷い目にあったりしないかしらと。―

【出典】アニメージュ2021年3月号70P スタッフインタビューにおける香村純子の返答より引用

ダルイゼンの結末への言及だが無意識に「女の子だから優しくしなきゃいけない」という強要というのはまさに前回おもいっいし記したように彼の仕打ちそのものであろう。とにかく一方的に生命を搾取するだけで、最後の助けを求める声すらのどかの命がどれだけ追い詰められるか認識した上で助けろと要求してきた。これだけやっても彼は悪気なくやってるのでまさに無意識に強要している。ほんと終わってる。

そもそも「女の子だから優しくしなきゃいけない」と生まれ持った宿命かのように求める自体が酷であり、これも前回話したように花寺のどかは過去の経験故に他者を助ける優しさを培われてしまった少女なのだ。確かに香村さんは「ヒーローに“なってしまった”」キャラを主人公にしがちであるのは事実、しかしそんな自己犠牲の危険伴う重き荷をプリキュアという普通の女の子が抱えるというのは本人が心から想い行動するならともかく、聖母や女神のように無条件で助けるというのは違うとオールスターズメモリーズの頃からしっかりと明記している。それゆえに彼は…インタビューで同じように言及されたように(和解や救済における)「線引き」において一線を越えてしまったのだ。哀れなことに自分自身でその過ちに気付かないまま。そして当然のように拒絶された。ただ、それだけのことであるように。


そしてこの「女の子だから優しくしなきゃいけない」なる社会的圧力の例。本来自分はそんな社会性だのをアニメで擦ってくるのは洒落臭いというか冷や水をぶっかけられるみたいで嫌気がさすのだが、むしろこの「〜しなきゃいけない」というの無意識な強要というの自体が昨今のプリキュアシリーズにまとわりつく社会性だの持て囃す方々がそんな風になってしまってるのではないかと内心危惧してる
そういう声が大きくなった『HUGっと!プリキュア』においてジェンダーフリーの象徴みたいに扱われた若宮アンリは内心はその女性らしさが男性である自分の成長によって失われる事実のせいで斜に構えている描写があったし、その翌年の『スター☆トゥインクルプリキュア』でもメキシコ人との混血で肌の色が他の日本人と違う天宮えれながいくら他人と違うのは素晴らしいと謳っても決して違いが埋まらない事実を見せつけられるし、そのように製作側は「ただの良い話だけではない」と扱ってるのに周囲のやれ多様性だの持て囃すどこから沸いたか分からんライターはそこまで見ずに、さも表面の善の部分だけ掬い取り自身の目指す理想への代弁へと用いるように喧伝している。いわば「都合よく利用」しているように個人的に感じてしまった。あくまで個人の見解だけど

だからこそ前半の方で説明したように今作では世間的に要求されるだろう“正しさ”よりも自分自身で心から想った故に行動してる作品だと記したかったのだ。そしてそれは上にある「〜しなきゃいけない」という他者からの強要ではなく、自分自身の選択として行ってるように。時にそれが失敗する時があったとしても。


そしてこの「女の子だから優しくしなきゃいけない」という無意識な強要についてだが………哀しいことにその象徴として出されたダルイゼンのような人間は現実にも存在する。事実、自分がそのようなダルイゼンがしてきたような一方的な搾取を個人によって強要されそうになったからだ。確かに自分は成人男性なのでインタビューにて想定される女の子なんかではない、しかしそうでなくても仕打ちを受けてしまったのだ。それこそのどかが心の底から無理と思ったくらいの最低最悪の人物のせいで。

