生成AIに入力するプロンプトは、通常、いきなり処理内容を依頼するZero-Shot Promptingが多く使用されます。しかし、プロンプトにはさまざまな手法があり、言い回しを工夫することで、予想外の回答が得られることもあります。
本記事では、Zero-Shot Promptingの工夫について具体的なプロンプトをご紹介します。
Zero-Shot Promptingとは
大規模言語モデル(LLM)は、大量のデータでトレーニングされ、指示に従うように調整されているため、ゼロショット、つまり例を示さなくても、ある程度のタスクや質問には対応できます。これは、前の記事で解説した「トランスフォーマーモデル」が、単語や文章の次に来る確率の高い単語や文章を推定する仕組みを持っているためです。
具体的な例として、次の3つが挙げられます。
例1:言語の翻訳
質問:「こんにちは」を英語でどう言いますか?
説明:AIが特定の言語ペアに関するデータを持っていなくても、一般的な言語知識を使って「こんにちは」を「Hello」と訳すことができる。
例2:創造的なライティング
質問:「猫が宇宙旅行に行く」というテーマで短い物語を作成してください。
説明:AIがこの特定のプロンプトに対して直接学習していなくても、創造的なコンテンツの生成能力を活かして物語を作成できる。
例3:知識の応用
質問:二酸化炭素の分子構造を教えてください。
説明:AIが特定の化学の教科書やデータベースを参照していなくても、一般的な知識を基に「二酸化炭素は1つの炭素原子と2つの酸素原子で構成されている」と答えられる。
Zero-Shot Promptingのあれこれ
Zero-Shot Promptingは、大量のデータでトレーニングされているため、その活用には質問の仕方が重要です。そこで、「Zero-Shot Promptingのあれこれ」と題して、具体的なプロンプトを紹介します。
○○を微分してください。
質問:帝王学について微分してください。
「○○を微分してください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○のアーキタイプを教えてください。
質問:リーダーシップのアーキタイプを教えてください。
「○○のアーキタイプを教えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○を水平思考で考えてください。
質問:政治を身近にするためのアイデアを水平思考で考えてください。
「○○を水平思考で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○を垂直思考で考えてください。
質問:政治を身近にするためのアイデアを垂直思考で考えてください。
「○○を垂直思考で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○を抽象化思考で考えてください。
質問:おいしいラーメン屋のキャッチフレーズを抽象化思考で考えてください。
「○○を抽象化思考で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○を演繹的思考で考えてください。
質問:リーダーシップのあり方を演繹的思考で考えてください。
「○○を演繹的思考で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○を帰納的思考で考えてください。
質問:リーダーシップのあり方を帰納的思考で考えてください。
「○○を帰納的思考で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○をデザイン思考で考えてください。
質問:SDGsを身近なものにするためのアイデアをデザイン思考で考えてください。
「○○をデザイン思考で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○をメタ認知で考えてください。
質問:日本的な異世界を創生するためのアイデアをメタ認知で考えてください。
「○○をメタ認知で考えてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
○○をアウフヘーベンしてください。
質問:戦争と平和をアウフヘーベンしてください。
「○○をアウフヘーベンしてください。」と言われたらGPTはどのように判断しますか?
最後に
いかがだったでしょうか。この記事では、Zero-Shot Promptingの手法として「○○を微分してください。」から「○○をアウフヘーベンしてください。」までを紹介しました。
これらの手法は、ユーザーが一般的な回答ではなく、より深い洞察や独自の視点を期待する場合に役立ちます。各手法を適切に活用することで、意図に合った独自性のある回答を引き出せるでしょう。Zero-Shot Promptingのこれらの手法を駆使して、より精度の高い回答を得るための参考にしてみてください。
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