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ネタバレ満載の「P5」感想文(2018/10/14)

ゲームで号泣したのは久しぶり!!

P5をやっとクリアしました!165時間もかかった…

前作P4は、ゲーム内ならぬ実生活の引越しなどが重なってラストダンジョンと思われるところに入る直前で挫折したので未クリアです…。

というわけで、面白いと思った点をまとめていきたいと思います。

★ストーリーとコープの繋がり

未クリアなのに恐縮ですが、P4は世界観や演出がかっこよくて戦闘も良くできていて面白かったものの、没入感があまり得られな買った記憶があります。しかし、P5にはその時に感じていた物足りなさやあってよかったはずのものが、全部ありました。

最も感動した点は、コープ(特定人物と結ばれる絆、取引、契約)の役目が、怪盗団がターゲットの「オタカラ」を盗むという作戦の遂行に加担するきっかけとなり、動機にもなっていたところです。

今作では、特定のターゲットだけが持つ「パレス」で、「怪盗団としてオタカラを盗み、ターゲットを改心させる」のが目的なのですが、怪盗団というだけあって基本的に正体はヒミツ。途中で仲間がどんどん増えていくけど、その増え方も「正体がバレるのではないか」というスリルがあってなかなか面白い。お互いにヒミツを共有しながら、高校生としても生活して、放課後は悪を懲らしめるため困難に立ち向かい突き進んでいく。

どうやったら友人を助けられるのか、悪い奴に罪を認めさせられるか、世界を変えられるか、どんなターゲットを狙えば知名度(かつ支持率的な数値)を上げられるか。目的はあくまでも、「世直し」「心を盗む怪盗」なのだけど、今やらなければならないことを追求していった結果「世界の闇」に巻き込まれて行く流れがものすごく自然で良くできていました。最後は、深層心理の世界(メメントスの最下層)のようなところまで行きましたから、オープンワールドに対抗できるゲームの構造としては、大成功だったのではないでしょうか。

メメントスっていうのは、そのままP5的に説明すると「大衆の認知する世界」らしいんだけど、急に言われましても何が何やらと思いますので、私なりに簡単に言い表すと…クリアしたらなくなるパレスの反対、いつでも入れるダンジョン…ですね…。


メメントスは渋谷にあるんだけど、「渋谷ってこんなところだよね」っていう人々の共通認識みたいなもので、それが形になって大きなダンジョンと化した、それがメメントス。基本的には主人公たちのみが入れる場所。で、渋谷の巨大地下にダンジョン攻略感覚でゴールが見えない下層へ進んでるだけのつもりが実は人々の深い闇に踏み入れていた…、とにかくヤバい世界が広がっているということです。

各コープたちのイベントの仕上げは、必ずこのメメントスにいる人間の「改心」。悲しい事に、この重大な各イベントの存在に気づくのが遅かった私は、たったの2名しか解決できませんでした。

★コープMAXになるとどうなるのか

コープとなる対象者は全部で10人?くらいいます。たとえば、回復薬を売ってくれる女医とか、怪盗団を追いかけてる新聞記者とか。その人たちとの絆ランクみたいなのをガンガン上げていくと、コープの心を苦しめるターゲットが、メメントスに出現します。それを改心させるわけです!

そのなかで唯一、私が「コープMAX」まで持ち込めたのは、アキバにいるゲーマー少年と神田の教会にいる女流棋士でした。

ゲーマー少年のエピソードは、初めてMAXにした相手だっただけあって大号泣してしまいました…。

お母さんとの関係や友人関係に悩むシューティングが超絶うまいゲーセンに入り浸ってる子で、 怪盗団の大ファンでもあったんです。仲がよくなっていろいろ話してると、いつか怪盗団に会ってみたいと言い出すんだけど、まさか自分が…とは言えない。言えないけど、怪盗団と知り合いだからと匂わせつつ、それを信じる少年からちゃっかり「バトルを有利にすすめられる銃の必殺技」をゲーセンで沢山教わりました。(こんな感じで、主人公は色々なスキルを磨いていく。)

コープMAXにするためのイベントは、少年の母親の心を盗む(改心させる)事。少年を助けるために、メメントスにいる母親のシャドウに会いに行くことになります。

少年とのコープイベントを通してわかったのは、ターゲットを改心させることなんてのは単なるきっかけのひとつで、本当に変わったのはコープ自身だったんだ、ということ。パレスがあるような大物ターゲットに苦しめられた人々は、その存在そのものを改心させないと解決にはならないけど、このように特別なコープを結べる人たちはみんな、「自分も変る」というところが、面白い点だったように思います。

