私が楽天をやめたわけ
退職エントリです。
「このままいても、そのまま楽に働き続けられますよね」
といわれるほどだった17年と1ヶ月お世話になった会社をやめました。
2社目の会社です。
終盤は大変快適で、毎日コーヒー飲みながらインターネットしてたら1日が終わっていく感じでした(ちょっと誇張)。
知っている人は知っていると思いますが、私は新卒で入った人達に、「私がコーヒー飲んで新聞読んでると一日が終わる、会社生活を送れるようにしてくれ!」という話をしていました。
これは、「楽がしたい」というわけではなく、私がそういう動きができるということは、適正な権限委譲ができていて、働く人が自ら考えることができていてそれが大体正しい。という状況に組織全体がなっているということが必達の条件です。
それは、「そのために私はみんなを教育するし、道をただすことをやめない」という決意表明と同じでもあります。
大体、育つと新たな挑戦をしたり、プロジェクトにアサインされて遠くにいったりするので、終わりのない組織作りをやってた、というのがあるあるで、マネージャーの仕事なんだなぁと思います。
それが、ここ1年ほど、冒頭に書いたようなことになってて。
「あれ、実現できてるんじゃないか?」という状態になってきてたわけです。
私がここでやろうとしていたことはだいぶ達成できたなぁ、という実感です。
別に成功者になった、ということではありません。
七転八倒しながらも、なんとなくぼんやり「ああ、もしかしたらできたのかな」って感じです。それは、私の力ではなく組織の力がついたということであり、全員の努力が実ってきた状態ということです。(まだ、心配な要素はいくつかあるっちゃあるんですが)
この状態に気づいた時が今までやってきたことが、自分のこれからの人生を考えるきっかけになりました。
前提条件として、私はアラフィフなバツ1女性犬つきローン有、ぼちぼちもらってる管理職。というこれから女性の就業率の関係からも出てきそうなデモグラです。この道をたどる人は多いでしょう。
自分の働く環境を考えると、
1.20年1つの会社にいることが決して評価されない社会
T芝 S-プさんなどの事例を見る限り、働きつづけててきたこと、
というのは決して手放しで評価されるものではない
2.「マネジメントスキル」の客観的証明の難しさ
難易度の設定が難しいため、客観的にどこまでできるかを図る
のが難しい。規模ではなく質だったりするし、「手に職感」的にも
証明するのが難しいと思う
3.現職・現業種の今後
今の会社があと何年あるのか、今自分の担当業務があと何年あるのか。
その時に自分は必要とされるのか
を考えた時に、ものすごい不安に陥りました。
役員を目指す器でもないし、かといって能力的にはどんどん若手が迫ってくる。いつも「衰えていないか」を考えなければならないし、万が一会社が方向転換をしようとしたとき、自社の主軸から離れた業務分野を担当している自分としてはおそらく真っ先にリストラ対象になるでしょう。
自分のポジションは切りやすい、のです。
そう気づいた時が転職を決意したとき。でした。
ちょっと話が一旦横道にそれる感じがするかもしれませんが、年金受給年齢を考えて見ましょう。
65歳。まあでも大体母親を見ていると70歳ぐらいまでは何かしら働くことになると思っています。
前の会社が8年とちょっと。今の会社が17年とちょっと。ちょうど25年とちょっと働いてきました。だいぶ働いたつもりでしたが、50年分の25年。ちょうど折り返し地点です。
蛇足ながら、前も一回半分って時があったんですが、年金受給が60歳から伸びまして。半分にならなくなってしまったというオチがありますw
残り半分の社会人人生があったら、もう一度ぐらいチャレンジできるだろう!という強い思いがありました。
これからITもメディアも淘汰が進みます。伸びる分野と縮小する分野で大きく差が出てきます。少なくとも弊社は潮流に乗れている分野と乗れていない分野があり、私はどちらかといわれると乗れていない分野の担当です。
※お前が何とかしなかったのか、という突っ込みはとりあえず…
これはこれで、別なお話でちゃんと演説してきましたw
もしあと5年後にその状況が詳らかになり、どうにもできない状況に追い込まれたとしたら。50歳を超え、20年以上1つの会社に居たという私が、どのように働いていくのがよいのか、そのために必要なことは何なのか。自分自身に問いかけました。
女性50代独身の転職。
考えただけで恐ろしい。私が採用担当だったら、よほどのスキルセットでなければ採用しません。
だからこそ「このまま意地でも残ればいいじゃないか」という話は大いにあります。かじりついて、部署移動して、なんとか食わせてもらえればいいじゃないかと。
ネットワークもある。信頼してくれるメンバーもいる。育ててきた若手もいる。頼りにしてくれる後輩も、先輩もいて、モノを言うのになんの恐れもそしりもない。
そんな中にいればいいじゃないか。
弊社の中で私の事をそう見てきた人はたくさんいたようです。
今回、転職を告げた時、その選択が取れるはずなのに、取らないのはなぜか、と。言われました。
仕事は波乱万丈(よい意味)、東証一部上場で、ランチは無料。朝食も夕食も無料。オフィスは広く、清潔で快適。社内の開発環境も悪くない。給料もいい。定時で帰れる(弊社はブラックではありません!)し、休みもとれる。ほんの小さな不満に目をつぶっていれば、このまま居られるじゃないかと。
その選択を私は悪いとは思いません。
でも、あと25年。最低でもあと20年。働かなければならない。
その時どうする?上の考えでこのままいられる?
