お勉強320:ASCO-GI2023速報

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昨日の注目演題(胃、食道編)

1. NeoAGIS

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/217307

食道、食道胃接合部の「腺癌」で術前ケモとケモラジの比較

CRTはCROSSレジメン(カルボプラチン/パクリタキセル、41.4Gy/23Fr)

化学療法は修正 MAGICレジメン(エピルビシン、シスプラチン(オキサリプラチン)、5-FU(カペシタビン))を2018年まで
それ以降はFLOT レジメン(ドセタキセル、5-FU、ロイコボリン、オキサリプラチン)を比較

対象はcT2-3N0-3M0ランダム化III相
結果はJCOG1109と似ていて、
CRTで病理結果は良くなるが、生存曲線はピッタリ。

術前CRTは強力な術前ケモに対抗できん、という風潮が…

2. infinity

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/217552

こちらは胃・胃食道接合部癌で
EBV-のMSI-Hの群に術前療法として
イミフィンジ+イジュドのアストラゼネカのデュアル
要は

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/204512

これの薬、投与レジメン違い(こっちはイピニボ)
pCR率はT4で1/6(17%)、T2-3で8/9(89%)

を見ると、これも去年のイピニボ同様、かなり期待できる。化学療法なしでこれなので、ケモかませたらMSI-Hなら手術は要らない可能性も。

3. SPOTLIGHT:

https://dailynews.ascopubs.org/.../zolbetuximab-mfolfox6...

こちらも胃・胃食道部接合部癌 Her2陰性でクローディン18.2陽性例が対象ツイッター界隈では一番これが評判を呼んでいる。
クローディン18.2はいわゆる細胞接着因子 
40%近くの胃がんに発現しているらしい

抗クローディン18.2抗体ははZolbetuximabという名前だそうな。
mFOLFOXに綺麗に上乗せ
こちらにも書いてある通りPD-L1の発現とかでIOとのすみわけ、
上乗せが気になる

早くに亡くなられた月田先生もあちらで喜んでおられるかもしれない。

基礎科学が臨床に行くまでは大変だが、
だからこそ基礎化学は素晴らしい。

4. INTEGRATE IIA

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/215796

胃がん、胃食道接合部腺癌既治療例に対するレゴラフェニブ
(ほぼラストラインか)
数値としてはごくわずかだが、予後を改善。

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