お勉強95:頭頚部、歯の治療


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7770362/pdf/main.pdf

頭頚部がんにおいて
歯科治療のことはとても強調されるが不勉強なせいか
あんまりがっつりした論文は見たことがない

この小規模スタディーは頭頚部放射線治療
前後にがっつり歯科介入
’Professional oral hygiene care, including tooth brushing instructions, professional mechanical tooth cleaning, and fluoride varnish application, was conducted once every week for a month during radiotherapy and once every 3 months after radiotherapy’
とプロの歯科の介入での口腔ケア、歯磨き指導、フッ素塗布
などをコテコテにしている。

フォロー期間が一年がマックス、というところと
倫理的に対照群が置けないこと、
Nが小さいのも原因だろうが、
結論としては優位なものは歯周ポケットの改善のみ。
Plaque indexも改善傾向との事。

ただ、この方向性の解析はぜひぜひやってほしいところ
他施設で歯科のある大学病院とかで
長期フォローアップをやるべきと思います。
(それにかかわらず日本では医師ー歯科医の連携が悪い)

重粒子線後の歯科の発表を聞いたことがありますが
非常にカオスな世界でした。
X線はそこまででも行かないにしても、
(自分の経験も含め)歯のケアって一般人でも大事だし
ハイリスクなこういった人の知見はもっとほしいところです。
しかも、歯内衛生は近年他の心血管系疾患等の
関連性も指摘されているわけで、この辺りは
ブルーオーシャン気がします。
(頭頚部がん患者の心血管死が口腔ケアで減ったら
 面白いと思いませんか?)

用語が良く分からないこともあるので歯科医の
先生に聞いてみたところ
Plaque index 
0:プラークがまったくない
1:肉眼ではプラークの付着が不明であるが、探針で探ると付着が認められる
2:少量~中程度のプラークが肉眼で認められる
3:ポケット内や歯肉辺縁上に多量のプラークが付着している

Gingival index 
ポケットプローブという歯周ポケットの深さを測る器具で
25gくらいの力でプスプスやった結果で点数をつける。
0 正常歯肉
1 歯肉に炎症。プローブで触診しても出血しない
2 歯肉に炎症。プローブで触診すると出血する
3 潰瘍形成、自然出血

Periodontal pocket depth 
歯周ポケットの深さで正常な状態で深さ1~3mm

との事です。

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