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夢をテーマに5つの小品集(フリー朗読台本)


規約


この作品はフリー朗読として公開していますが、著作権は放棄していません。著作権は作者である二条寧音にあります。
自作発言・二次配布・物語の改変は禁止です。 
この作品を利用している物は無料で視聴出来る様にしてください(投げ銭などの任意性のある金銭は問題無し)
ご利用する際は私の名前とタイトルを必ず分かりやすい所に記載ください。音声配信であれば私の名前とタイトルの読み上げを必ずしてください。
上記を守って頂ければ使用の連絡や許可は不要です。
何か不明な点がありましたらTwitterのDMにご連絡ください。返事が可能な内容や状態であれば返信します。
規約は予告無く変更する事があります。

説明

この夢については、その人物がどういう心境でいるかについてのものです。
基本的に、夢=将来の夢(何かしらの職業)ということですが
①については子供の頃に将来について憧れ、そしていつしか現実に目をむけた人。
②については成せなかった夢を、別の人に託した人。
③については夢は成就したものの、その夢に囚われた人。
④については自分のやりたい事をする為にその職種を利用するだけ、そして無理だった場合は必ずしも仕事にする必要もないという人。
⑤については、そもそも④についてすら考えていない。やる理由は自分の気持ちだけで充分で、自己完結してしまう人(やっている事にハマる職種が無く仕事にならない可能性や、仕事にするには難しい可能性もあり)
そんなイメージで書いた作品となります。

①【夢は夢のままで(憧れは嫉妬に)】


子供の頃の夢はキラキラしてた
けれど成長と共に夢を抱く事なく、目的の為に邁進するばかりになった
目的の進学先に、目的の就職先に
失敗すれば奈落に落ちた気分になるし
成功すれば次の目的の為の行動を考えるか、目的達成に満足して安穏としてしまう
そんな日常の中
不意に、キラキラしたものを抱えた存在に出くわしてしまった
その存在に笑顔を向けながらも
どうせその夢は今だけのこと
そう思ってる自分の心に気づいた
どうせそのうち夢を語らずに忘れてしまうか
思い描いた綺麗な夢と現実との落差に失望するか
身近な人の反対を受けて、誰かのせいで叶わなかったと嘆いて終わる
内心では、そう思って笑っている
そんな訳知り顔の私は、夢の為に自身が痛みを負う覚悟を持って行動をした事はない

②【夢は呪いに(独り善がり)】


子供の頃から抱いていた夢があった
自分の人生をかけた夢があった
周りの人達も応援してくれたし、私も頑張った
それでも自分より上の人に叩きのめされ
結局その夢は、叶う事はなかった
けれど挑戦して挫折したのだから仕方ない
私には大きすぎる夢だったのだ
だから
自分の夢を次の世代に委ねよう
自分の失敗の経験を教えてあげよう
そして成功者達の事もよく見ていよう
それを教え導くのが、次に私がやるべき事なのだから
その為に自分の今後の人生をかけよう
だから
絶対に挫折を許さない
だって私の人生を捧げるのだから
一人だけの夢ではないのだから
だから
成功の道しかありえないでしょ?

③【夢の狂信者(過去の集大成)】


私は今この為に生きている
夢を夢で終わらせなかった
反対する声を退けた
批判する声は無視をした
自分の成功の道の為に、どんな事でもしたの
泣かせた事もある
恨みを抱かれた事もある
そのどれもこれも相手にしなかった
敗者に用はない
私は階段を登り続けえる
上へ、上へと
でも・・・
突如として上へ進む階段が、途切れてしまっていた
階段は登るか降りるしかない
その場に佇む事は許されない
登る先が無いなら、場所を譲る為に降りるしかない
嫌だ
嫌だ
なんとかしないと
階段の下からは、後から誰かが登ってくる
なぜか後から登る人の為の階段だけは、用意されている
なのに私には、その先の階段が無い
許せない
許せない
許さない
だから後から来る人の邪魔をした
蹴落として、奈落に落とした
どうせ落ちるなら諸共にと、しがみついて足を引っ張った
やれるだけ、やり尽くした
なのに・・・
最後には何も残らず
私の夢は、消え失せた

④【夢持たざる者(強者の言い分)】


子供の頃、周りに言われていた
将来なりたい夢も無いのかと
同年代にも、大人にも言われた
確かに夢はない
だがそれは当然だと知った
周りの同年代の言葉を聞けば
その職種になりたいと言う者の多くは、その職種の人間か、もしくはその職種によって提供されるモノが好きなのだ
それを提供する為の行為が好きなのではない
ケーキ屋さんになりたいと言う多くの者は、ケーキを食べるのが好きなのだ
お花屋さんになりたいと言う多くの者は、綺麗に整えられ花を眺めるのが好きなのだ
ケーキを作るのが好きな訳でも、季節問わず花の水換えをし、売り物として整えるのが好きな訳ではない
基本を学び、地味な事を継続する熱意がない
夢を語る多くの者は、自分の見たい部分だけを切り取った幻想に焦がれているだけ
それを夢だと言うのなら、確かに私に夢はない
何故なら私がその職種を目指すのは、そのやりたい行為を堂々とする為の手段にすぎないから
その職種になるのが、目標ではないからだ
だからまずは、そこに到達するまでのステップをひとつひとつ成し遂げていく
目的を持って行動するのに忙しくて、語る暇などない
例え失敗しようとも
繰り返し、繰り返し、挑戦し続けるだろう
それを追うのに資金が必要なら、その資金を貯める
年齢制限で叶わぬなら、自分の納得できる別のもので関わりを持とうとする
例え仕事にできずとも隙を見ては、趣味として没頭しても良い
好きなら
それが私自身に必要なら
私は何かしらの行動をするだろう
止まる理由がないのだから

⑤【夢以前(考えるより先に)】

君は本当にそれが好きだね
そればかりして飽きないの?
いつまでそれをやるつもり?
将来の事を考えて
優先順位をつけないと
そう言われても・・・
つい
気づけばやってしまう
一緒になってやっていた人は、いつの間にかいなくなった
これをするより先に、新たにやるべき事があるから
のめり込んでしまっている自覚はある
最初は笑顔で見守ってくれてた周囲の人は
呆れたり
険しい顔をしたり
これ以外は適当にしている自覚はある
そもそもこれ以外の事は、選んでもいない
続ける為
文句を言わせない為の事柄には頓着ないから
周囲の人を沈黙させて
好きな事をやり続ける
止めないで
だって、止まらないから
考える間もなく、衝動のままに
止めないで
その言葉が煩わしいから
雑音打ち消す為に
私はまた没頭する

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