その後ゲーマー少年は、喧嘩別れっぽくなっていた友人とも仲直りできて、その成長を見届けられたこと、信頼関係が築けたところでこのイベントは終了なんだけど、最後の会話の時に、ごく自然な流れで正体を明かすという場面が訪れました。

怪盗団ではない人物にバラすのは、その時点で居候先のおじさんくらいだったので、心臓がギュッとなり…

これを知ったら、どんなリアクションされるだろう?今までずっと嘘をついていた事にガッカリされるだろうか…言ったところで信じてくれるのだろうか…。

会話を先に進めるのが少し楽しみなようで、少し怖くもあり…いよいよヒミツを話します。

「実は、自分が怪盗団なんだ」

それを聞いた少年は…

めちゃくちゃ喜んでくれました。憧れのヒーローが目の前にいる、と狂喜乱舞しながら。

でも、ちゃんと秘密は守るからねって言ってくれたんです。

もう、もう…私はここで大号泣www 友情に年齢は関係ないんだな。こんな告白にもうろたえず、喜んでくれた少年が、なんだか少し頼もしくもあり、、、

P5は神ゲー!!!!!と思った瞬間でした。

2人目の女流棋士は、同い年くらいの子。とある教会で知り合って、一局お願いしたところから交流が始まり、それから夜な夜な教会に通いつめ、将棋を通してバトルに有利な作戦などを教わりました。この子も親との関係に悩んでいます。可愛すぎる女流棋士としてメディアにもてはやされることを利用してアイドルに仕立て上げられ、時には八百長でわざと負けろ!その方が同情されると強制され、親がステージママ化するという…ありがち?なパターン。彼女は、将棋の回数を重ねることでだんだん心を開いてくれます。本当は将棋が大好きなのに、どんどん将棋から掛け離れて行って、雑誌のグラビア撮影まで強いられるようになり、このままじゃ自分を見失ってしまいそうだ…

というところでステージママを改心させよう!作戦の開始であります。いつもの要領でメメントスに突入、ステージママの心を盗み、改心完了。2回目ともなると慣れたものです。

通常世界に戻ってから、君の好きなことをやるんだ!将棋、好きなんだろう?と、励ましの言葉を投げかけると…なんとここで、この子に恋愛的な意味で告白できるイベントが発生!

驚きました。

こんなストーリーも用意されているのか P5は?!しかしその頃、もしかしてそうなのではないか、それらしきギリギリのところまで行けるのではないか、と思いながら攻略を進めていた別の相手が居たのです…アブナイ人体実験に付き合うとお薬を処方してくれる女医です。でもまぁ、その女医とも色んなこと匂わす程度のストーリーで終わるだろーなどうせ、それでもいいけど!ぐらいに思ってたのに、突然のガチ恋愛フラグ出現に、怖気づいてしまいました。まさかこんな事になるとは…、この子とそういう関係になってしまったら女医とのイベントが発生しないのでは?!と考えた私は、渋々フラグを折りました。ううう…

ステージママを改心したこともあり、どうやら棋士の子はいろいろと吹っ切れて「棋士の道をまた一から頑張る」と決心していました。恋愛フラグは折ってしまったけど、君が幸せになれる道に進めるのなら、人間として強くなれたのなら、全力で応援するよ、これでもう大丈夫だね。で、実はボク……なんと、ゲーマー少年に続き、彼女に対しても正体を明かすという会話が発生。コープってそういう事か!!2人目にして、やっとこの流れを理解。この時すでに、終盤だったのでほかのコープを上げる時間の余裕はもうありませんでした。悲しい…ほかの人のイベントも見たかったなぁ…と思いながら最後に、女流棋士へ自分の正体を告げると…

「わかってましたよ。」

えっ…

「なんとなく、そうなんじゃないかって…」

えっ?!?!!

「ふふっ😊」

ほ、

惚れてまうやろぉおおおおおおおおおおおお!!!?

