お勉強39:JCOG0909試験最終結果

https://meetinglibrary.asco.org/record/186429/abstract
JCOG0909最終報告(5年の成績報告)

昭和大学の伊藤先生、firstです。
日本の臨床試験で多数科がかかわる研究で放射線治療医がfirstなのは
非常に稀有なので、すごいことです。

(私が理解している)コンセプトとしては
・Stage II/III食道がんの(日本の)標準治療は
 術前ケモ⇒食道全摘
・でも、ケモラジでそれなりに食道温存できる
 人もいる(from JCOG9906) 
・しかし、JCOG9906は問題がいっぱいあった

1:術前ケモ⇒食道全摘より成績悪い
2:晩期有害事象多い
3:サルベージ手術の成績が悪い(死亡も結構ある)

そこで、
・まずケモラジして早期で再発を発見しサルベージする
・線量を減らす(日本の)標準60Gy から50.4Gyへ。
 (そのかわりケモは増量している)
 →サルベージ手術を安全にできるようにする。
(41.4Gyの予防照射あり)
・照射法はAP→射入 から4門へ(晩期有害事象を減らす)
という事を行ってみました。

結果
・とりあえず、CR率約6割(ある程度予想通り)
・サルベージ内視鏡 5%・手術29%に回る
・手術のR0率は85%(1人合併症で死亡)
・3年/5年 OS 74.2% /64.5%(ちなみにこれは目茶苦茶いい)
・5年食道温存生存率54.9%

ということで、内視鏡サルベージにPDTが入ってきたので
(この試験ではプロトコールには入っていない)
食道温存率はもっと上がると予想され、
この、まずCRT、それから再発したらサルベージ治療
というストラテジーはStageII/IIIの代替治療として
充分な確信をもって提案できる結果と個人的には思います。

JCOG食道グループ、近年試験がどんどん花開いています。

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