お勉強433:すい臓がん、手術前の導入にはSBRT?CRT? from ASCOGI24

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/230561


ボーダーラインや局所進行(BR/LA)膵癌患者では、
切除能を改善するために
ネオアジュバント化学療法(NAC)+/-放射線療法(RT)
を受けることが多い。

腫瘍体積を測定することで
腫瘍退縮に対するNACとRT
・IMRT+同時化学療法(IMRT+CC)
・SBRT単独
を比較

腫瘍体積の測定は、
・ベースライン時
・NAC後
・RT後
に盲検化された5人の独立した腹部放射線科医が施行

NACに続いてRTを受けた49例のBR/LA患者で
15例がIMRT+CCを受け、28例がSBRTを受けた。

放射線治療前の腫瘍縮小効果は
IMRT+CC群とSBRT群で同様

IMRT+CC群(-7.12cm3、p=0.003)
およびSBRT群(-2.70cm3、p=0.001)
ともに、腫瘍は有意に縮小。

IMRT+CCは、SBRTと比較して、
腫瘍体積(-53.4% vs -28.8%、p=0.024)
最大径(-30.4% vs -16.2%、p=0.020)
の全体平均変化率が有意に大きかった。
IMRT+CCにより腫瘍体積の奏効率が改善した
(30%以上の退縮;80.0% vs 46.4%;p=0.033)
一方で、RECIST基準による奏効率の改善はみられなかった
(46.7% vs 21.4%;p=0.085)

IMRT+CC群(n=9)とSBRT群(n=23)での
病理学的な平均切除腫瘍体積は
4.34 vs 13.1cm3であった(p=0.049)。

両群間の
R0(86.7%対85.7%、p=0.93)
N0(73.3%対53.6%、p=0.21)
切除率は同程度。

SBRTと比較して、IMRT+CCは
無再発生存率(RFS;2.36年 vs 1.31年;p=0.026)が改善したがOSについては(MST;2.85年 vs 2.03年;p=0.19)
有意性なし。

とSBRT時代に警鐘を鳴らす報告。
画像上の縮小率は経験上あてにならないが、
病理学的にも縮小があり、Nが少ないのと、P値が
微妙なので何とも言えないが、
CRTも捨てたもんじゃないのかもしれません。

SBRTは他がんでも言われているが、小さくなるのに
時間がかかる、というのは理解の上で…
(病理学的に「これから死ぬ」細胞は区別できないらしい…)


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