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精神科病院の使い方

「病床減」と「なぜ削除」を考察

我が国も感情労働の増加に伴いいわゆるメンタルヘルス疾患も増加の一途である。
しかし、国はその具体策を示せていない。
 
そこで、今回はメンタルヘルス疾患のための精神科病院の使い方をご紹介しよう。

★労働を強く意識して罹る精神疾患の方(メンタルヘルス疾患)の入院処遇について
よくある質問 Q&A

【Q】労働を強く意識して罹る精神疾患の方は、精神科救急(24時間365日)の非自発的入院の対象となりますか?

【A】原則・対象ではありません。
但し、アルコール依存症等の離脱状態の期間は対象になります。
うつ病、双極性感情障害等の病状増悪時、とくに躁病期の精神運動抑制不能の場合等は対象となります。

【Q】入院は開放処遇ですか、閉鎖処遇ですか?

【A】何をもって開放処遇とするのか、何をもって閉鎖処遇とするのか。法的にも、制度的にも定義は存在しません。一方で、すべての施設で医療安全を配慮したセキュリティー管理が課題となっています。よって少なくとも夜は病棟の戸締まりはしっかりしないといけません。だから、私たち精神科医(精神保健指定医)は開放、閉鎖には囚われず、精神保健福祉法第20条が定める「精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させる場合はおいては、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない」(「・・・任意入院に努める」)を第一義とすべきです。

【Q】入院治療とは?

【A】入院中は、素面で『暇』と『退屈』の過ごし方を、まず身に付けていただきたいと願っています。
それと、併存、重複する精神科疾患をよく見極め、そんな精神科疾患への適切、かつ必要な薬物療法等を行います。
また、家族への危機回避、静養目的の入院も精神科病院の大切な役割、ご利用いただけます。

【Q】入院期間はどのくらいですか?

【A】むずかしいご質問ですね。まずは、10日~2ヶ月程度の期間を考えておいてください。
また、労働を強く意識して罹患される精神疾患の方は、回復(元気になった)、それワーカホリック(Workaholic:仕事中毒)に逆戻りへとなりかねません。よって、当たり前のことですが、退院後の外来通院、デイケア参加、そして仲間との居場所作り等が大切になります。さらに時々入院もいいのではないでしょうか(Respite:静養入院)。
ただ「暗い、汚い、怖い」等のイメージをまだまだお持ちの方もおられると思います。利用前にお申し出頂ければ、随時病棟案内等を致しております。

*:最後に年寄りの戯言と老害について
⓵「人権、人権」と唱えながら、精神疾患とみなした人々を3ヶ月間、非自発的入院処遇を行う病棟を高規格(実際は混在病棟・3ヶ月間限定医療留置所だが)と称し、それを良しとする制度を何とかしないと、何時までも精神科医療機関は暗い、汚い、怖いのイメージのまま!それでは病床減は当たり前。
ただ、任意とは「思うままに任せる、当人の自由意思に任せる、お気の召すままに!」だ。だから任意契約の入院はかなり難しいよ!書類人権主義の作文作成を生業とされている精神科医(精神保健指定医)にはちと荷が重いかも・・・。いや、いや、年寄りの戯言!老害、老害!!
 
⓶Respite入院歓迎の立場から、まずは⓵を何とかしよう。そしてRespite入院を行うに見合ったヒト・コト・モノの体制つくり(現資源の活用で十分)。さらにリハビリテーション(rehabilitation)ではなくハビリテーション(habilitation)=(LIFE:生命に係る、生活を支える、そして人生を見守る)といった認識が必要。そのためにも繰り返しになるが、精神科医(精神保健指定医)はしっかりとした同意と納得を取り付けるスキルを身に付けること。
また加えて、労働を強く意識する人々にとって日本は祭日が多すぎないか、それより中期、ないしは長期休暇取得制度が是非必要。祭日を減らしてもいいから、個々個人の中・長期休暇確保の策を!それはメンタルヘルス対策にとってもだが、労働生産性の向上にも寄与すると思うのだが・・・。まぁ~いいか、年寄りの戯言!老害、老害!!

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