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秘密基地のお話

ツバメたちについて行くとその扉は見つかります
長い間誰も開けようとしなかったので上のほうは蔦で隠れているし、もちろん鍵がかかっています
でも郵便受けより下のほう、そこにはもうひとつ扉があって、それに鍵穴はありません

取手は扉と同じ色なので遠くからは目立たないせいかもしれないし、猫以外は膝を抱えないと通れない大きさのせいかもしれません
いずれにせよ扉の向こうには小さなかわいいお部屋がありました

本棚の1段目には船、2段目には貝殻とヨットが一緒に飾ってあるし、小さな窓からは大きな木が見えます
その窓辺のテーブルの紅茶缶のとなりに万華鏡が置いてあってね
それは筒の中も外もお花でいっぱい
お庭で摘んだのかな
鏡のお部屋の中のお花たちがふしぎにやさしい様子を見せてくれました
(この世界にはすてきなことを思いつく人がたくさんいますね)
そのあときれいな箱の上に置いてあった花冠を被ってみると、まるで時間が止まったようでした

控えめに言ってもとてもすてきな場所
あまりにたくさんの物語で溢れているので、ここで本を読むのはもったいない
それなら明日はペンと便箋を持ってきてお手紙を書こう、と思うかもしれません
そしたら甘いお茶が必要です
そして自分だけの秘密基地にしてもいいし、誰かに話してもいい
どちらでも自由なのです

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