お勉強79:EGFRmutの種類での戦略変更が行われる時代か?

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0169500220306693

EGFRmut+の
「症状のある」脳転移の発生をアウトカムとした研究。

タグリッソは前世代のTKIと比べ
症候性脳転移の発生を「遅らせる」
ことができるが、最終的な発生頻度は
同等。だいたい三年目までに有症状脳転移は
出てきてしまう。
つまり、「有症状の脳転移」を
TKIは治すのでは無く抑えているだけ。

というか、すべてにおいてTKIは「根治」を
目指せる薬ではないのかもしれません。

EGFRmutありの患者の脳転移に対して
TKI、RT、どっちを先行するか
という個人的興味にかなり迫る結果。

ただ、症状が無いとMRI撮らないプロトコル
っぽいので、日本の現状と合ってるかは?
脳壊死や、認知機能低下などの
晩期有害事象も考えた上での配慮は要るだろう。

あとはL858R変異と19del変異で脳転移頻度
がかなり違う。(前者の方が多い)
TKIの各薬剤の効き具合などはよくこの辺り
話題になってたが、放射線感受性や
上記の脳転移の管理の事も含めて
変異によって治療戦略の変更は
今後の流れかもしれません。

L858Rは積極的に脳転移を治療すべきかもしれないし
EGFRmutのCRTなどでは脳転移再発が多く、局所再発が
少ない、という報告があるが、これも遺伝子変異のパターンで
差があるのかもしれない。

個人的にはEGFRmutの症例でオリゴメタで放射線治療を続けて
上手くいく症例が一定程度存在する印象があるが、
これも遺伝子変異のパターンで分けられるのかもしれない。

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