本当は不幸自慢なんて好きじゃないが、自分自身の忌まわしき過去に決着をつけるために言われてもらう。
詳細は言わないが「自分に対して心を傷つけるような裏切り行為をしてきた癖に、その裏切った先で酷い目に遭ったから助けてほしいと自分にすがり大金を要求し(そもそもウン十万の借金あるのずっと隠してた)、さらにさらにそちらの都合のいい幸せのために自分の未来を永続的に奪おうと目論んでいた」というのがあった。そしてそれらのような咎を別に自分を騙すような悪意でなく、終始被害者面でい続けるという無意識なる強要で迫ってきた。完全にダルイゼンのそれである。この一件のせいで自分はそいつが心底嫌になり絶縁した。恐らくそいつは遅かれ早かれ己の愚かさで破滅するだろう。いわば自分も花寺のどかのように「自分自身が体も心も健康に生きられるように害するだけの他者の命を見捨てた」のだ

これについて相手は嘘偽りなく苦しんで心の底から助けを求めていたのは事実だし、そんなのを見捨てたなどになれば残酷だの苛烈だのと第三者に倫理などの“正しさ”とかの非で責められるかもしれない。それでも本当に“無理”だった。他人のことをどう思ってようが見向きもしなかった奴だ、この件を許しても違う件で一方的に搾取しようとするだろう。もはやそんな負の確証が得てしまうほどに積み重ねてしまっていたのだ……本当に、“無理”だったんだ……

だからこそ俺の中で(アニメというフィクション媒体でありながらも)まるで自分が受けたような仕打ちを主人公にしてくるダルイゼンのしてきた罪というのを、文章という形で白日の下に晒さなければならないと思い今回書いたのであった。そこらへんの愚行を無視されて可哀想だの言われるのが自分個人としても釈然としないし癪に障るし。元々ヒープリの総評は書こうかなとは思っていたが、元来はすあまだの燃えよビーバレだの人妻にうつつを抜かすニャトランだのおっさんみたいな顔して泣く赤ちゃんみたいに泣きながらシューティングゲームのボスじみて∞の軌道を描きつつ浮くペギタンとか愉快なものにしようとしていた。でもそれよりも優先することがあるという憎しみ含んだ気持ちでこっちが優先になった。案の定すっごく長くなった。ペギタンとニャトラン全然触れずすまん。


あと前回ラストにも書いたように、それとは別にダルイゼン自体はいい敵だとも思うんです。フィクションと現実を混合させてはならないので。道徳に反して倒される教訓的とかではなく、単に自分がカワリーノさんや館長みたいに己の積み重ねた業が跳ね返って惨めに死んで逝く敵が好きなので。『侍戦隊シンケンジャー』の腑破十臓とかイメージすると分かる人には分かると思う。あれも彼が外道として積み重ねた存在意義をグシャグシャに踏み潰すいい最期だった。見てない人いるならほんといい作品ですよシンケンジャー。あと仮面ライダーウィザードのグレムリンもあれ最悪でたまらな……おっと話が脱線しそうに。とにかくダルイゼンはそういう最悪な部分も彼というキャラクターにおける魅力だと思うのよ。現実にいたら本当に嫌だし本当にいるし嫌だったが。


このように「人間だってビョーゲンズみたいな害悪は存在する」という事実を書いたので、最後はやっぱり『ヒーリングっど♡プリキュア』最終回「おいでませ♡ヒーリングガーデン」での1幕で締めさせていただきましょう。あくまでヒープリの話なんだし俺個人の経験なんかで終わらせちゃあ……



「自然を破壊し、動物の命を奪う…ある程度は生きるために必要なことだ。それが人間ってものの進化でもあるだろう」
「だが限度ってものがある。ビョーゲンズだって進化の果てがキングビョーゲンだ……俺に言わせりゃヒーリングアニマルは人間だって浄化していくべきなんだ。この地球(ほし)のためにな」

 アビシニアコロブスなる動物に似たヒーリングアニマルのサルローは「人間だってキングビョーゲンのように“自分のため”にで他の生命を一方的に殺すような生物へと最終的に進化しうる」と危惧し、ビョーゲンズのように浄化(ぶっちゃけ“駆除”である)すべき害悪ではないかと疑問を投げかける。確かにキングの虫のいい戯言の一部とはいえビョーゲンズも命の一種であるのは事実で、彼らは他者の生命を脅かすだけの存在だったから地球の生命を護るために浄化された。それならばビョーゲンズと同じように人間も地球の命を滅ぼす害悪と見做されたら……?彼女たちプリキュアはネオ・キングビョーゲンに対し“自分たちが生きるため”にという敵が掲げた理念そっくりそのままお返しするようにして倒した。ならばその理念を再び自らが受け粛清される可能性も……

