オーナーチェンジのファミリー区分を割安に購入して、退去後に実需向けに高額転売する手法について【自分用メモ】


オーナーチェンジのファミリー区分を割安に買って退去後に実需向けに売却する手法について、現時点でわかったことをまとめておく。
  
  

・ファミリー区分は、実需に売ることで利益が最大化する。それは実需層は住宅ローン(低金利・緩い審査)を利用して購入してくれるから。

・出口を実需向けに設定する以上、ワンルーム区分ではなくファミリー区分が投資対象となる。

・OC(オーナーチェンジ)物件は入居者がいるため実需層への即時転売ができない。よって買取再販業者にとっては参入しづらい領域となり、個人投資家の参入余地がある領域である

※上場企業のスターマイカはその限りでない。同社はOC区分を仕入れて退去後にリフォームして販売するというビジネスモデルを首都圏・関西圏で展開している。同社との競合を避けたければ札幌・仙台・名古屋・福岡がよいと思われる

・利回りから逆算して値付けがなされるため、実需向けの区分よりも割安であることが多い。

・さまざまな理由によって、相場よりも安い賃料で入居している場合がある。利回りから逆算する以上、この場合はさらなるディスカウントが見込める(ただし、それだけ保有中のCFは出づらくなる)。

以上は、OC区分転売スキームの収益面での優位性。

その他のメリットとしては、ファミリー区分は単身物件に比べて入退去サイクルが長いため、手間が単身物件よりもかからない(退去時期が見通せないことは売却を考えるとデメリットでもある)ことと、OCのためにすぐに家賃収入が入ってくること、が挙げられる。

一方でデメリットとしては、退去時期が見通せないこと。CFが出づらいこと。区分は担保評価が低くなりやすいこと。拡大スピードが遅いこと等が考えられる。ただし、CFが出づらいこと以外は、短期でのリタイアを目指しているわけではない者にとってはそれほどのデメリットではないように思える。

こうしたことから本スキームは、短期目線で、将来に一棟物投資に進むための種銭作りとして取り組むのが良いだろうと考えられる。


築古戸建投資との対比

筆者はかつて、築古戸建×セルフリフォームの手法を実践したことがあるが、保有中のストレスがかなり大きかった。その最大の要因は、本来はこの手法で肝であるはずのセルフリフォームが、かえって大きな機会損失を生んでしまうことである。
筆者は築古戸建を購入後、休日を返上して可能な限りの労働力を投入したにもかかわらず、半年経った時点でのリフォーム完成度は5割にも満たなかった。明らかな機会損失であり、それならば初めから外注して入居を急いだ方が良かったと反省している。これはセルフリフォームという手法自体が悪いというよりも、かなり人を選ぶ手法であり、もっと言えば時間や資金にある程度余裕のある中級者以上向けの手法であったということである。
また、短期で売却したことも相まって最終的な利益は思っていたよりも随分すくなかった。保有期間は1年半ほどだったが、セルフリフォームに時間がかかりすぎたために入居期間は更に短く、たとえオーナーチェンジと同じ保有期間であっても、収支が全く異なる点も強調しておきたい。
また、外壁や屋根(雨漏り)、シロアリ(床下)、駐車場(前面道路)など、築古戸建には改善するのにそれなりの費用と手間がかかる項目がいくつもあった。それらの瑕疵について、賃貸でならそのままでも目を瞑ってもらえるかもしれないが、築古戸建をバリューアップさせて実需層に売却しようするならば専門家による点検&修繕&保証を施すことはマストである。

一方、コンクリートスラブに囲まれた専有部内のみを取り扱う区分マンションにはそのような懸念があまりない。(配管の取り替えくらい?ではないかと思うが、実需層でそこまで目を光らせている人がどれだけいる?)
ただし区分には、代わりに管理費・修繕積立金があるから大きな負担であるという意見もあるだろう。だが、それでも区分の方がマシではないかと筆者は考える。それは1点目には、自分でやるか管理組合がやるかの違いでしかないこと。だったら(健全に運営されていることが前提となるが)管理組合に任せる方がいい。2点目には短期での売却を想定するならば、管理費・修繕積立金の実質的な負担は大きくないため。なぜなら、それらの費用を永続的に負担していくのは住宅ローンで購入する実需層だからである。


短期保有であれば管理費・修繕積立金が高くても構わない?

これは筆者も最近気が付いたことで、言っている人もあんまり見かけない真理だが、利回りや金利というものは「売って良し」の物件においては重要な指標ではない。先の場合で言うと、修繕積立金が大きいというのは、まさに利回りが低い&金利が高い状態と同じことであるが、買った時点で含み益を抱えていて売却することによって利益が出るのであれば、それほどのデメリットではないことが理解できる。修繕積立金が高いことによって買い手(投資家)から敬遠されるとするならば、さらに買い叩くチャンスでさえある。

以上を総合すると、この手法は、当面はサラリーマンを続けていきたいと考えていて、時間を味方につけることを厭わない者にとってはかなり有効な手法だと言えそう。例えば、現在20代で、本業収入もまだまだ上昇させていきたい若者にとっては、ひとまずはこうした手法を何度か実践することによってまとまった自己資金を築きつつ本業に専念し、然るべき後(本業収入も上昇してきた頃)に融資拡大作戦に舵を切ることは有力な戦略であろう。

ただし、実践にあたっては「保有中のCFが出づらいこと」を何とかして解消or軽減できる策を講じる必要がある。これについては別の機会に考えてみたい。




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