お勉強187:S-1併用食道がんCRT


https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/article-abstract/2782741

中国で行われた多施設共同第III相試験

食道がん(ほぼ扁平上皮癌)の70歳以上の高齢者II-IV期に対して
(ほとんどがII-III期)に対してRT単独と、TS-1併用のCRT
を比較した試験。

照射はぱっと見予防照射ありのよう

年齢中央値は77歳で背景もそれなりに悪い人も多い。
Primary endpointは 2年全生存割合
CRT群でCR率高く、RT単独と比較して、
CRT群で2年全生存率が良好
(53.2% vs. 35.8%, HR 0.63, 95% CI 0.47-0.85, p=0.002)
ほぼすべての背景で、TS-1併用が優位。

白血球が減るのが多い程度で、副作用は許容内。

FPが耐え難い→即RT単独という(みなし)標準治療に
一石を投げかける結果。

以前の施設で5-FU+RTで結構いい成績でちょっとでも
抗がん剤加えるだけで手ごたえを感じていたので
納得の結果。

昔単独とCRTの比較で様々な癌腫での
ケモの上乗せを見た論文があって
ケモの上乗せが一番あるのは食道がんだった…
(たぶんRT単独とCRTの三相の論文で単独の3年生存率が
 0だったのに引っ張られているのだろうが…)

ディスカッションにはTS-1とRT併用の色々なうまみとして
・外来でできる
・5-FUの濃度を高く維持できる
・配合されているギメラシル自体放射線増感剤
・点滴などと違って前投薬のステロイドや制吐薬がないので
 いろいろな薬物相互作用などを考えなくてよい
とかあり。

最近いくつかの論文でEGFR-TKIとの併用で
いい成績が出ていることにも触れていた。
(これも中国からのスタディー)
https://note.com/nijuoti/n/ncf177eb8f6fc

中国もどんどん食道がんの試験をやり始めてます!

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