人間が便利に暮らすために空気や海を汚し、そのせいで野生の生物が死ぬことだってある。人間が必ずしも善の生き物なんかではない……と突如思い出したかのように語るのどかたち。そりゃ人間自らがやらかし破滅へと導かれそうになった作品というのはプリキュアシリーズにも存在するがヒープリってそんな話だったっけ!?と思うみなさんは多いはず。なぜなら………


「サルロー、貴方の言うことも分かるわ。私もいざという時が来たら人間を浄化する覚悟はあります」
「でも、人間に深く関わった者として言わせてもらうと、人間には未来を変える力もあると信じたいの…」

数千年前のキングビョーゲンによる地球侵略を先代キュアアース・フウと共に退けてきたテアティーヌが知ってるように、そして我々視聴者が一年かけて見てきたように人間誰しも自分のことしか考えず他者を搾取する(それこそ自分が会ってしまった)愚か者って訳じゃない、それこそすこやか市のみなさんやプリキュアの家族のように互いに支え合う心優しい人達やだって存在する。そしてヒーリングアニマルと手を取り合ってそんな大切な人々を守り抜いたプリキュアも……唐突なサルローの小突きは今の所この世界においてはまだ早い杞憂であろう。

最終回においてのどか達がヒーリングガーデンへの土産に名産品すこやかまんじゅうを持ってきたのだが、その中に紛れ込んでいた野生のナノビョーゲンがメガビョーゲン化してしまった。人間である自分達が(故意でないにしろ)事故を発生させてしまったように誰もが完全なる解答を出せる訳ない……テラビョーゲン同時襲撃の際にトリアージを彷彿させた攻略で突破しようとするも想定外の結果を引き起こしたように、ひなたの決意こもった提案であろうともグアイワルの策略にまんまと引っかかって大ピンチに陥るように。それでも……

「じゃあどうしたからいいとか今はまだ分からないけど…それでも私達にできる地球のお手当てを考えていきます」
時に未熟故に失敗してしまうこともある、それでも大切な命が住む地球を護るために等身大の女子中学生という今の自分ができる限りでもいいからがんばっていきたい、一年かけてそれを示したきたようにこれからも続けていきたい。ここ最近のプリキュアはラストが大人になって終わっていた。それも物語に沿い辿り着いた結末なので素晴らしいが、今作は久々にそういう描写は無く幕を閉じた。彼女たちにはそれでいい。今できることを、心から想った気持ちを精一杯やる。それがいいのだから…


ということでこれにて『ヒーリングっど♡プリキュア』については終わり!今は今日も元気な彼女たちに任せて……ん?


・オマケという本質

そんな『ヒーリングっど♡プリキュア』がなんと本日9月24日からdアニメストアにて配信開始だ!放送終了してから一年待たずサブスク化だなんて異例の早さ!(実はU-NEXTで既に配信されてたけどあっち月額1990円(税抜)とプリキュアだけ見るとなるとハードル高いし…)

「プリキュア見るならdアニメストア」というのは一部の人たちにはおなじみであろう。なんてったって月額400円(税抜)でテレビシリーズ全過去作品を見れちゃうし映画のラインナップもこの記事当時でもミラクルユニバースまで網羅。さらに最近になってフルHD対応になったから今までSD画質で我慢しなければいけなかった初代〜ハートキャッチもこれからは高画質で見れるように。やったね!その中にヒープリも放送終了して7ヶ月ちょいで追加されたのだ。自分みたいに2周目して新しい発見があるかもしれないし是非ともやってみてはどうだろうか?

ということで長くなってしまった『ヒーリングっど♡プリキュア』についても一旦は終わり。今度は違う作品について書こうと思っております。それでは!!

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