見出し画像

Go to バブル?  高値米国株を支えるGAFAMの存在感

3日(月)の米国市場でナスダック総合指数が2週間ぶりに過去最高値を更新しました。新型コロナの再拡大、米中対立の先鋭化、あるいは給付金など経済対策の“息切れ”など、様々な懸念がある中で、基本的にはハイテク・ITジャイアント企業の強さが目立ちます。4日(火)の日経CNBC、朝エクスプレス「マーケット・レーダー」では、東海東京調査センター、外国企業調査部の中川雅人さんをゲストに迎えました。「決算無事通過 Go to バブル?」というちょっと刺激的なテーマ。米国を代表するITジャイアント企業、GAFAM( Google、アルファベット、フェイスブック、Amazon、マイクロソフト)の存在感を中心にエッセンスをnoteしました。

まず下の図表。米国企業に対する市場予想(コンセンサス予想)の推移を見たものです。コロナショックを受けて急激に悪化した後、それが横ばいとなり、また足元ではやや上向いていることが見て取れます。なぜ先週になって急速に上向いたのか−−。あっけないほどシンプルな理由ですが、「先週そろって決算発表したGAFAが軒並み業績好調だったから」(中川さん)です。

画像1

S&P500といえば、米国であり世界を代表する大企業群といって差し支えないと思いますが、その中でもGAFAMの存在感は別格です。下の表をご覧ください。

画像2

時価総額に占める比率は今や2割を優に超えます。表の上の部分は前回、中川さんにご出演いただいた5月末時点からの約2カ月の変化をみたものです。GAFAM以外の企業も決して悪くないのですが、PERはむしろ下がり気味。一方のGAFAMは業績が順調に伸びている上、PER(市場の期待値)も高まっています。

バブル?と考えたくなるようなIT・ハイテクジャイアントの株価上昇ですが、業績がしっかり伴っています。そして期待値が上がっている。こういう展開は、一概にバブルとは決めつけにくいものがあります。少なくても2000年前後のインターネットバブル時に比べればはるかに地に足がついた印象はあります。

僕個人の印象としては、先週、決算発表と相前後して開かれた議会の公聴会を、GAFAMが何とか乗り切ったことも大きいと思います。これだけ市場や世の中での影響度が高まると、それに対する批判的な視線も厳しくなります。ただ、一方で折からのコロナ禍で、IT・ハイテクジャイアントの提供するサービスの重要さが再認識されているようなところがあるようにも考えられます。

これだけの高値圏ですから、誰が売っても大概利益が出ます。株価は時折不安定な動きを見せることは避けられないとは思います。とはいえGAFAMに象徴されるようなIT・ハイテクジャイアント企業に本格的な逆風が吹くとすれば、例えば以下の2つでしょうか?一つは金融政策。コロナ禍で経済が不透明なだけに金融緩和、史上最高の流動性供給が続いていますが、これが変化するときは影響を免れないと思います。そして先ほど触れた大企業、独占的なビジネスに対する逆風。今回は乗り切ったようにみえますが、今後も折に触れて気掛かりな場面はありそうです。

将来に向けて確かなことは分かりません。GAFAMといえども強力なライバルの挑戦にさらされるような場面があるかも知れません。それでも現時点で確かなことがいくつかあります。第1に、この手の企業は現在の日本には存在しないこと。多分近い将来にもないでしょう。第2に、従ってこの手の企業の魅力を取りに行くとしたら、やはり米国企業に投資するのが近道です。もしそれ以外を探すとしても敢えて言えば中国企業でしょうか?グローバル企業投資の魅力を享受したいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?