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インド旅行記8 聖地ガンゴートリ

前回の記事では
リシケシュから2泊3日でガンゴートリ往復の旅を始め
ウッタルカシで一泊したところまでを書きました。

今回はウッタルカシ→ガンゴートリ→ウッタルカシ
というガンゴートリ日帰りです。だいたい10時間は車に乗る算段。

さて、どんな旅になったのやら。まずは動画でどうぞ。補足は後で。



そんなわけで悪天候に追われながらも
歩いている時に雨に直接振られることは無く
なんとか回避できたガンゴートリへの旅でした。

ここからは色々と動画の内容について補足で触れていきます。
素人知識なので細かい点は間違いなどあるかもしれませんので参考程度に。

・カーリー

動画の1:40頃に出てきたカーリー像。
ヒンドゥー教の女神で暗黒、破壊、殺戮、時間の神だとか。
なかなかにすさまじい存在ですね。
シヴァの神妃の凶暴な面だとも言われているとか。

ちなみに「近づき難い者」である戦闘の女神「ドゥルガー(Durga)」とも同一視されていたような、でも別神格だったような。あやふや。
東京クレイジーパラダイスという少女漫画で、巨大なヤクザ組織の組長の奥さんが畏敬の念を込めて呼ばれるのがこの「ドゥルガー」だったりします。

で、ですね。
動画でカーリーが敵の首を刈った像が映っているわけですが
よく見て頂くと、このカーリーの足元に踏んづけられてる人がいるのが分かりますでしょうか。
倒した相手を踏んづけているわけではないです。踏まれている方は首ありますから。

これ実はヒンドゥー教最高神の一体、かの有名なシヴァ神です。(宗派によって微妙に違いがあるようで断定しづらいところではありますが、往々にしてヒンドゥー教を代表する存在といって過言は無いでしょう)

もう少しざっくり言えば上述の通りカーリーの旦那さんですね。
カーリーは戦闘の女神だけあって非常に強く戦いを好むのですが
勝利した後で踊り出すと、そのあまりの激しさに大地が砕けてしまいそうになるほどだったとか。
そこでシヴァは自分が身を投げ出して、カーリーが大地を破壊してしまわないようにしたんだそうで…

思えばデヴプラヤグ編でガンガー(ガンジス川神話)について触れましたが
あの時もシヴァはガンガーが地上に降臨する時に
そのあまりの激しさに世界が壊れてしまわないように髪の毛で包み
そっとヒマラヤに下ろしたと言われてました。
今回は暴れるカーリーの衝撃を吸収するためにその身を差し出し…
シヴァ神はかなり苦労者で優しい御方のようです。

・ガネーシャ

動画の同じ建物でカーリーの直前に出てきます。
象さんの神様として日本でもよく知られている存在ではないでしょうか。
障害を取り除き富を与える非常にありがたい神様。
日本だと「夢を叶えるゾウ」と言われることもありますね。

実はシヴァ神(と女神パールヴァティー)のお子さんと言われています。

ちなみにこのパールヴァティーは
あのガンガーの姉で、ヒマラヤの山神の娘。
といいつつ、実はこのパールヴァティー(の一面)が上述のカーリーと同一(別の面)であるという説もあるようです。

ガンガー(ガンジス川)とも関係があるだなんて、色々と繋がってきます。
自然への敬意や畏怖が感じられて
人類の歴史と自然との関係について色々考えさせられますね。

ちなみになぜガネーシャが象さんなのか、というのにも色々な説がありますがなかなか衝撃的な話なので、これ以上はご自身でお調べください。


・シヴァ

シヴァについて私のような素人が触れると、ツッコミ入れられまくりそうなのであまり触れません。

ただ、上述のパールヴァティー(カーリー)の話にもあるように
ヒンドゥー教の神神は様々な側面を持っているケースが多く
優しく恩恵を与えてくれるかと思えば、怒らせるととんでもなく怖い、という面も。シヴァも同様です。
これぞ自然と人類の関係という感じで、山や川や海、大地の恵みに感謝しつつ、時に恐ろしさも思い知らされる日本人としては非常に腑に落ちます。

日本でもなじみのあるシヴァ神ですが
七福神の一柱の大黒天、いわゆる大黒さんの元になったという説が有名。
打ち出の小づちと米俵がトレードマークで、財産や食事を与えて下さるありがたい神様でしょうか。ニコニコ笑顔で恰幅の良いイメージですね。

ところが一説では恐ろしい表情と炎がイメージの不動明王
いわゆるお不動さんの元になったのもシヴァ伸だという説も。

人々に恩寵を与える最高神であり
同時に破壊の神でもあるシヴァ神の二面性と一致しますね。

・ハシル

さて、ガンゴートリに向かう途中のおススメ休息ポイント
チベット文化の影響が強いハシルという町も動画に出てきました。

実はこの町の名前も、調べてみるとちょっと神話めいた話がありました。

昔々、バギラティ川とその支流であるジャランダリ川が
揉めていたところ(ざっくり)最高神の一柱であるヴィシュヌ神が
大きな石「シラ」に姿を変えて二人の流れ(怒り?)を受け止めた。

ヴィシュヌ神は別名「ハリ」とも呼ばれるので
「ハリシラ」→「ハシル」となった。
ガンゴートリの流れで観たように、ここいらの川は山間を流れる激流ですが、実際ハシル付近以降は、川の流れは激しさを落ち着かせている、とのこと。


そんなわけで、知れば知るほど奥が深いインドです。

さて、強行軍的にガンゴートリ往復を行いウッタルカシに戻ってきました。

翌日はウッタルカシから、ようやく生活拠点としてお借りしている
リシケシュのジャングルハウスにようやく戻れます!

しかしその前に思わぬ寄り道が……お楽しみに。