お勉強339:GGO優位がんはどんどん低侵襲化の流れへ…

https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(23)00041-3/fulltext

3cm以下のすりガラス影優位な腺癌に対しては区域切除が標準になるかの臨床試験
JCOG1211

結論としては
357人で解析。
区域切除術群は統計学的に5年無再発生存率が事前に設定された基準値の87%を上回った
(驚異の98%!!)→区域切除はこれら対照群(下記参照)に対して積極的に使用すべき

近年出ている2cm以下のNSCLCに対しては縮小手術と肺葉切除術とを比較した
ランダム化比較試験(JCOG0802/WJOG4607L)→縮小手術の方がOS良い
縮小手術(区域切除+楔状切除)と肺葉切除とを比較したランダム化比較試験
(CALGB140503試験)→非劣勢

3cm以下であってもGGO優位(CTRで0.5以下)のNSCLCは悪性度が低く、
肺葉切除術と比較して区域切除術が有効?
(1)腫瘍径が2cm以上3cm未満でCTRが0.5以下の患者:43%
(2)腫瘍径が2cm以下でCTRが0.25~0.5以下の患者:46%
(3)腫瘍径2cm以下でCTRが0.25以下で、腫瘍が末梢に存在しない患者(JCOG0802に入らない患者):11%
という対照群。

手術時間は中央値 177分
出血量中央値 25ml

CTでは
腫瘍サイズ中央値 19·0 mm (IQR 14·0–22·8).
solid componentのサイズ中央値 6·0 mm (3·3–8·0)

R1切除は一例のみ。
G3/4の術後早期合併症は2%
治療関連死は無し

5年無再発生存は98%!!
腫瘍径が2cm以上3cm未満でCTRが0.5以下の患者だけに
限っても無再発生存は98%

肺機能はJCOG0802の葉切群と比較して
(優位ではないが)低下は少ない

考察では、今回対象とした画像所見の腫瘍は
基本的に局所のみの病気で、
マージンさえしっかりとっていれば完治できるであろう
と筆者らは推察している。

第二がんとかも増えているので、肺機能の温存は大切
とも主張。

とりあえず、日本の呼吸器外科医、スゴイ!

区域切除でこの成績なので、放射線治療医としては
SBRTも同等の成績が出せるのでは?と思ってしまうのが性。
再発率も同程度にできるかは?だが、
90~95%ぐらいの再発率なら組織が取れなくても
何となく許されてしまう気もする
肺機能的にも有利と思いますし。
区域切除が難しいような症例はSBRT firstの施設もあるだろう。

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