そんなわけない。
外部環境と内部環境。さまざまなリスクを考えた時に、「まだリスクを背負うことができるこのタイミング」での転職を選びました。
たぶん最遅。もう背負えないかもしれないギリギリな感じ。
1.違う会社・違う業種を経験し、自分が多様な業界に適合できることを可能にする
2.マネジメントスキルを環境依存ではなくスキルセットにする
※弊社だからできるということにしない
3.どのぐらいの期間でどの程度の結果を出せるのか自分で今の実力を把握する(特にマネジメント)
です。最低限これができるようになろう!と。
いまだに正解かどうかわかりません。うまくいくイメージもありません。
転職決まってわくわくというより、不安です。
「ここで引いたら負ける」恐怖です。
転職先の会社にでも、転職先で出会うメンバーでもなく、自分自身に負ける恐怖が今は1番です。
マネジメントなんて、ある程度のメソッドを持っていたって、どう適合させるのか、どう組織に寄り添う形にマネジメントの形コントロールするかで100%変わるんですよ。何も材料がない不安感。転職を後悔はしてないけど、不安はいっぱいです。
だから、これを書きました。
この退職エントリは私が退職を決意した経緯を書くのと同時に、自分自身への決意表明でもあります。
自分への呪文のように書いています。
違う意見はあるでしょう。違う見方もあるでしょう。でも私はこの決意で転職を決めました。
これは自分自身へのimprintです。刷り込みですー。催眠術ですw
自分自身がやる、できるとイメージすることが第1歩だと信じています。
イメージできたやつがチャンピオンです!そうメンバーに言い続けてきたことを自分でも実践しなければ!
こんなんじゃうまくいかない!とお思いのそこのあなた!
何をしたらいいか教えてください「こんなスキルあったらいいよ!」とかご指導ください。あ、できれば面着で。呑みながらでも。
未来のために、もう少しだけがんばります。
■御礼
17年と長きにわたり皆様のお世話になりました。
メディアという時代に流されたサービスも、新規サービスも、日本に数少ないスポーツシステムとか、WEBじゃなくてモノの開発も、色々経験させていただきました。労務・人事・労務・刑事・・・色々な人がいました。色々な組織を見ました。色々な色々な・・・本当に幅広く色々経験させてもらいました。何にも動じない心がけが、かなり鍛えられた気がします。
買収される前から嫌いだった会社はやっぱり17年たってもイマイチ好きにはなれませんが、仕事は本当に楽しかったし、組織にも人にも恵まれ、17年間あっというまに経ってしまいました。
本当に、ジェットコースターのように過ぎていきました。
みんなありがとう!
私もみんなに何か残せてるといいんだけど。
最後までお読みいただきありがとうございました!
ここからはおまけのエントリーです。
そもそも50年はたらかなくてもいいように前半の25年を過ごしておけよ!というツッコミですよねー。ほんとマジソレ。
残りの25年を働かずに済むように周到にすごされ、セミリタイア的に悠悠自適な人生を送られている方は実際いらっしゃいますしねぇ。
インターネットバブル期に時流をつかんだサービスを立ち上げた創業メンバーとか。
でも彼らはその時流をつかむために何かしらの努力(勉強なのか、人脈なのか、忍耐なのか、経験なのか)をしているわけで。棚ボタなものは何一つないわけですよ。
ですので、今の若い方には、何歳まで働いて何歳まで自分が生きるとして、いくら用意し、どのスキルでどのように食っていくかというのを考えて準備するというのを、オススメするわけです。まあ、オススメぐらいなんでどう生きるかは勝手です。他のモノに優先順位が高くなっちゃうお年頃ですしねw
無計画も若者の特権であります(リカバーは難しいけど)
将来的なコスパを考えると節制というか、自分自身の生き方に統制をかけていかねばらないんですよ。
それって「楽しくない」ですよね。
「今」の楽しくなさが、「若い時代を楽しむか」「自分の能力が落ちて着たときに楽に生きるかるか」の検討に薄い膜を張って冷静に検討しにくくさせてますよね。だって、今楽しくなかったら、絶対将来楽しいかなんて誰も保障してくれないし。そこに賭けるぐらいなら、今を楽しみますよね。
私も前者でしたので、よくわかります。
考えられるなら考えたほうがいい。
でも先送りにしちゃったなら、どこかで考えればいい。
そんなことを思いました。まる。
画像及びヘッダ画像は
ぱくたそ(www.pakutaso.com)さんよりお借りしました。
どうしても気になった脱稿漏れだけ訂正しましたw(9月30日)
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