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ゾウムシが飛んだ

ゾウムシ(象虫、象鼻虫)は、ゾウの鼻を思わせる伸びた口吻(こうふん)を持つ昆虫で愛らしい。甲虫のなかで一番種類が多く多種多様ということだ。

そのゾウムシが飛び立った。1cmにも満たないゾウムシであっても、普通に飛ぶとは思うけれど、硬い上翅を開いて、柔らかな下翅を外に広げて飛んで消えた。
いつもは動くだけの小さなゾウムシが、急に飛んだから、嬉しくなって、ありがとう、という気持ちになった。

僕が見たコナラシギゾウムシは、硬い上翅の下に、薄い下翅を三つ折り?に畳んでいたように見えた。

飛ぶ直前、前脚を前に突き出す。生きる勢いが感じられる。©nishiki atsushi
下翅は畳んでおき、飛ぶときに伸ばす。この翅の仕組みがすごい。©nishiki atsushi

シギゾウムシ類やチョッキリ類は、ドングリに卵を産み付けるので、「ドングリムシ」と呼ぶことがある。
今回見たコナラシギゾウムシは、まだ柔らかいドングリに、口吻の先にある小さな大あごで穴を開けて、卵を産み付ける。ところがドングリの生長で穴の痕は修復され、見た目は普通のキレイなドングリになる。
子どもが拾った大切なドングリから、白い幼虫が出て来て驚かされるのは、このようなゾウムシの仕業による。
空nyan! もそんなドングリを拾ったことがあったね。

次は、別のゾウムシ。

クロシギゾウムシ
このゾウムシもドングリに穴を開けて産卵する。口吻に付く左右の触角は、アンテナのようにも見えて面白い。©nishiki atsushi
クリアナアキゾウムシ
栗の木に多く見られるのでクリ、点刻が目立つのでアナアキと名がついた。体長15mm程度。幼虫はクリ、コナラなどの根を食べて育つらしい。©nishiki atsushi
太めの脚で小さなゾウのようなゾウムシ
 © nishiki atsushi
ゾウムシは警戒心が強く、驚くとすぐに下に落ち、触角と脚を畳んて死んだふりをして、なかなか動き出さない。©nishiki atsushi
オオゾウムシ
日本産のゾウムシでは最大種(体長15〜30mm)。鞘翅はまだら模様で点刻が縦に繋がりゴツゴツとして硬い。鋭い爪があり、木に張り付くことができる。© nishiki atsushi

A long-nosed  weevil flies away.


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