お勉強425:膵臓癌に対するMRIによる画像誘導放射線治療


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38135187/

膵癌に対するMRIdianのSBRTの成績
(一応coではなく、MRIリニアックのほうが多い研究)

膵癌に対して線量増加は効果的、
というのが一応のコンセンサス。
今回はLA/BRの膵がん(膵管腺癌)に対して
MRI下画像誘導SBRTを行った報告

一応、短期成績ではG3の有害事象はほとんどなかったと
すでに報告しているとのこと。今回は成績の発表

多施設(多国)・単群・前向きII相

まずは患者条件だが
・3か月以上化学療法(この論文だとFOLFIRINOXが8割とのこと)
・化学療法後、遠隔転移なし・CA19-9が500U/ml以下

SBRTは50Gy/5Fr(いわゆるBED10でちょうど100Gy)
コンカレントに化学療法は行わない
93%で adaptive要であったとのこと

プライマリーエンドポイントは、急性G3 GI毒性
セカンダリエンドポイントは
1)PDAC診断後2年間のOS
2)SBRT後6ヵ月の遠隔無増悪生存
3)SBRT後3ヵ月および12ヵ月のQoL。

局所制御(LC)も評価

症例は136例 LA57%、BR43.4%
膵頭部癌が70% 腫瘍の大きさの中央値は3cm
PTVの容積中央値は133.4 cm3

CA19-9 の中央値が 診断時537.5U/mL化学療法後71.7U/mL
化学療法期間は中央値4.5か月

SBRT後35%が手術を受けた(BRなら75%)R0手術は81%
ypT0症例も6.4%あったとのこと
化学療法をSBRTの後シークエンシャルに受けたのは24%

中央観察期間23か月、SBRTから14.2か月
診断からの2年OS 53.6% SBRTからの2年OS 40.5%
診断からのMST 22.8か月 SBRTからのMST 14.2か月
切除例の2年OSは 67%(非切除例は26%) 統計学的有意差あり
局所制御率は切除例90% 非切除例 71% 統計学的有意差あり

G3毒性は多く見積もっても11.5%
definitely/probably/possibly が
0%/4.6%/11.5% と書かれている

手術しなくても局所制御が7割越え、というのは確かにすごいが、
切除に持ち込めないとやっぱりつらいのだなぁ…

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