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心揺れる絵を見るのっていいもんだ

ロシア出身でユダヤ系画家のシャガールは色の画家と呼ばれています。ノートルダム大聖堂のステンドグラスなどの作品もありますが、マチスと並んで大好きな画家のひとりです。
大聖堂は2019年に大火災があり、熱によってステンドグラスが破壊されましたが、有名なバラ窓は難を逃れたそうです。復興したら見に行きたいものです。

ランス大聖堂もシャガールの信仰が生み出した荘厳な中に、人の温もりを感じるステンドグラスから柔らかな太陽の光が降り注いでいました。

私はキリスト教信者ではありませんが、ノートルダム寺院で胸が熱くなり、ランス大聖堂ではなぜかほほを伝わるものがありました。

寺院や仏閣とは違う言い表せない世界観があります。

このリトグラフをショーウインドウで見つけてぜひとも家に持って帰りたいと思いました。

リトグラフですから、手の届かない油絵と違って何とかなりそうな価格がついていました。

たまーにほしくて仕方ないものが現れる時があります。
「毎日お茶漬けの生活でいいから…。」と思うほどとは本当に大袈裟ですが、頭から離れませんでした。

小さなころからモネ、ルノワール、ユトリロなどの絵画本が私の本棚に並んでいました。他の絵本を見るようにめくっては、モネの蓮の花に、ルノワールのイレーヌの横顔に、ユトリロの温もりを感じるモンマルトルの街角に浸ることが好きでした。画家たちが世界的に有名であることなどは全く知らず、ただ見ているだけでした。母に押し付けられたわけでもなく、なんとなく…。と言うところでしょうか。そんな子供でしたから、幼稚園ではこんなおもちゃもあるのかと驚きの毎日でした。外の世界を始めてみるような、今から思うと大人の中で育った子供の世間知らず!と言えるかもしれません。

シャガールは仕事でヨーロッパに行くようになって知りました。
今までの画家とは何か違う。それは強い宗教色であったからかもしれません。

不思議な絵でした。ふわふわしていて、でも強引に惹きつけるものがあります。

ひとかけらの信仰と言う言葉が、素直に素晴らしいと思えることを認識できる一枚に出会ったのです。
その色合いは独特で心に刺さる何かがあります。絵の中にはエッフェル塔、結婚式の男女、白馬と何の繋がりもなさそうでまるで夢の中の会話のようです。きっと想像もできないメッセージが含まれているのでしょう。

描かれる大半はシャガールの幼少期の体験だそうです。
心に刺さる絵画や音楽はおとなになっても出会えます。

芸術と呼ばれるものは決して難しいものではなく、人の心を揺るがして人生を豊かにしてくれる生活の一部だと思います。

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