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燧ヶ岳、熊沢田代を彩るキンコウカ

尾瀬御池から燧ヶ岳を目指す登山道の途中に、広沢田代(標高1756m)と熊沢田代(標高1954m)がある。
7月後半になると、風に揺れるワタスゲの白い穂に代わり、キンコウカ(金光花)の群生が金色に光る花を咲かせ湿原を彩る。

御池から2時間弱で熊沢田代を望む場所に着く。御池からの標高差440m、二つの池塘の間を木道が続く美しい光景に出会う。遠くから見る湿原は、キンコウカの花で黄色に染まっている。
黄色い花に囲まれた木道を行く。古びた木道にも趣がある。

キンコウカは花茎に黄色の小花をたくさん咲かせる。細い花被片が星形になり、花糸の先端には橙色の葯が付いている。

オオマルハナバチは橙色の葯にある花粉を集め、鮮やかな橙色の花粉団子を後ろ脚に付けている。
セイヨウミツバチも花粉を集めていた。野生化はないとされているが、この湿原では繁殖しているのかもしれない。
ミツバチが訪れたキンコウカの横に、サワラン(アサヒラン)が咲いていた。雪迎えの里・白竜湖の泥炭地にもかつて咲いていた花だ。尾瀬の高層湿原と同じような自然が白竜湖の周辺にも残っていたことは忘れられない。
キンコウカの細い葉が花の美しさを引き立てる。キンコウカが群生する「アヤメ平」(尾瀬ヶ原の南側にある湿原)は、その細い葉をアヤメの葉に見立てた名称とされている。
池塘の周りにもキンコウカが咲く。
モウセンゴケ(毛氈苔)は敷きつめた毛氈のようだ。
アキ・アカネちゃん、そこは食虫植物だョ!
熊沢田代の池塘に霧が降りてきた。刻々と変わる印象、山の魅力は尽きない。


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