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私の歌の道①

出会い~即興演奏

2015年ごろ、かかわっていた施設のコンサートにふらりと現れた、
サックスのかみむらさんTAIICHI KAMIMURA (taisax.sakura.ne.jp)
が披露された即興演奏を見て、かっこいい、私もやってみたい、と強く興味を持ち、そこからかみむらさんの即興演奏のライブを聴きに行ったり、さらにもっと知りたいと、かみむらさんのワークショップに参加しはじめた。
仕事の合間に、月1回行けたらいいほうだったけど。私は熱量のわりに、びびりで、行動がゆっくりなのだが(熟考型としておこう)そんな私のこれまでの歩みと同じく、即興演奏というものとの出会いが、マイペースに、ゆっくりとスタートした。

何回目かの、かみむらさんのワークショップに参加したとき、そこのライブハウスのスケジュールで、加藤崇之さんの、https://www.hotmusic.co.jp/katouprofile
即興演奏のセッションナカノピグノウズ ジャズ クラシック バー Jazz Classic etc bar (nakanopignose.com)を見つけた。

当時は、勇気出してかみむらさんのワークショップに参加するので精一杯で、大満足もしていたし、ほかの方のところに行く勇気は全くなかったのだけれど、そこに書かれたお店の告知文が、なんだか楽しそうで。

確かその時の文言には「初心者OK]「みてるだけOK]「やれそうだったら参加して・・・」「怖い物みたさでもOK」「加藤さんは優しく・・・」とかが、丁寧に書いてあり、それを読んでいるうちに、ほぼ衝動的に申し込んでいた。加藤さんのことを演奏はもちろん、どういう方かも何も知らずに。

(※後日、何度目かの参加時、私のことを参加者に紹介するときに、(セッション開始時に簡単に皆のことを紹介してくださる)私のことを「えーとこの人はクラシック方面の歌い手で、童謡とか日本の歌を専門に歌っているそうですが何か血迷ってここにいます(笑)」とおっしゃったのだが、まさにここに飛び込んだ時の状況を一言でいうとそういう感じで、「うまいこというなあ・・・」と面白いやら感心するやらだった。)

セッションはお店の告知文通りで、安心して参加でき、何より加藤さんの即興演奏がかっこいいのとお話が面白くて深いのと、優しいので、私はすっかり気に入った。

月1の開催だったので、頻繁には行けなかったけど、ちょうどそのころ都内で月2回くらい個人レッスンしていて、スタジオがライブハウスのある中野駅まで20分くらいで行けたので、スケジュールをそこに合わせて組んだりして、どうにか行くことを確保していた。

加藤さんの演奏は、そこでの即興演奏しか知らなかったのだが、何度目かの参加のときに、「別日にボサノバセッションやってるよ。」「童謡をアレンジしてやっるよ」と声をかけてもらった。

ボサノバは全くやったことがなかったけど、童謡という身近なフレーズと、即興セッションに飛び込めたのだからもうあまり怖いものはなかったのと、加藤さんがやってるなら全然心配ない!と、こちらにも飛び込むことができた。

そこで、加藤さんの童謡のアレンジと、加藤さんのいつものかっこいい即興演奏じゃなく、ガットギターで曲を演奏されるのを初めて聞いて、その繊細な美しい音色とメロディに驚いて、えっ、こんなに美しいギターも弾かれる方だったんだ!と、そのふり幅というか、ギャップにも感動した。
一緒に歌ってみたら、これまで私が歌ってきた童謡の世界がどんどん広がっていった。こういうことがあるのかと嬉しくて、信じられない思いだった。

即興演奏の世界は自分の専門とは全く違う世界だと思っていた。(もちろん大きなくくりでは学びになるとは思っていたけれど)
だから、まさかそこに飛び込んだ先で、いつもの自分の歌を歌って、しかも、その自分の歌に関しての発見や、表現の可能性について、まるでその分野でのレッスンを受けたかのような学びや経験をいただくとは思っていなかった。私は横浜に来てからは自分自身のレッスンとしては誰にもついていなかったが、普通に歌のレッスンをだれか偉い先生についたとしても、こんな学びや経験があるかどうかわからなかったと思う。

そんなふうに、加藤さんからは即興演奏はもちろんだけれど、おもいがけず私の専門の歌の方でも数多くの経験や学びをいただいた。
ピアノ以外の楽器と歌う経験をほとんどしてこなかった私にとって、ギターと歌うことは、音程感覚や、リズム感覚においてもとても勉強になった。
加藤さんの変幻自在のギターで歌わせてもらった経験は、その後の私のアンサンブルにおける大きな学びになった。

それだけではなく、その後の私の歌人生における大きな出会いにも、この加藤さんとの出会いがあったからで、そのことを思うと、私は、もう、ありがたくて、嬉しくて、そして、毎回、この自分の出会いを思い起こすたび、勇気をもらうのだ。

私の歌の道、私の歌を作っているもの、があるとするならば。
ある程度の年齢になってきて、生徒さんの中には、
プロとしての歌い手を目指す人もでてきた。

道はひとつじゃない。
自分のやり方、自分の歩き方がある。
そういうことを書いておくのもいいかもしれないと思った。

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