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ウラナミシジミのしっぽ アオシギのくちばし

ウラナミシジミ(裏波小灰蝶)を見て驚いた。後翅の細い小さなしっぽ(尾状突起)が動いているのだ。

普段は尾状突起を伸ばしている。©nishiki atsushi
それを根元から曲げた!©nishiki atsushi
更に曲げた! ©nishiki atsushi

ウラナミシジミは、標高の高い奥日光にも夏から秋によく飛んで来る。個体数を増やしながら北上するという習性を持っているからだ。
秋には奥日光の北、標高約1600mの刈込湖でも見るから、全長15mmほどの小さな体でも飛翔力のあるチョウだ。

後翅の下方(頭部とは逆側)には、2つの黒い眼状紋と細い尾状突起があり、それは目玉と触角を真似た一種の擬態では?と考える人がいる。鳥やクモなどの捕食者に偽装の頭部(翅の後方)を攻撃させて、致命的な損傷を回避するというわけだ。実際、眼状紋や尾状突起近くが欠落した個体を見かけることがある。
このような考察に従えば、尾状突起の動きは、触角の動きの真似かもしれない。

眼状紋付近の翅が欠落したウラナミシジミ©nishiki atsushi

他には、花などに止まっている時に翅を擦り合わせる動きをして、細長い尾状突起を触角の動きに見せているとも言われている。僕はこの動きはあまり見たことがない。

今回は、僕のカメラがウラナミシジミに近づき過ぎたから、今回の尾状突起の動きは、緊急警戒の動き、緊張の動きのようにも感じられた。
尾状突起はとても細く、風に揺れて動いている様子も見られたし、動かして注意を引こうとしているような動きもあった。

ウラナミシジミの仲間には、尾状突起を持たないチョウもいるし、他のチョウも同様にさまざまだ。
尾状突起のある翅の形態は美しい。
その美しさが不思議さを増幅させている。

ウラナミシジミは、花の少ない時期になっても飛びまわり吸蜜を繰り返す。そこには、命を繋ぐ力と冬には必ず果てる命の儚さとが併存している。

次は鳥の話。
寒い冬に奥日光の湯川に渡来するアオシギ(青鷸)に驚かされた。
細長い上嘴をクニャと曲げたからだ。嘴なのに!
〈細長い嘴だから、硬いはずだ〉という先入観で見ていた。
驚いて…反省した。

アオシギの英名は、Solitary snipe、単独行動が多いから名付けたと思われる。全長約30cm程度。体を揺らす特徴がある。色と模様が周囲に溶け込んで見つけにくい。©nishiki atsushi
上嘴を曲げて餌をくわえた! ©nishiki atsushi
上嘴をクニャと曲げた! ©nishiki atsushi

空nyan!
知らないことがたくさんある。丁寧に見て学ぶこと、それが楽しい。


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