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ラプラス逆変換における推移則の応用

平成23年度 電験一種 一次試験 理論科目問4
ラプラス変換を用いた過渡現象の解法に関する計算問題 (4)

【質問内容】
(4)の最後の詰めの部分で$${I(s)}$$を求めた後にラプラス逆変換するところで詰まってしまいました。

具体的には$${\dfrac{1}{s+\frac{R}{L}}e^{-as}}$$を逆ラプラス変換して$${e^{-\frac{R}{L}(t-a)}u(t-a)}$$としているところなのですが……これはどうやって計算しているのでしょうか?

問題文で与えられているラプラス変換の関係式を単位ステップ関数について用いてみると
$${u(t-a)→\dfrac{1}{s}e^{-as}}$$
$${u(t)e^{-bt}→\dfrac{1}{s+b}}$$
となるのでこの2つを組み合わせて
$${u(t-a)e^{-bt}→\dfrac{1}{s+b}e^{-a(s+b)}}$$
$${b=\dfrac{R}{L}}$$とすると

$${u(t-a)e^{-\frac{R}{L}t}→\dfrac{1}{s+\frac{R}{L}}e^{-a(s+\frac{R}{L})}=\dfrac{1}{s+\frac{R}{L}}e^{-as}e^{-\frac{aR}{L}}}$$

ここでラプラス変換は定数倍の分離ができるので

$${∴u(t-a)e^{-\frac{R}{L}t}e^{\frac{aR}{L}}→\dfrac{1}{s+\frac{R}{L}}e^{-as}}$$

$${∴u(t-a)e^{-\frac{R}{L}(t-a)}→\dfrac{1}{s+\frac{R}{L}}e^{-as}}$$



等と考えてはみたのですが……

明らかに結果から逆算して無理矢理式をこねくり回しているので実用的でなくそもそも何かが致命的に間違っている気がしてなりません

お手数ですが正しい計算方法と考え方をご教授いただけると幸いです
よろしくお願いします。

ご質問

ということで今回は、ラプラス変換・逆変換の基本法則についての解説となります。
該当する電験王のページはこちらです。

さて、今回の問題はラプラス変換を用いた過渡現象の解析です。その計算途中に、

$${\dfrac{1}{s+\frac{R}{L}}e^{-as}}$$

という項が現れ、これをラプラス逆変換しようということになったとき、どういう計算をするのが正しいのかというご質問です。

まず、題意で与えられている変換式の確認をしましょう。

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