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#研究開発

建築・都市×メディアの可能性を探る|メディアの変遷からの考察

堤 遼  日建設計総合研究所 環境部門 研究員 メディアと建築都市空間の相互活用を目指して建築都市のシンクタンクである日建設計総合研究所とコンテンツクリエイターであるTBSテレビは、IPコンテンツ・空間・ICTの相互活用を目指して共同研究を実施しています。 近年のメディア(注)は、お茶の間中心から都市のあらゆる場所に分散することで多方向化しており、エンタメに留まらない利便性や社会課題の解決など多様な価値を生み出しています。特にインタラクティブなメディアの代表であるゲームでは

オフィスで野菜を育てると会社に来たくなる?

三浦 梨紗 日建設計総合研究所 環境部門 研究員 出社したくなるオフィスとは昨今、健康経営(注1)が注目され始め、従業員の健康意識を向上させるために次のようなサービスが広がっています。 健康的な社食の提供 従業員のヘルスリテラシー向上のためのセミナーの実施 オフィスビル従業員限定の会員制フィットネス また、コロナ禍もあり、リモートワークが普及してオフィスでなくても働けるようになってきました。フルリモートを導入してオフィスを減らす企業もある一方、同僚と顔をあわせる機会

TOD型都市開発手法の環境価値向上と環境負荷低減効果の評価システム開発

ビタノバ リディア 日建設計総合研究所 研究員 共同研究者 山村 真司:日建設計総合研究所 日下 博幸、ドアン グアンヴァン:筑波大学計算科学研究センター  TOD型開発と都市環境についての検討公共交通指向型開発(Transit-oriented Development:TOD)は、過密化する都市域において生活の利便性と質の向上のために、自動車交通の抑制と集約的な都市構造を実現するための開発手法です。鉄道駅等の公共交通拠点を中心に、コンパクトで効率的な土地利用による都市環

子どもにとって安全かつ健康な屋外空間づくりに関する基礎研究

范 理揚 日建設計総合研究所 環境部門 研究員 子どもは大人より屋外で熱中症にかかるリスクが高い公園などの屋外空間は、子どもたちが楽しく遊び、高齢者が安心して休める場所と考えがちです。しかし、近年の地球温暖化の進行によって猛暑日が増加傾向にあり、都市公園であっても炎天下では身体に危険な場所となりかねません。そんな屋外温熱環境を緩和するため、日射遮蔽、保水性舗装、ミストなど、様々な対策が検討されていますが、主に大人の活動空間を対象としており、子どもへの効果は、ほとんど検証され

換気をすると健康になって、仕事がはかどる?

鶴見 隆太  日建設計総合研究所 研究員 換気量を増やすと健康になる新型コロナウイルスの流行によって、いままで以上に“室内の空気の環境が人の健康に与える影響”への関心が高まっています。テレビなどのメディアでは、スーパーコンピューターを使った飛沫のシミュレーションの様子などが報道されています。 室内の空気の環境はIAQ(Indoor Air Quality)ともよばれ、以下のように人の健康に与える影響が指摘されていました。例えば、換気量が22 m3/(h・人)の場合は、4