30歳になる前に




あと何日かで30歳になる。

もう本当、来週とかに。




30歳になることには抵抗ないんだけど、「結果を残していない30歳になること」がしんどい。


長い白髭を生やして杖を持っているのに村のしきたりを1つも知らないおじいさん。



歳を重ねると、村に伝わる人魚伝説のひとつでも話せるとイイ感じのおじいさんになれるんだろうけど、なんせ今の俺は長い白髭を生やしてるのに村のしきたりを1つも知らないおじいさん。


「この祠ってどうして作られたの?」とか聞かれても「わかんね」と答えるだけ。



「あのおじいさん、おじいさんなだけらしいよ」


そんな陰口を言われる前に早急に結果を出さなくちゃいけない。




そんな偽長老な俺はいま、1月から吉本興業で山口コンボイという、「あの映画見ました?」と聞いて「あーまだ見てないな」と相手が答えると、「面白かったですか?」と返してしまい「いや、見てないって」と言われてしまうようなバッドコミュニケーションな男と、ケビンスというコンビを組んでいる。





山口コンボイはネタを飛ばすことも多くて、あるお客さんは俺たちのネタをライブで何回か見てくれたらしいが、その人が見たケビンスは10割の確率でコンボイがネタを飛ばしているらしい。

「今日は起きてるかな?」とパンダの赤ちゃん見にくるみたいなシステムを導入して申し訳ない。


それでも「楽しかった〜☺️」と言いながら帰っていく男。




そんなケビンスは今なかなか他事務所のライブに出られないし舞台数も多いとは言えないけど、いつでもファンを熱く迎え入れる姿勢。みんなの応援リストに入れてくれ。






環境が変わったのもあるせいか、19歳からお笑いを始めて、29歳の今が1番「たのしい」という感覚でお笑い活動ができている。


それに比例するように、同居人のZAZYは「楽しんでどないすんねん。ウケなあかんやろ。」と普段から俺たちに"さげぽよ"なことを言ってくる。どうしても俺たちが"あげぽよ"なことが気に入らないらしい。





これまでお笑いファンだった時期が無かったこともあって、面白いことを考えるのは好きだけどかと言って楽しく取り組むこともなく10年以上続けてきた。
ここに来て自分が少しずつ自分のファンになっている。



2021年ももう半分を過ぎるけど、今年のうちに結果と言えるものを少しでも獲得したい。



「この祠ってどうして作られたの?」と聞かれたら、「なんか、村を守るっていうアレらしい」くらいのことは返せるようになりたい。





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