女を欺こうなど100万年早い。こんな頭が良くて、勘もいい、その上見た目もいい、なんという大物を逃してしまったんだ、恋愛フラグへし折っちゃったよ?!と、心底後悔しました。

そんなコープイベントで一番私が好きなのは、冴さんという美人検事に問い詰められるところです。(女医じゃないんかい)

P5はいきなり主人公だけが警察に捕まってしまうところから始まって、そこに至るまでの出来事を紐解いていく形式でストーリーが進むのですが…

その美人検事の冴さんから「君ひとりで企て、出来る犯行ではない、『協力者』がいたとしか思えない」と取り調べを受けるところは、コープを結んだ「あの人」に出会ったからこそ立てられた作戦だった、共に戦っていたのは怪盗団の仲間だけではないのだ、ということがわかり、再び涙けてくるわけです。

★ゲーム性、バトルシステム

なんといってもこれだけのストーリーが詰まっていながら、画面の作り方やゲームシステムもすごくて、私にとっては今まで見たことのないものばかりでめちゃくちゃ新鮮&斬新。ペルソナシリーズに子供の頃から殆ど接してこなかったので全てが新しい…。女神転生からのファンはどうやらP4〜 P5はなんか違うらしく、やや抵抗があるようですが、こんなにわかな私がペルソナシリーズをプレイしてみようと思えたのはほかでもないこの「スタイリッシュでとっつきやすい」ゲームデザインだからでした。あーーースタイリッシュって言ってしまった!!ほかの何かいい表現、無いもんかな…

たとえば、悪魔を仲間にし「合体」させて別の悪魔を作り出す。ペルソナに限らずの話ですが、最も私が不得意とする要素で、何も土台となる知識がないもので、どうやったら何が生まれるのかさっぱりわからない。単にアホなだけかもしんないけど…とにかく強そうなのを作る事と、全属性を持てるようにバランスよく作っていこう!とかいろいろ考えながらやっていたつもりです。でも、どうしても初期ペルソナのアルセールが一番見た目がカッコよくて、なんでこのペルソナを手放さなきゃならないんだ?!というモヤモヤしてしまって、せめてカッコイイペルソナと一緒にいたい…という理由だけで殆どビジュアルで決めてましたね。あとは、主人公のペルソナ召喚時の呼び名のスタイリッシュさで決めてた。「プリンシパリティ!」とか特に好きでした。

あとは、ゲーマー少年か教えてくれた「銃」を使うバトルは面白かったですね。使うとめちゃくちゃスタイリッシュ。笑 序盤は弱点つくぐらいしか使い道が無かったんだけど、これまた終盤にかなりダメージ与えられる事を発見してかなり依存&乱用してしまいました。最後に仲間になった春ちゃんの銃を使った必殺技なんかは、ラスボスまでお世話になりました。

自分と仲間を強くしよう、技を覚えようというモチベーションが、連携を駆使していかにこちらの形勢に有利にできるか、ターンを敵に回さないようにするか、というところにあるのも「仲間との繋がり」を感じられて良いと思います。でも、これは長年のファンからすると当たり前なんだろうなぁ…。1周だけではあまりディープなところまで攻略できなかったというのもあるけど、さらに強くしたその先にどんな感動があるのか、というところまでまだ私は到達していないのかもしれない。

★まとめ

こんな時代にこれほどのシナリオを作って、このタイミングで出したのは本当にすごいとしか言いようがない…。普遍的なものを作るには、現代のしかも東京を舞台にするのは難しいと思うんです。いつ古くなるかわからないですからね。日本に存在するあらゆるものを詰め込んで、あとは流れる様を眺めるのみ、というところまで密度の高いストーリーは、ペルソナシリーズ以外では出来ないだろうな〜。あとは、物語の最後の最後、あれは蛇足だったなと個人的には思っていますが、やりきるためにはなにがなんでも必要なんだ!と判断したのだろうという感じもしました。 P5はおそらく「全て」を描こうとしたと思ったからです…。とはいえ、序盤から散々人々の心の動きや生活のリアルさを追求して作り込まれていたのに、終盤急に何がいいたいのかさっぱりわからない抽象的なことを言い出したので、かなり違和感がありましたけどね…。やっぱり、無いなら無いで良かったかも。

というわけで、これ以上のペルソナは作れるのか??というボリュームと、作り込み(そしてやり込み要素)は相当なものなので、もしP6が来るとしたら、そういう意味でどんなものが出来上がるのか楽しみです。

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