花咲くときは

二階の私の寝てる部屋に迫ってきている、桜。
咲くのをとっても楽しみにしていた。

でも、周りの桜は満開を過ぎたのに、
こちらは全然咲かなくて、
毎日、起きるたびに、
硬いつぼみに、

「咲くよね?」
「いつ咲くの?」
「他所はとっくに咲いてるよ?」
「ていうか、桜だよね?(別の花?)」
とつぶやいていたんだけど、

ようやく、花がほころんできた。
あ、こんな色だったのね。
ちょっと違う種類の桜だったのね。
そしたら、この桜は、これから咲く桜らしいと教わり、
そうなんだー、と納得。

咲くまでわからないんだなあ。
いつ咲くか、どんな花か、も。
毎日私に、いつ咲くかときかれて、
桜は「おちつけ」「ほっといて」
て気持ちだったかなぁ。

どんな花を持っていたかとか、
いつ開いたか、なんて、桜には何の関係もないことで。
桜はただ静かに、自然の理のままに、
いただけのことで。

花咲く、ということは、
人においても言われることがあるけれど、

人も、
「花咲く」時期はそれぞれで、
それは、その人が決められるものではなく、
努力してどうにかなるものではなく、
ただ自然の理のなかにあり、

そして、咲いた姿は自分でも気づかない。
そんなものかもしれない。

大人も子どもも若くても歳をとっていても、
みんな、花を持っている。
咲く時期も、何度咲くかもわからない。
咲いたとしても、それは自然すぎて、
自分ではわからないかもしれない。
どんな姿なのかもわからないかもしれない。
桜も自分の姿は見られないもの。
自分の花を見ることはできないけど、
誰かの花は見ることができるかもしれない。

そう思うと、

誰かの花を見つけられる人は幸いだ。
待ち焦がれていた、
桜色の淡いピンクではなく、
濃いピンク色の花びらも美しかった。

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